「カズマ、早速討伐クエストに行きましょう!それもザコやモンスターが沢山出てくるやつです!」
カズマ君がアクア様のツケを肩代わりした後、めぐみんが「新調した杖の威力を試すのです!」と言い出した。
カズマ君もめぐみんの提案に乗り気です。
「まぁ、俺のゾンビメーカーの討伐じゃ、覚えたてのスキルを全然使えなかったからな。安全で無難なクエストでもやるか」
「いいえ!お金になるクエストをやりましょう!私ツケを払ったせいで、今日のご飯を食べるお金も無いから!」
アクア様はお金になるクエストに行きたい模様。
アクア様の食事代位出してあげますのに、私に甘えないアクア様、立派です。
「ここは強敵と戦うべきだ!一撃が重くて気持ちいい、凄いモンスターをっ!!」
ダクネスさんが又しても違うクエスト方針を言う。
ならば私も!!
「ならば私は護衛クエストを選びます!!旅行気分で行けますし、運が良かったら何もしなくても済む超簡単クエスト!!」
ザコモンスターの殲滅クエストのめぐみん、実の入りの良いクエストのアクア様、強敵の危ないクエストのダクネスさん、数日掛けて行う護衛クエストの私、と十人十色とでも言える程纏まりのないことを提案する私達四人に、カズマ君は呆れ顔で纏める。
「取り敢えず、掲示板の依頼を見てから決めようぜ」
はーい、と私達四人はぞろぞろとカズマ君について掲示板に移動する。
そこで私は、最近の掲示板の状況を思い出した。
確か……………
「……何だこりゃ?依頼が殆どないじゃないか!?」
そう、ここ最近は依頼の数が一気に減っていたのだ。
しかも、
「カズマ!これだ、これにしよう!山に出没するブラックファングと呼ばれる巨大熊を―」
「却下だ却下!なんなんだよ!高難易度クエストしかないじゃないか!?」
この街では私くらいじゃないと受けない高難易度クエストしか残っていなかったんだっけ?
っと、私達が掲示板にいることを見たのであろうルナさんが、受付から駆けつけて来てくれる。
さてルナさん?
高難易度クエストしかない理由を教えてたもう!
「ええと…………申し訳ございません。ただいま、この街付近の廃城に魔王軍の幹部らしき者が住み着かれまして……………。その影響か、弱いモンスターは軒並みに隠れてしまい……………仕事が激減しています」
ふむふむ。
で、来月までにはその幹部とやらを討伐する為、国から騎士団がくるから、それまで待てと言うわけですか。
ルナさんの説明を聞いたアクア様は絶叫した。
アクア様、今文無しですもんね。
カズマ君もこればっかりは、アクア様に同情してくれているみたいだねー。