アクア様に同情しているカズマ君を見ていると、ルナさんが話しかけてきた。
私に用とは何でしょうか?
「それで~、ゆになさんにお願いがありまして……………」
「ゆになにお願い?ゆになが受けれるクエストがあるのですか?」
ルナさんが下手に出ながら申し訳なさそうに言うと、めぐみんが「私達が受けれそうなクエストがない癖に、ゆになが受けれるクエストがあるのですか?」と不満に思ったらしい。
「何々?めぐみん、また嫉妬?」
「だから、嫉妬なんかじゃありません。あの、ゆになに頼むくらいなら、私達に頼んでも大丈夫ではないのしょうか?」
私がめぐみんをいじると、慣れた様に素っ気なく返されて、ルナさんに質問を投げかけるめぐみんがいました。
これくらいじゃ動じなくなったか!
強くなったなぁ、お主よ。
「えーっとゆになさん?よろしいでしょうか」
「あ~はい!何のご用でしょう?」
「先ほど、高難易度クエストくらいしか依頼がない、と言いましたね。それで今、冒険者の活動が停止して高難易度クエストが溜まっていくばかりなんです」
「ちょっと待ってください!」
説明をしていたルナさんに、めぐみんが待ったをかける。
はてはて、めぐみんは何を気づいたのかな~?
私、わかんな~い?
「ギルドはゆになに、高難易度クエストを幾つもやらせようと考えているのですか?」
「…………申し訳ございませんが、ゆになさんしかこんな事を頼める冒険者はこの街には居ないので……………」
「幾らゆになでもそれは――」
「別に構いませんよ?」
カズマ君が話の中に入ってきて言い出した、「無理だろ~それは」的な事を遮って、私はルナさんのお願いを承諾した。
勿論、考え無し受ける訳ではない。
「そ・の・か・わ・り、報酬は弾んでくれるのですかぁ~?」
「勿論です。ゆになさんにお願いしている立場上、報酬の上乗せくらいは大丈夫です。全部とは言いませんが、出来るだけクエストの消化、よろしくお願いします」
ルナさんは私に頭を下げてから、受付カウンターに戻った。
さて、勝手に一人クエストを受注した私に、パーティーメンバーの反応はどうでしょうか?
「ゆにな、私も連れて行ってはもらえないだろうか?ゆになが接近される必要のない、壁役になるぞ」
「お前はそのどうしょうもない性癖を満たしたいだけだろうが。俺は行かないからな、勝手にやってろ」
「いつの間にゆになが、ギルドから信頼を置かれる冒険者になったのですか?なんか悔しいです。私も行きます。そして、我が爆裂魔法がゆになよりも優れていることを証明して見せましょう!!」
「カズマさん、怖気づいちゃった訳?クスクス、お金が無いから、勿論私も行くわ!回復はまかせなさい!!」
なんと、四人中三人が仲間になりたそうにこっちを見てるではないですか?
どうしよう?
これじゃあ、お荷物が増えるのと報酬が減っちゃう。