「ありがとうございました。またいらしてください」
「あ、はい。機会があったら寄らせて頂きます」
取り敢えず、何か使えそうな魔道具を幾つか買ったら、ウィズさんに喜ばれた。
「やっと売れた!」とか言ってたけど、あの品揃えだったらね。
私みたいな変人以外は買わないよ。
まぁ、嫌がらせ目的の魔道具は沢山買えましたから、よしとしましょう。
と、そろそろ戻った方が良い。
私は宿に戻ってお姉さんからお弁当を受け取ると、廃城に向けて出発した。
今回の目的地の廃城は、街を出てから帰るまでの往復で、午前の日課としての時間程度の距離にあるらしい。
クエスト期限は討伐部隊が来るまでなので、一か月ある。
私は散歩機嫌で森を歩く。
「ふんふん、っふん!」
鼻歌を歌いながら森を歩いても、モンスターが襲ってこない。
如何やら、魔王軍幹部の影響っていうのは正しいんですかね?
その代わり、モンスターに会ったら強い奴って訳ですか。
何か、ゲームの『モンスターが強力な奴しか出ないイベント期間』みたいな感じだ。
そんなことを考えていると、あっという間に廃城が見える所までたどり着いてしまった。
しまったって、嫌々行ってる見たい。
まぁ、この辺でお弁当でも食べますか。
「先ずは、『簡易結界』っと」
初級創作魔法で創った結界で、周りから見えずらくなるバリアーを張る。
これでザコモンスターにお弁当タイムを襲われる心配はなくなった。
「はむはむ、んくん。ぉー!これ美味しい!また今度お願いしよーっと」
簡易結界で作った安全地帯で、のんびりと昼食を食べる私。
しかし、本当に初級創作魔法は便利だよねー。
作れる魔法は、あくまで初級レベル、良くても中級。
それでも幅広く魔法が創れるのは勝手が良い。
特にこの世界にない魔法とかね!
お弁当タイムを終わられた私は、廃城にと歩き出す。
この辺りからは見張りがいるかもしれない、と考え慎重に進むが……………。
あっさりと廃城までたどり着きました。
「……何か思ってたのと違う」
もっと、見張りみたいのを後ろからとうっ、ってやってから、他の敵に見つかって警戒態勢を取られる。
それで、そして中ボスっぽいのと戦闘がありつつ幹部の下に辿り着く。
見たいのを想像してたんですけど?
そう不機嫌になりながらも、『ステルスヒッキー』を発動。
某ボッチの最高者と言っても過言でもない人物のマネである魔法だ。
これの面白い所は、相手に認識されにくくなるだけの魔法というところである。
見えてるけど、分からない。
これぞボッチの実力。
家のボッチさんとは格が違うね!
と、廃城に侵入したのであった。