勇者(笑)に壊された檻の請求を求められているアクア様。
カズマ君は大したことじゃないとでも思ったのか、アクア様を無視して私達が座っているテーブルに来ました。
「あれ?魔剣はどうしたの?」
「あぁ、ほれ」
カズマ君そう言ってジャラジャラとなる革袋を見せてきます。
どう見たって、大金が入っているとしか思えない。
「売ったんですか!?」
「俺には普通の剣としか使えないんだろ?だったら、俺にはもう剣があるし、売った方が少しは蓄えになると思ったんだが………予想以上の金額で売れた事に自分自身が驚いている」
それを聞いた私は、急いで立ち上がる。
準備には殆ど時間がかからない。
「ちょっと何処に行くんですか?」
「めぐみんは黙ってらっしゃい!」
今はめぐみんに話している時間はないと言うと、「らっしゃいって何なんですか?」と珍しく落ち込んでいるめぐみんを放っておいて、ダクネスさんに革袋を投げた。
「ダクネスさん、それをアクア様に渡してください。今回のクエスト報酬の三十万エリスが入ってます」
「わ、分かったが、ゆになは何処に行くんだ?」
「帰ってからのお楽しみです。帰って来た私は更に進化していますから」
私は急いで立ち上がると「楽しみしていてくださ~い」と言葉を残して冒険者ギルドを出た。
ギルドを出ると、向かうのはこの街唯一の武器屋。
途中、気を取り戻した勇者(笑)とすれ違ったが、私には気がついていないようだったので、私も無視した。
「おじさん!!入荷しました!?」
そう言って入っていった私は、店内のカウンターで計算をしていたこわもての男性に話しかける。
入店と同時に大声を聞かされた武器屋の店主は顔をしかめると、ほらよとある武器をカウンター上に置いた。
「聖剣、魔剣の類が入荷したら取っておいてくれと言ったのは、お嬢ちゃんだろ?まさか、入荷して一時間も経たない内にくるとは思わなかったがな」
「その売っていった人が私の知り合いだったんですよ。おじさんに保険掛けておいて良かったぁ~」
カズマ君が売った魔剣グラム、それこそが私が求めていた物だ。
弁解しておくと、魔剣グラムを狙っていた訳ではなく、神具と呼ばれるレベルの剣だったら何でも良かっただけだ。
こんな神具レベルの剣を使って何をやりたかったは、後々お見せするとして。
元々カズマ君が魔剣を奪った時、どうにか交渉して譲って貰おうとしたのだが、カズマ君ってば誰にも言わずに売っちゃって、二度手間だよ!
ゆになちゃんの進化とは!?