静かに緊迫する部屋の中、ズズぅ~とお茶を啜る音が鳴り響く。
私の目の前には微妙な顔のルナさん。
はい、お茶を啜ったのは私だよ!
結局、ルナさんに用意してもらえました丸!
「あの~そろそろお話してもよろしいでしょうか?」
「あ、はいどうぞ。勝手に聞いていますので」
「それでは、お話させていただきますね。実はゆになさんに、偵察を頼みたいとギルドは考えています」
「偵察?どこにですか?」
何で私なんかに偵察をやらせるのでしょう?
偵察なら、敵感知や気配遮断、暗視と言ったスキルを持った盗賊職の方の方が適材適所ではないでしょうか?
「昨日話した、魔王軍の幹部らしき人物が根城にしている廃城にです」
「それは……偵察じゃなくて、討伐を依頼したいと?」
「幾らゆになさんでも、それは難しいのではないでしょうか!?」
むぅ!!
勝手に決めつけるのはどうかと思いますよ!
それに、私は最前線で活躍している元日本人と同じ転生者なんですからね!
とは、言えないよねー。
それに、あくまで私はアクセルの街で活躍している一冒険者だ。
地方で強いからって、中央で強い訳じゃない。
「まぁ、私が討伐出来るかは置いておいて。何で私に指名依頼が?」
「討伐部隊が行くまでに敵の情報を得ておけ。国がそう指示をだしたのです。討伐期間を延ばさない為にも討伐部隊が行くまでに敵の偵察をしておいてくれ。とのお達しで、ゆになさんが選ばれました………」
あーなるほどね。
つまり、国からの依頼で、私が生贄に選ばれたっと。
まぁ、生贄かはともかく。
何で私なのか?が聞いてません。
私ではなく、偵察の理由しか話してないですよね?
と言った事をルナさんに伝えると、
「魔王軍幹部への偵察なんて、普通はそうそう出来るものではありません。腕の低い盗賊で偵察に行かせると、呆気なく捕まって拷問、もしくは即殺される。ここは高ランクの冒険者があまりいらっしゃらない最前線から離れた場所ですから。わざわざ普通の盗賊職の冒険者を死地へ送るのはどうか?とギルドで考えた結果、ゆになさんが選ばれました」
「選ばれましたーって笑顔で言うところじゃないよね!私、アークウィザードなんですけど!?」
そんな腕の良い盗賊を行かせるべき場所に偵察、ましてや侵入なんぞやできるかぁ!!
とルナさんに講義。
返ってきた言葉は、
「ゆ、ゆになさんなら、なんとかしてくれそうな気がしまして……………。ほら!ここに来てからも、あらゆる高難易度クエストを解決してきたじゃないですか!?」
なんとかしてくれそうだから、と言う答えになっていない答えが返ってきました。
これ、辞退出来るのでしょうか?