鎧さんがアクセルの街に来てから、一週間程が経った。
その間、高難易度クエストも大分消化して、ようやくアクア様と一緒に冒険が出来る様になりました。
そんなある日、アクア様が我慢の限界とでも言うように叫んだ。
「クエストよクエスト!!キツくてもいいから請けるのよ!!」
「「えぇ……………………」」
高らかに言い張ったアクア様に、カズマ君とめぐみんが嫌そうに声を出した。
しかし、その不満も当然だと思う。
キャベツ狩りのお陰で、アクア様以外の懐は潤っているからね!
私も連続で高難易度クエストを請けたせいか、懐は潤いどころか湯水の様にある。
が、アクア様のお願いです。
断る訳がない。
と思っていると、ダクネスさんが参加表明をしてくれた。
「私は構わないが、私とアクアでは火力不足だろ?」
ダクネスさんはそう言うと、チラチラとカズマ君とめぐみんを見る。
私には見向きもされないとは…………断らない事が確定しているのか、単に忘れているだけなのか。
後者でしたら泣くぞ!
「そんな目で見るな!!火力が欲しいならゆにながいるだろ!!?」
「そんなのは当然よ!!ね、ゆにな?」
「もちろんです、アクア様の為なら。お金が欲しいなら、今からでも鎧さんのお城に遊びに行きましょうか??」
「それは名案よ!!私もあのデュラハンは調子来いてると思っていたところなのよ!!」
「私も賛成だ!!是非肉壁として使って欲しい!!あぁ、どんな強烈な攻撃をされるのだろう!??」
クエストでは無くて、鎧さんの討伐をすることに賛成な私とアクア様にダクネスさん。
三人でワイワイと盛り上がっていると、カズマ君とめぐみんのひそひそ話が耳に入ってきます。
「カズマ、カズマ」
「何だめぐみん?」
「素直にアクアのクエストに付き合った方が、後々面倒ごとにならなくて済むと思うのですが…」
「奇遇だなめぐみん。俺もコイツらを野放しにして置いたらやばいと判断したとよ」
「「………しょうがねえな(ないですね)」」
あ、カズマ君とめぐみんが「クエストを手伝わない」という選択肢を諦めたみたい。
諦めは肝心ですからね。
え?鎧さんのお城に遊びに行くと言って、カズマ君とめぐみんを釣った?
そんなことは偶然だと言いたい。
だって、本気で鎧さんのお城に遊びに行くつもりだったもん。
カズマ君が着いて来る以上、鎧さんのお城訪問はお預けかな?
「おいアクア。クエストに付き合ってやるから、いいと思うクエストを持って来い」
「えー!折角あのデュラハンを成敗してあげようと、計画してたのに!」
「それが迷惑だからやめろって言ってんだろ!!?」
ほらね、やっぱりこうなった。