十万近いツケ、出来ればカズマ君に払って貰って欲しかったけど、カズマ君は今回の報酬の使い道を決めてるそうだ。
「今回の報酬はそれぞれにって言い出したのはお前だろ!?俺は、いい加減拠点を手に入れたいんだよ!いつまでも馬小屋暮らしじゃあ落ち着きがないだろ?」
ちょっと待て、今聞き捨てならぬ言葉が聞こえたのですが?
馬小屋暮らし?
まぁ、転生して来て一か月もないですし、最弱職だから納得も行きます。
それはカズマ君だけですよね!?
そうですよね?
「カズマ君、カズマ君」
「あ?なんだよ?出来ればコイツを止めてくれると助けるんだが?もっと言えば、お前が金を負担しろ」
「嫌に決まってるじゃないですかやだー。それよりも、アクア様はちゃんとした部屋で寝泊まりしているのですよね?」
「あいつが?無理だろ。今でも借金に追われているのに、宿とか。俺と一緒の区間だぞ。俺は早く馬小屋暮らしを抜けたい。そのために拠点を構えるつもりなんだよ」
なんと!
アクア様は今まで馬小屋暮らしを強いられていたそうです。
くぅーーー!
この際カズマ君に投資したら、家を買ってくれないですかねー?
「カズマ君、良いですね~!私も投資するんで住ませてもらいます」
「そうか、それは良かった。俺とゆになのお金があれば……………」
カズマ君が私の提案に乗ってくれている。
そんな時だった。
アクア様が我慢しきれずに、カズマ君にすがりついたのは。
「そんなぁぁぁ!!カズマぁぁぁぁぁ、お願いよ、お金貸してぇ!ツケ払う分だけでいいから!!そりゃあ、カズマも男だから、夜中にゴソゴソしているのは知ってるし、プライベートな空間が欲しいのは分かるけど!!」
「よぉし!分かった。五万でも十万でも安物だ!!だから黙ろうか!!」
アクア様、見たんですか?
思春期に入った男性特有の、アレ、を!
っていうか、カズマ。
アクア様と同じよう部屋に居ながら、アレをするなんて。
「死ねばいいのに」
「聞かれてたぁぁ!!おいゆにな、忘れろ!」
「忘れろ?」
「頼むから忘れて下さい!!いや、それよりも言いふらさないで下さい!!」
「もうひと声~」
「金か?金なのか!!?幾らだ?」
「いえ、拠点の話を早く進めろ!」
「ありがとうございます」
アクア様と同じ空間にいるのに、カズマ君にアレをさせる訳にはいかない。
そう思って、拠点の話を早くしろと言って「勿論お金をお前持ちな」と言う事を言葉外に混ぜました。
早くカズマ君から、アクア様をお救いしないと。