その後、三日も何も食べてなかっためぐみんは、ゆになにご飯を奢って貰い。
ついでにアクア様のご飯もおごるゆにな、カズマ少年の分は勿論おごらない。
ゆになに邪魔されて忘れていたが、パーティーメンバーを募集していたカズマとアクア。
お試しと言う訳で、ご飯を食べるとクエストに行くことになった。
ちゃっかりとゆになも付いて行く。
ご飯を食べ終わったというか、めぐみんが満足した一行はジャイアントトードが出現する場所に来ていた。
平原の遠く離れた場所には一匹のジャイアントトードが見える。
更に逆方向からも一匹、ゆにな達に向かって来る。
カズマは遠く離れた方をめぐみんに任せると、近い方をどうにかしようと走る。
ゆになはめぐみんの側で突っ立って、アクアの姿を瞬き一つせずに観ている。
(あぁ!流石アクア様!!自らの身を持って足止めなさるとは!!)
アクアがジャイアントトードに食べられるのを見て、ゆになはそう思う。
普通ならアクアが食べられる前に助けるところが当たり前の行動なのだが、ゆになは何もしなかった。
なぜなら、ゆになは決してアクアを本気で崇めているわけでない。
自分を転生させてくれた、とういう点から信仰はしているが、本当のアクシズ教徒みたく頭が可笑しいだけではないのだ。
アクアが見てる間は敬うし、献上物もさしだす。
みていなかったら?
面白くなりそうな事は全力で応援する。
それがゆになだ。
結局はアクアに媚びているだけだった。
ギルドでの騒動はアクアが見ているから起こしたものだった。
決して面白そうだったからとか、理性が吹き飛んでいたとかではないのだ。
ゆにながアクアとカズマを見ていると、隣のめぐみんが呪文を完成させたようだった。
初めて見るめぐみんの魔法に、ゆになは少し戦慄する。
(かなりの魔力が集中してる!?めぐみん、考えて使ってる?)
あ、これこっちまで被害を受けそうだ、と思ったゆになは重力操作を行う。
そしてめぐみんの魔法名と共に一筋の閃光がスタッフから放たれた。
その閃光は遠くいたジャイアントトードに突き刺さると、目のくらむ光を巻き起こして周りの空気を振動させる轟音と共にすざましい爆発が起こった。
「ちょっとめぐみん!!!何の魔法を使ったあぁぁぁ!!???」
ゆにながめぐみんに問うと、めぐみんは地面にひれ伏したまま説明した。
「我の奥義である爆裂魔法は威力に対して、消費魔力もまた絶大。要するに魔力不足で動けません。後は任せましたよ、ゆにな」
ゆになは死んだような目で、めぐみんが食われるのを見届けた。
ゆになは無事パーティーメンバーに入れるのか?