「こちら廃城内に侵入しているゆになちゃんで~す!かれこれ三十分近くは歩いていますが、第一住人も発見できておりませ~ん。何か状況が変化するまで、一旦スタジオにカメラを戻したいと思います。バイバイ!?」
ニュースキャスターの真似事をやってみている。
そのくらい暇だ。
な~んにも出てこない。
ザコ敵がいる訳でもなく、敵を惑わすトラップがある訳でもない。
城らしく複雑な構造をしてますが、迷路と言うには惜しい。
『マップ機能』もあるせいか、迷うことは先ずない。
あ、『マップ機能』も初級創作魔法で生み出した。
SA〇の奴みたいな感じで創ってみました~!
ん?
『初級』創作魔法だろ、って?
使ってて分かったんだけど、初級は神様にとっての初級らしい。
この世界での初級は、覚える価値もない物。
つまり、神様にとって片手間でパッパッとできちゃうような魔法が初級であると、ゆになは結論付ける。
だから、この世界の輪廻や真髄、人間や生物の構造に関わるような魔法以外はある程度のチート能力を無限に創れる訳であ~る!
と、やっとこさ登って来たぜ、最上階!
流石にここはいるでしょうな。
時間は夕暮れを通り越して、夜になちゃった。
うむ、今日は疲れましたな~。
ではセーブと行きますか。
簡易結界を張って、テントも張って。
お水とパンを用意したら出来上がり、ボス前に食べる最後になるかもしれない食事の完成です。
まぁ、負ける気は無いけどね!
その後は何時も通り、夕食を終えて道具の整理をしたら寝袋に入っておやすみなさい!
長旅に出た時の様に、早寝早起きは超大事。
そんな感じで、指名依頼の一日目は終わったのであった。
ボス部屋前で……………。
そして朝。
およーございます。
今日も頑張ってきましょうい!
日の出……は城内なので見えないから、多分そのくらいに起きる。
ちょっとくらい過ぎてても問題はない。
だって、定時出勤とか無い冒険者様だもん。
そんなことを考えてたら、朝食の準備ができた。
ベーコンエッグをパンんで挟んだら出来上がり。
美味しんだよなぁこれが。
昨日の夕食は寝る前だから軽めだったけど、今はあさイチ!
一日、動くためのエネルギーを蓄えないとね。
もしかしたら、一日中幹部と戦ったりするかもしれない。
くぅーーー!
楽しみだなぁ~!
そういえば昨日の夜、「うぉぉぉ!!!何かつまずいた!!!あ、頭がぁぁぁl!!!!」って聞こえた気がするけど、ボスじゃないよね?
ま、そんなバカみたいな声を出すボスはいないか。
朝食を食べ終えると、テントを片付けて結界を解く。
よぉし!
今日のボス戦、頑張るぞ~!!
と私は、目の前にある扉を開けた。