私の重力操作によって、力加減を誤って顔から地面にダイブするという曲芸を見せてくれた鎧さんに、私は大爆笑。
腹筋が死にそう。
「鎧さん、身を徹しての芸をありがとうございます。ぷっぷ」
「まだ笑っておるのか!!えぇい!!もういい!!キサマを――――――――」
「だからなにぃを言っていぎゅべ」
「ゆにな、もういい加減にしろよなっ!!ホントに!!」
私が鎧さんを更に煽っていると、遂にキレた鎧さんは剣の柄に手を持って来て剣を抜こうとする。
それを見た私は、すかさずあおりながら戦闘態勢に入ろうとして、カズマ君に止められました。
「カズマ君離して!!意地でも鎧さんと弄り倒すの!!」
「それをやめろって、いってんだよ!!お前といいめぐみんといい、紅魔族はこんなのばっかか!?」
「「めぐみん(ゆにな)と一緒にするな(しないでください)!!!」」
私を抑えるカズマ君が、私をめぐみんと同レベルだ!と発言した事を言い返すと、ダクネスさんを抑えていためぐみんとハモってしまう。
完全に言葉が揃ってしまった私とめぐみんは、顔を合わせると…………
「ちょっとめぐみん。おんしは私と同レベルとは嫌なのかい?」
「あぁ嫌ですよ。敵をおちょくる事しか脳がない、ゆになと同レベルは!!」
「だったら、めぐみんは爆裂魔法しか脳がないから、私よりも下だよね~??」
「どうやったらそういう考えになるのやら。やれやれですね」
「なにおぅ??じゃあめぐみんは高難易度クエストを一人で連続でこなせれるの???こなせれないよねぇ??」
「はあぁ!??別に高難易度クエストが優秀な冒険者に基準ではありませんよ!!攻撃力こそが一番です。故に、最強の攻撃魔法である、爆裂魔法を撃てる私が最強です!!」
「爆裂魔法ってネタ魔法じゃん。何々、ネタ魔法覚えたら最強なの?なら私も覚えてみよ~と」
お互いの体を掴んで、ボコボコと喧嘩を始めた。
自分でやっておいてなんだけど、完全無視のカズマ君と鎧さん、超哀れだな。
「だから、いい加減にしろって、言ってるだろ!!」
「「はぅっ!!」」
な、殴られた。
頭を思いっ切り、ゴンって殴られた。
殴られた頭を抱えていると、カズマ君が私とめぐみんの頭を掴んで地面にキスさせた。
二人して、土下座状態。
「この度は申し訳ございませんでした。このバカ二人には言い聞かせるので、この辺で勘弁してやって頂けないでしょうか?どうぞお広い心を見せてください。…………ほら、お前らも謝罪しろっ!!」
「「オネガイシマス」」