この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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勇者(笑)とは一体、ダレノコトカナ?


278 勇者(笑)襲撃事件パート1

 

 鎧さんがアクセルの街に来てから、一週間程が経った。

 その間、高難易度クエストも大分消化して、ようやくアクア様と一緒に冒険が出来る様になりました。

 そんなある日、アクア様が我慢の限界とでも言うように叫んだ。

 

「クエストよクエスト!!キツくてもいいから請けるのよ!!」

「「えぇ……………………」」

 

 高らかに言い張ったアクア様に、カズマ君とめぐみんが嫌そうに声を出した。

 しかし、その不満も当然だと思う。

 

 キャベツ狩りのお陰で、アクア様以外の懐は潤っているからね!

 私も連続で高難易度クエストを請けたせいか、懐は潤いどころか湯水の様にある。

 が、アクア様のお願いです。

 断る訳がない。

 

 と思っていると、ダクネスさんが参加表明をしてくれた。

 

「私は構わないが、私とアクアでは火力不足だろ?」

 

 ダクネスさんはそう言うと、チラチラとカズマ君とめぐみんを見る。

 私には見向きもされないとは…………断らない事が確定しているのか、単に忘れているだけなのか。

 後者でしたら泣くぞ!

 

「そんな目で見るな!!火力が欲しいならゆにながいるだろ!!?」

「そんなのは当然よ!!ね、ゆにな?」

「もちろんです、アクア様の為なら。お金が欲しいなら、今からでも鎧さんのお城に遊びに行きましょうか??」

「それは名案よ!!私もあのデュラハンは調子来いてると思っていたところなのよ!!」

「私も賛成だ!!是非肉壁として使って欲しい!!あぁ、どんな強烈な攻撃をされるのだろう!??」

 

 クエストでは無くて、鎧さんの討伐をすることに賛成な私とアクア様にダクネスさん。

 三人でワイワイと盛り上がっていると、カズマ君とめぐみんのひそひそ話が耳に入ってきます。

 

「カズマ、カズマ」

「何だめぐみん?」

「素直にアクアのクエストに付き合った方が、後々面倒ごとにならなくて済むと思うのですが…」

「奇遇だなめぐみん。俺もコイツらを野放しにして置いたらやばいと判断したとよ」

「「………しょうがねえな(ないですね)」」

 

 あ、カズマ君とめぐみんが「クエストを手伝わない」という選択肢を諦めたみたい。

 諦めは肝心ですからね。

 え?鎧さんのお城に遊びに行くと言って、カズマ君とめぐみんを釣った?

 そんなことは偶然だと言いたい。

 だって、本気で鎧さんのお城に遊びに行くつもりだったもん。

 カズマ君が着いて来る以上、鎧さんのお城訪問はお預けかな?

 

「おいアクア。クエストに付き合ってやるから、いいと思うクエストを持って来い」

「えー!折角あのデュラハンを成敗してあげようと、計画してたのに!」

「それが迷惑だからやめろって言ってんだろ!!?」

 

 ほらね、やっぱりこうなった。

 


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