カズマ君の言葉に、アクア様はしょんぼりと掲示板に向かって行った。
「………一応、カズマもクエストを見に行ってくれませんか?アクアに任せると、とんでもないのを持って来そうなので」
「だな。…私はとんでもないのでも一向に構わないが……」
めぐみんとダクネスさんに言われて、動くカズマ君。
私はその背中を見て呟いた。
「…私でも良かったじゃない」
その呟きを聞き取っためぐみんがここぞとばかりに追撃してくる。
「ゆになに任せると、アクアのとんでもないクエストを喜々として請けるでしょう。だからカズマに任せたのです。」
「それは私が後先考えずに行動をしている。みたいな言い方だけど?」
「みたいな、では無くてそう言っているんですよ。まぁ、とんでもないクエストとふつうのクエストを判別出来ない様なのでわかる訳ありませんか」
「判断できるし~!!それに、ネタ魔法しか覚えようとしなかっためぐみんに言われる筋合いはないですよ~っだ!!」
「ね、ネタ魔法じゃないです!!!それに、ゆになはいつまでも同じ内容で私を怒らせようとして、子供ですか」
「子供で間違っていませ~ん。まだ13歳で子供だよ~っだ。それともめぐみんはその姿で大人とか言っちゃうんですか???」
「それは私がちっこいと言う意味ですか?ケンカを売っているなら買いましょう!えぇ、紅魔族は売られたケンカは買うものです。今こそ高魔族一のアークウィザードを決める時!!」
「ふっはっはっは、何をほざいているめぐみん!私がキサマに負ける未来など、ありはせん!瞬殺だよ瞬殺!」
久しぶりのめぐみんとの言い荒らそいは、カズマ君とアクア様がクエストを受注してくるまで続いた。
その時まで続いていたケンカに、カズマ君から痛いタンコブを貰った。
防御壁を張らなかったのは、大声でめぐみんとケンカしていた罰を受けるためだ、と言っておこう。
決して、ケンカで我を失っていたわけじゃないもん。
アクア様とカズマ君が選んだクエストは湖の浄化だった。
場所は街から少し離れた大きな湖で、街の水源と言われている名に相応しく、湖からはな小さな川が街に向かって流れている。
湖の水はすぐそばにある山から絶えず流れて来ていた。
クエストの内容は湖の浄化。
湖を見ると、澄んだ透明色では無く、濁り切った緑色の水が溜まっている。
私達が湖を見ていると、背後から不安そうなアクア様の声が聞こえてきた。
「ねぇ……………ホントにやるの?」
背後を振り向くと、檻の中央に体育座りで座っているアクア様がいた。