「とぉ!」とこえを口に出して、頭の痛みに悶えている鎧さんの身体部分を穴に落とす。
「痛ぃ!!ってなんか体に変な浮遊感を覚えるんだがぁ!!」
「そこに追撃『グラビティーストライク』!」
下の階に落下していく身体に向かって、重力を加えた速度で私は乗っかりました。
ライダーキックの要領です。
私の重力操作も加わって、物凄いスピードで落ちて行く。
そして~、狙いを定めて~、相手の頭に身体をシュート!!
超エキサイティング!!
「グヘェっ!?」
「よっと。どうだ、ゆになちゃんの力、思い知ったか!」
カエルが潰れたような断末魔をあげた鎧さんに向かって、ドヤ顔でVサイン。
と、鎧さんにが行動不可な内に、バックから水に触れると爆発するポーションを取り出して、鎧さんに振りかける。
「鎧さん大丈夫ですかー?」
「お前がやったんだろ!!!ったく、頭を狙うか?普通」
「何言っているんですか?弱点を狙うのはボス戦の基本ですよ」
「そのボスからしたら迷惑極まりないんだが!!」
私が慰めてあげているのに。
全く、自分勝手なボスですね。
「じゃあ、鎧さん鎧さん。喉が乾いていませんか?」
「は?なんだコイツ?敵に施しかって「『クリエイトウオーター』」ってうぉぉぉ!!急に何しやがる!」
気を遣って初級魔法を使って水を出しぶっかけてあげたら、焦ったように避けられてしましました。
それを見て、私は「もしかして、水が弱点?」と思いました。
「『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』『クリエイトウオーター』!!!!!!!」
「ま、待て!!連発するな。頼むから正々堂々と勝負をしようではないか!?」
水が弱点だと分かった私は、水の初級魔法を連発でぶっ放なした。
差し詰め水の弾幕、そう表現できる程の水を鎧さんは避けますが、流石は数の暴力。
飛沫くらいは当たります。
飛沫、つまり水が当たったと言う事は…………………
ドッガ~~ン!!
はっはっはっはっは!
水に濡れると爆発するポーションが功を奏したようだ。
どんな生物にも爆発は効く。
あ、鎧さんは生物じゃなかった。
「死ぬかと思ったぞ!!いや、死にはしないがな!!」
「っち、死ねば良かったのに」
「面と向かって言われると、かなりキツイんですが!この子ホントになんなんだよ!」
鎧さんは爆発を受けてもピンピンと立ち上がり、私に向き合いました。
相当怒らせたっぽいし、生きて帰れるかな?
と私は第四ラウンドに向けて、呪文の準備を進めた。