この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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九十話目です。後三話で投稿作品の中でトップと並びますね!一巻が終わるまで突っ走りますよ!!


286 勇者(笑)襲撃事件パート9

 

 なんか引っかかる感じ。

 御剣御夜……………あ、日本人の名前だ。

 よく思い出せば、女神様って言ってたね。

 要するにこの人はアクア様に魔剣グラムとかいうチートアイテムを貰い、特に苦労もせずに強くなった転生者って訳か!

 ズルいぞ。

 私は一からやり直したって言うのに。

 君と違って、努力はしているぞ。

 

 この人が転生者と分かったら、容姿に目がいった。

 アニメや漫画の主人公っぽい名前に合うように、茶色い髪の毛のイケメンですわ。

 鮮やかに輝く青色の鎧を身に付け、腰には黒い鞘に入った剣がある。

 あれが魔剣グラムなんだろう。

 後ろにはきれいな女の子を二人引き連れていてる。

 三人ともカズマ君と同じくらいの歳。

 正義感が強そうなその姿は、差し詰め『勇者』が似合いそうな人だ。

 よし、これからお前は『勇者(笑)』だ。

 

「ああ!!居たわね!!そういえばそんなん人も!!ごめんね、すっかり忘れてて。だって何人もの人を送り出していれば、忘れるのも仕方が無いわよね」

 

 カズマ君と勇者(笑)によってようやく思い出したらしいアクア様に、勇者(笑)は顔を若干引きつらせながら挨拶をする。

 そう言えば私も初めは思い出してもらえなかったよね~。

 まぁ、仕方のないことです。

 

 で、勇者(笑)の挨拶を聞くと、色々とツッコミどころが多かった。

 貴女に選ばれた?

 確かにアクア様に選ばれたかもしれないけど、アクア様に転生させて貰った転生者は何人もいるんだぞ!

 少なくともここに二人は!!

 で、レベルが三十八?

 ふっ、勝った!

 私は四十だ!!

 この世界で生きている時間が、文字通り違うのだよ!

 

 と勇者(笑)を笑っている間に、カズマ君がアクア様が檻の中にいる経緯を話した。

 

「馬鹿な!!アクア様をこの世界に引きずり込んだ上に、今回のクエストでアクア様を湖に浸からせた!!?君は一体何を考えているんですか!!?」

 

 カズマ君の説明を聞いた勇者(笑)がカズマ君の胸倉を掴んだ。

 こらこら、暴力はいかんよ。

 アクア様が慌てて止めに入る。

 

「ちょちょっちょっと!!いや別に、私は結構楽しい毎日を送っているし、ここに連れて来られたことはもう気にしてないんだけどね?それに魔王を倒せば帰れるんだし!!ゆになと言う私の信者もいるし。今日のクエストもちょっと怖かったけど、結果的には誰も怪我をせずに無事完了できたわけだし。しかも、今回のクエスト報酬三十万全額くれるっていうのよ!!」

 

 アクア様が全力で弁解して下さる。

 がしかし、勇者(笑)には違う解釈になったらしい。

 流石勇者(笑)だ。

 




ゆになのレベルが四十なのは適当です。キョウヤ君が何年か分かりませんが数年で三十八に比べて、ゆになは十四年で四十なのは、子供の頃は効率よくレベル上げが出来なかったせいですね。

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