そんな私にダクネスさんが聞いてきました。
「ゆにな、一つ良いか?」
「はいはい。なんでごぜえましょう?」
「その、重力魔法というのはどんな魔法なのだ?キャベツ狩りの時に私が受けた不思議な現象がそうなのか?」
「そう、人はその不思議な現象のことを重力を呼ぶ!ま、正確には重力を一定区間だか、下に向けて強くした現象があれですけどね」
「……………」
ダクネスさんが黙り込みました。
何かいけないことでも言いましたっけ?
「ゆになはそんな魔法をどうやって覚えたのだ?見たことも聞いたこともない魔法なんだが?」
「ゆにな曰く、家に伝わる禁術だそうですよ。私も詳しくは知らないのですが、ゆになの家は至って普通の家庭です。禁術があるなんて里の大人達もゆになの母親も「聞いたことがない」と言ってました。そこのところ、どうなんですか?」
「え、っとー」
冷汗がダラダラと流れているのが分かります。
心なしか、足元に水たまりが出来ている気もしなくない。
アクア様に貰ったと言えるわけないし、かと言って都合の良い言い訳も思いつかない。
なので、
「禁術です」
「「え?」」
「だから禁術です。読んで字のごとく、禁じられた術です」
禁術と言って押し切ります。
だって、押し切るしか方法が思いつかないし!
ステータス的にはそこそこある知力も、こんな時には全く役に立たないよ!!
と私が困っていると、なんとカズマ君が助け舟を出してくれます!
「もうよくないか?不思議な術ってことで。それよりも俺は重力魔法以外について知りたいんだがけど?」
「重力魔法以外についてなんてっ!私のあわれもない秘密が知りたいというのですか~?」
昔のアニメのようにクネクネと体を動かして、テレたアピールをする。
勿論ネタなので、本当にテレた訳でもないですよ。
あ、「折角助けたのにふざけるな」と言う目でカズマ君が見てきます。
分かりました、分かりましたよー!
「ジョーク!ジョークですから、その手をおさめて下さい。もぉ、ネタに一々怒らなくてもいいじゃない」
「なんだ?ホントにスティールがお望みか?」
「NO言います!私が覚えているスキルは『初級魔法』『中級魔法』『上級魔法』『魔法威力上昇』『高速演唱』『初級回復魔法』『魔力回復速度上昇』『魔量変換』『集中』『ラッキーガール』『初級創作魔法』『炸裂魔法』『爆破魔法』ekusutra……………」
カズマ君が本気でパンツをスティールしてきそうだったので、私は覚えているスキルをペラペラと口に出してしまいました。
この世界にないスキルも言ってしまったが、「ゆになだから」で誤魔化せないかな?
なんか面白そうなスキル『魔王回復速度上昇』
自分で打った時でも「何このスキル!?」となりました。