私が後ろを向いて、他の冒険者を威嚇する目で見ていると、鎧さんがめぐみんに殺気を当てる。
しかしめぐみんは勇敢にも啖呵を切る。
「迷惑なのはこっちの話です。あなたがあの城に居座っているせいで、私たちは碌に仕事が出来ないんですよ!!ふっ、余裕ぶっていられるのも今のうちです。こっちには対アンデットのスペシャリストと何故か苦手意識持っている者がいるのですから!!先生、ゆにな!!よろしくお願いします」
た、啖呵を切るだけ切ってから後は私とアクア様に丸投げだと……………。
めぐみんとは後で、オ・ハ・ナ・シ・☆をしなくちゃね。
まぁ、アクア様が乗り切りだから、私もお手伝いをしますけど。
「しょうがないわね~!!魔王の幹部だか知らないけど、この私が居る時に来たのが運の尽きよ!だいたいね~…………」
めぐみんに先生呼ばわれしてもられたアクア様は、まんざらでもなさそうに鎧さんの前に出た。
最後の方が愚痴になっているのは、鎧さんのせいだと言いたい。
アクア様がバイトばかりしなくてはならない状況になった犯人が、ようやく鎧さんだと気付いた私は「鎧さん殺すべし」と殺意の目を込めて睨む。
あの時は本気じゃなかったし!
今度はアクア様がいらっしゃるし、本気の重力魔法に加えて初級創作魔法の自重もためらわないぞ!
よってこの勝負、鎧さんの負け決定。
相手の実力を測れなかったのが敗因だぁ!
あの世で後悔しても遅いんだからね~~!!
と、余裕ぶっていた私がバカでした。
アクア様が浄化魔法を演唱するよりも、私が重力魔法を展開するよりも早く、鎧さんが右手の人差し指をめぐみんに突き出した。
そして鎧さんは叫ぶ。
「汝に死の宣告を!お前は一週間後には死ぬだろう!」
鎧さんが呪いを発動すると同時に、私の重力魔法が展開する。
私の重力魔法が鎧さんを捉えるが、呪いは止まらない。
そして、呪いがダクネスさんに当たった。
ダ、ダクネスさん!!
めぐみんを庇うなんて流石クルセイダーですね。
と、見た目は変わっていないね。
でも確かに鎧さんは言った、「一週間後に死ぬ」と。
鎧さんの言葉を信じると、ダクネスさんは一週間後には死ぬだろうね。
そう私が考えていると、鎧さんがご丁寧にも説明してくれる。
「その呪いは、今は何ともない。若干予定が狂ったがこっちのほうがお前たちには効くだろう。よいか!」
「貴様が俺の言う事を聞かないから、仲間があんな目に遭ったのだぞ。一週間後仲間が苦しんで死んでいく様を見て後悔するがよい。くっはっはっはっはっはっはー。鎧さん、それは引きますわ~」
「だから、お前はもう、黙っていてくれませんか!!?」
説明してくれる鎧さんのセリフ、余りにも予想が出来たので真似して見たら、更に怒られた私だった。