めぐみんがフラグ的な事を言うから、ブルータルアリゲーターの群れが現れた。
地球のワニと比べても、大きさは変わらない。
ただし、群れで行動するらしく、数え切れないくらいいる。
「か、カズマー!なんかいっぱい来た!!助けてよぉ~!!」
アクア様の悲鳴が聞こえる。
とりあえず、隣にいるカズマ君に話しかけた。
「カズマ君、ご指名ですよー。行ってあげて下さい」
「バカ言うなよな。あの檻に入っているの以上安全なのは確かだし、俺が行ったところで何もできやしねぇよ。ってか、こういうのはお前の管理下だろうが。愛しのアクアを助けてやれよ」
「失礼な!もう助けています~だ!」
喋っている間に、魔法を構築してアクア様が入っている檻の周りには、超重力の死刑場が出来上がっている。
これを作るのは意外と苦労したよ。
地形の事も考えて、モンスターをが近づくまで発動しない仕組み。
センサー魔法も組み込んで、モンスターが絶命すると超重力は自然と解除される。
しかも、敵の耐久度を自動で感知して程よい重力操作、死体が染みにならないオプション付き!
奥さん、お家の警備にどうですか?
今なら何と!
一万エリスで承りますよー!
どんな場所にも対応し、アフターケアも無料!
お電話は、アクセルの街一の冒険者ゆになちゃんまでお願いします。
皆様の沢山のお電話お待ちしております。
有限会社ゆになコーポレーション。
アクア様が浄化を始めてから、四時間が経過しました。
現在アクア様は一心不乱に浄化魔法を連続で使用しています。
初めの方は水に浸かるだけで浄化できると意気込んでいたアクア様は、ただ檻の中で体育座りでボーっとしていた。
しかし現在、なぜこんなにも必死になって浄化魔法をかけているかと言うと……………。
「ゆにな、全く役に立ちませんでしたね」
「めぐみんヒドイ!全く役に立っていなかったわけじゃないもん!」
「役に立っていたのは始めの方だけだけどな」
「ほら、全くじゃないし!」
「難しい魔法を作ったのは良いが、ほんの十分で魔力が尽きたのは、何処のどいつだ」
「うぅ…………」
アクア様は現在、ブルータルアリゲーターに襲われています。
私の渾身の魔法『自動センサ付き超重力殲滅くん』の消費魔力が莫大過ぎました。
十分稼働させるだけで、爆裂魔法並みの消費率。
直ぐに魔力枯渇を起こした私は、地べたに寝っ転がっています。
無念、これではゆになコーポレーションの商品として出せない。
アクア様の役にも立ってなかった。
はぁ、魔力が欲しい。