この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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 ちょうお久しぶりです。

 暗殺教室の方を終わらせてから中々時間が取れずにいました。

 新生活が始まってバタバタしていますので次話も遅くなります。


201 運命の再会

「はっはっはっは!!前回の続きと思ったか!!残念でした。飛ばしちゃいま~す!!」

 

ゆになが紅魔族の学校を卒業してから、一年程経っていた。

 

 町の真中で相手がいる訳でも無いのに大声で久しぶりのセリフを叫んだゆにな。当然周りからは奇妙な目で見られる。

 しかし、ゆになは気にしてない。流石、アクシズ教徒である。

 

 

 

 紅魔族の里で子猫をめでたり、邪神の復活騒ぎでどさくさに紛れて邪神の手下と戦ったり、子猫をめでたり、めぐみんとゆんゆんが一足早く卒業したりと色々あったが、(殆ど猫を愛でる事しかしていなが)ゆになは無事に上級魔法を修得して卒業した。

 卒業したゆになはテレポート代が稼げずにニート化するわけでもなく、サッサと水と温泉の都アルカレティアに着いた。

 

 清らかな水とそれを使った温泉が有名なアルカレティアはアクシズ教団の総本山であることでも有名だった。

 ゆになは神の存在を信じ自殺した前世がある。そして、この世界に産まれ変わらせたのはアクア様。

 紅魔族から出たことがなかったゆになは今までアクア様の教団があるとは知らなかった。が知ってしまった。

 そこから考えられる行動は想像がつくだろう。

 ゆになはアクシズ教徒になった。

 その後、始まりの町アクセルに着いた。というわけだが…

 

 ゆになは毎日三回お祈りを捧げるのに加えて、冒険者として得た報酬を生活に困らない範囲で寄付しまくった。

 そして付いた二つ名が『狂信の魔法使い』だ。

 

 

 

 先ほど叫んだ際に奇妙な目を向けられたゆになだったが、叫んだのがゆになだと分かると、またか…と呆れられるまでになっていた。

 

 今日も今日とてゆになはご機嫌である。理由は特にない。敷いてあげるのなら、いいことが起こりそうと直感的に感じただけである。実に単純。

 

 

 町の中心にある冒険者ギルドに着くとギルド内を見渡す。端っこの方に知り合いを見つけたゆになは、知り合いが座っている者の下に向かう。

 

「おはよ~!」

「えっ!?あっ!おはようゆにな」

 

 アクセル一のボッチゆんゆんの下である。ボッチ過ぎてその内、ヒキタニとか呼ばれるようになる勢いである。と勝手にゆになは思ってる。

 

 ゆになは挨拶をすると、許可も取らずに相席する。

 

 ゆんゆんは久しぶりの相席者に心を躍らせたのだが、ゆになの顔を見て顔を引きつらせる。

 

「な、なに?」

「いやいや、ゆんゆんはまだボッチだったんだな~?って思って」

「酷い!」

 

 ニヤニヤとゆんゆんをいじるゆにな。

 そこから、同じ同郷者として、冒険者として、アークウィザードとして、話した。

 ゆんゆんはゆになのことが友達と見ていないのだろうか?周りからは友達として見えるのだが…。ゆになは友達と見てないらしい。

 

 

 

 楽しい時間は何時か終わるというが、本当に突然のことだ。

 恐る恐るという足取りで二人の男女がギルドに入って来た。

 

 ゆになはゆんゆんを向けていた視線を入って来た二人に向けて……………驚いた。

 

「ぶぅぅぅ―!」

「わっ!!汚いよゆにな!……………ゆにな?」

 

 飲んでいたジュースを噴き出してゆんゆんに怒られても、ゆになの視線は奇抜な格好をしている二人に釘付けだ。ゆんゆんも入って来た男女に向けるが、なぜこんなにもゆになを驚かせるのか解らなかった。

 

 それもそうだ。男の方はゆになやゆうゆんとさほど変わらない歳だろうか?その少年はこの世界では見たこともない素材で作られた服を着ていた。それはゆになの前世、日本のジャージであった。

 そして女性の方。あの神々しい見た目、青い髪の毛、そして羽衣、忘れるはずもない。アクシズ教が、ゆになが敬愛しまくる存在。アクア様その人だった。

 

 その二人受付に行くと直ぐに離れて、椅子に座って相談し始めた。

 

(大方、登録手数料が足りなかったのでしょうか。仕方ありません、アクア様のためです。一肌脱ぎましょう!!)

「では、ゆんゆん!私は用事が出来たので先に帰ります」

「あ、うん。またね」

 

 ゆんゆんはゆになが帰ってしまうことに少し寂しく思ったが流石コミュ障、引き留めるや付いて行くなど考えもつかない。あっさりと別れの挨拶を交わした。

 

 ゆんゆんと別れたゆになは偶然を装って二人の座るテーブル近くを通った瞬間、財布を落とした。

 

(彼が日本人なら、人が物を落として気づかない時は拾ってその人に渡すでしょう!!)

 

 ゆにながそう思った通り、少年は財布を拾った。

 

「おーい!そこの魔法使いっぽい女の子~!」

「ん?私ですか?」

「財布、落としましたよ」

 

 拾った財布を返してくる少年。

 ゆになはお礼を言って受け取る。

 

「おぉ!私としたことが。ありがとうございます。これはほんの気持ちです。」

「あ、どういたしまして」

 

 ゆになは返して貰った財布の中から入っていた金額の三分の一、一万六千エリスを取り出して少年に渡した。

 

(冒険者登録手数料は一人千エリス、あれだけ渡しておけば十分はアクア様が贅沢できるでしょう。しかし、なぜアクア様があんな男と一緒にいるのでしょうか?アクア様に手を出したらわが魔法でプツンと潰してやりましょう)

 

 物騒な事を考えながらゆになは帰宅に着いたのであった。

 

 

 

 

 

 二週間経った。

 

 あれから上手くいってるだろうか?と思いながら、ゆになは今日もアクシズ教の教会にお祈りを捧げた後、冒険者ギルドに仕事を探しに来た。

 

「我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者……………!!」

「……………冷やかしに来たのか?」

「ち、違うわい!!」

 

 ギルドに入るとゆになの耳に知ってる人の声が聞こえた。

 ゆになは声の主に目を向けて……………

 

「めぐみ~~~ん!!」

 

 思いっきりダッシュした。なぜなら、声の主――めぐみんの相手をしていた者達が……………

 

「あ?ゆになじゃないですか。どうしたのです?そんなにあw――――」

「ほんっとに申し訳ありません。アクア様!!」

 

 ゆになはめぐみんの頭を持つと、一緒になって頭を下げた。土・下・座である。

 

 突然現れた人が面接中の相手と共に土下座をされるアクアと少年は何のことだかさっぱりだ。

 そんなの事知ったことでないゆになは必死になってお許しを願う。

 

「罪の償いはあれです!…とりあえず此奴には常識というものを教え込むのでお許しください!!」

「いたたたたた!!痛いです、ゆにな!!」

「何なの?」

「嫌、分からん。……あっ!アクア様とか言ってたからお前関係じゃないのか?」

 

 

 「訳も分からず頭をずっと下げられるのは気持ちいいことじゃない」とのことで、ゆになはめぐみんの頭を離す。

 

「もう何なんですか!?」

「うんうん。ごめんねめぐみん。最近、私が食べ物持っていくのを忘れていたせいで、人に奢ってもらおうとしていたんだよね?今度からは忘れないようにするから、知らない人に、特にアクア様にはたかるなよ!!」

 

 最後の方はドスの聞いた声でめぐみんに言い聞かせるするゆにな。めぐみんは言いがかりは溜まったものじゃないと反論する。

 

「確かに、食べ物を奢ってもらおうなど思ってもいなかった、と言えば噓になります。がしかし!私はこの人達のパーティーメンバーの募集を見て来たのです!」

 

 真っ当な理由があってアクア様に名乗っていた。そのことを聞いたゆになはアクア様に確認を取る。

 

「へ!?そうですかアクア様?」

「何か分かんないけど、その通りよ!」

「そう言う君は、どなたなんです?」

 

 ゆになの確認に、どういう状況か解らないけどめぐみんの主張は間違っていない。と自信げに答えるアクア様。

 今度はアクア様の仲間の少年がゆになに誰だ?と聞く。

 ゆになは求められた自己紹介を考えるまでもなく、本能的に行った。

 

「我が名はゆにな!!紅魔族唯一の禁術の使い手にして、アクア様よりこの世界に転生し者!!」

 

 

 如何やらゆになも、人のことを言えなかったみたいだ。

 




 というわけで原作開始まで一気に飛ばしました。ここからゆになとアクア様の暴走劇が始まる!のか?
 お楽しみください

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