ダクネスさんとお話していると、アクア様が呪いの解析が完了したみたいです。
「うん。これくらいなら、私がちょちょいっとすれば簡単に解けるわ!」
「流石アクア様です!良かったですね、ダクネスさん。一週間の寿命が元に戻りましたよ」
「ちょっと待て、アクアは本当に呪いを解けるのか?仮にも魔王軍の幹部がかけた呪いだぞ?」
本当に解呪出来るかどうか不安になったダクネスさん。
私とアクア様はごり押しで説得します。
まぁ、説得できなくても強引に解呪するんですけどね。
さぁ、いざ解呪と言った時に私を捨てたカズマ君がこちらを振り返って、何か言って来ました。
「ダクネス~!呪いは俺たちが何とかしてやるからな!安心―――」
「『セイクリッド・ブレイクスペル』」
カズマ君の声を遮って、アクア様はダクネスさんに解呪の魔法を唱えます。
解呪魔法を受けたダクネスさんは体が淡く光った。
良し!解呪成功です!
だけど、ダクネスさん。
ちょっと残念そうな表情をしてません?
しょんぼりしているダクネスさんと対照的に、喜々としているアクア様が自慢げに言う。
「ふっふん~!!この私にかかれば、デュラハン如きの呪いなんて朝飯前よ!!どう?どう?私凄いプリーストっぽいでしょ!!?」
「そうです!そうです!!アクア様、物凄いプリーストしてますよ!!仲間の危機にちょちょいっと解呪。流石頼れるプリーストアクア様です!!」
ダクネスさんの解呪が成功したことと、パーティーの役割を全うしたことに喜ぶ私とアクア様。
そんな私たちに、カズマ君とめぐみんが啞然とした表情で、
「「え!?」」
と、声を揃えて「嘘やん!」て顔になっていた。
後日お二人に聞いてみた所、なんかカズマ君とめぐみんがお城に乗り込んで鎧さんの部屋に行き、ダクネスさんの呪いを解いてもらおうと、二人して盛り上がっていたらしい。
周りの冒険者達も、カズマ君とめぐみんの決意を見て感動していたそうです。
そんな時にアクア様の『ブレイクスペル』。
私たち、空気を壊したらしいですね!
でも、アクア様のお陰で鎧さんお城に行かなくて良くなったじゃないですか?
結果オーライです!
おまけのようなもの
アクセルの街に出向いた魔王軍の幹部ベルディアは首なし馬に乗って、帰り道を走っていた。
走ることを馬に任せて手綱で進路を取るその姿は何処か苛立っている。
「あの小娘、これで懲りたらいいが…。早く帰って城の守りを強化しなければ……………………」
一週間の内に来るであろう頭の可笑しい爆裂娘を思い出しながら、城の強化に付いて考えるベルディア。
その頭に、ふともう一人の紅魔族が現れる。
ある程度の警備をくぐり抜けて自身の部屋まで辿り着き、幹部であるベルディアと戦いながらも余裕の表情で逃げおおせた少女ケイキ。
ニヤニヤと自分をおちょくってくるその姿を思い出すと、ベルディアは怒りと不安を抱く。
あれだけきつく言ったんだ。
来るはずがないに決まっている。
……………………来ないに………。
ケイキの行動を思い出すと、そうとも言い切れないベルディア。
そして、
「一応、城の強化を五段階くらいあげておこう。それに魔王様への報告も」
保険を掛けておくことにしたのだった。
今回で『第一次鎧さん襲撃事件』は終わりです。流石にオリジナル編は前回よりも長くならなかった。次回は『アクア様の湖浄化』編です。
おまけは文字数が足りなかった為、本当におまけで書いた奴です。来ないのに強化する鎧さん、マジ哀れ。