キィーと音を立てて開く両開きの扉。
元々は越権の間なのか、中央に王様が座るっぽいゴテゴテした古椅子が一つ。
そして、椅子には禍々しい鎧さんが座っていました。
「似合わない~~!!!」
「誰だ貴様はあああああ!!!」
鎧さんが私の声に反応して、私のことを聞いてきます。
なので、キチンと返してあげましょう。
「名前を聞くときは、自分から名乗るものだと学校で習いませんでしたか?」
「あ?s、そうだったな。それはすまない。俺はベルディア、魔王軍幹部をやっている者だ。……………それで貴様は何者だぁぁぁ!!?」
「ご丁寧にどうも、私は桂木と申します。旅の者でして、恐れ入りますがこの廃城にお泊りさせていただきました」
やっぱり魔王軍幹部だった鎧さんに、嘘ではない偽名を教える。
敵に自分の情報を与える程、私はバカじゃない。
「そ、そうなのか?ってそんな訳あるかあああぁぁぁっ!!結界はどうした!?普通の人間には破れない程強力なものを張ってあったはずだぞ!!?」
「??」
首を傾げて、はてなマークを頭上に浮かべます。
はてはて?
結界なんて物、あったかしら?
……………あ、あれかな?
廃城に近づいた時に、透明な壁に当たったんだよねー。
あれが結界だったのか~。
「透明な壁なら適当に殴ったら消えたので、何だったかな?って思ってましたが、結界でしたか~!それはすみません。最も強力な物に張り替えておきますねっ!」
「あぁ、頼んだぞ。……………?あぅれぇぇ!!!??」
結界を張り替えはするが、適当に殴ったら消えたと言うのは噓だ。
透明な壁に当たった時に、結界だと気付いた私は『破符 結界ブレイカー』を発動。
チート能力の前では、何者も無力なのさぁ!!
簡易結界を五重くらいに張って上げた私は、奇声を上げる鎧さんを見守ります。
悲しい人を見るような目線で。
「貴様が、俺にそうさせる程のことをしてくれたんだろうが!!っていうか、貴様は本当に何者だ!!魔王軍で噂になってる冒険者リストには、桂木などという者は居なかったはず!!」
あぁ、危険な冒険者がリストアップされているんだ。
では、私もその中に載れるように頑張りますか。
てか、まだブツブツ言ってるよこの鎧さん。
「ならば貴様が、魔王様が感じた強大な力とやらか?」
「はい?私はごく普通の冒険者ですが?」
この鎧さんは何を言っているのでしょうか?
強大な力?
思い浮かべるのはアクア様くらいですし、結界の破壊なんて元日本人という名のチート集団でも出来ますよ。
結構声が面白い鎧さんに私はドウスレバイイのでしょうか?