この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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265 私に指名依頼?パート10

 全部で三回。

 上級モンスターでも瀕死になるような攻撃を三回も喰らっても、まだ起き上がって私と対峙する鎧さん。

 流石、魔王軍幹部だなぁ~!

 やっぱり今のレベルじゃあ倒すまでは行かないか。

 一応、最後の嫌がらせとして、聖属性の魔法を使おう。

 

「では、行くぞ!!」

「『ターンアンデット』!!」

「浄化魔法か……………………そんなレベルの低いものは効かんぞ!!」

 

 くっ!

 やっぱり意味がなかったか。

 ならばそろそろ潮時ですね。

 

 とその時です。

 有り得ないくらいの振動が私達を襲ったのは。

 

「はわわわわ!!」

「な、何が起こっている!!」

 

 地震?

 いや、それも考えれるが、私の耳には聞こえますよ~。

 爆発音の余波の音が。

 現に、窓から外を見ると黒い煙が舞っているのが分かります。

 私が張った結界を破るまではいかないようですが、かな~り強力な爆発であることが分かる。

 

「そこの鬼畜野郎!!これもお前の仕業かぁ!!」

「野郎じゃないし!!ゆになちゃんだし!!っと、取り敢えず、この機に脱出させてもらいますね~!」

「はぁっ!ま、待て。この状況で逃げるとは騎士道精神に――――――」

「『テレポート』」

 

 鎧さんが何か言っていたが、私は構わずテレポートで逃げる。

 情報は沢山得たし、ダメージを少しは入れた。

 これ以上あそこにいる意味がない。

 逃げるが勝ちって言葉もあるしね!

 

 テレポート特有の光エフェクトに包まれる中、最後に見えた鎧さんに手を振って別れの挨拶を。

 

「機会がありましたらまた今度会いましょう!」

「だから待てと言っ――」

 

 鎧さんが最後の抵抗!と何か言ってましたが聞こえません。

 だって私の視界はテレポートのエフェクトで一杯でしたもん。

 

 

 

 

 

 視界に光が戻り始めると、そこは良く知った景色。

 アクセルの街の正面入口前でした。

 私がテレポートで帰って来たことに驚いた門番さんが、声をかけてくれます。

 

「どうした?テレポートで帰って来るなんて珍しいな」

「ちょっと厄介ごとに巻き込まれまして…………。歩いて帰るのも面倒だったのでテレポートになちゃいました」

 

 「気を付けろよ。って言っても『狂信者』には意味の無い言葉か」と言ってくる門番に、今日一日だけ身体が重くな~る魔法をかけてあげた後、私は冒険者ギルドに報告しに行った。

 冒険者ギルドに向かうと真っ先にルナさんの下に。

 

「ルナさ~ん!ただいま戻りました!!」

「え、ええ。おかえりなさい。……魔王軍幹部の偵察に行ったのに、どうしてゆになさんは短期間でそれの元気でいらっしゃるのでしょうか?」

「何か言いました?」

「いいえ。クエストお疲れ様です。それでは別室で報告をお願いしますね」

 

 ルナさんにそう言われて、私は昨日の朝と同じ部屋に連れて行かれたのであった。

 


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