この素晴らしい駄目神様にお祈りを!   作:与麻奴良 カクヤ

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295 勇者(笑)襲撃事件パート18

 

 私に魔剣を返してくれ、とにこやかな笑顔で言った勇者(笑)。

 私の答えは当然、

 

「嫌です」

「えっ!?」

 

 にこやかな笑顔で返した私に、勇者(笑)は又しても断られるとは思ってなかったようで、フリーズ状態に。

 取り巻き共は、キョウヤのお願いを断るなんて信じられない、やっぱりサトウカズマの仲間ね、と言う表情で私を見てる。

 

「な、何て言った?もう一度確認しよう。それは僕の魔剣だ。返してくれないk」

「嫌です。これは私が、百万エリスもの大金を使って手に入れた神具です。それを無償で返せと言われましても、ねぇ?」

 

 あのおやじ、どんだけ私にぶっかけたと思っているの!?

 一エリスが一円と同じ金銭価値だから、日本円でも百万円だよ!!

 普通に暮らしていると、百万円なんて買い物では使う額ではない。

 そんな値段で買った剣を、元々は僕の魔剣だから返してと言われても、はいそうですかと素直に返せれるわけないじゃん。

 

 もっともな事を言えば、これはカズマ君が半正当に手に入れた魔剣。

 その半正当で手に入れた魔剣を売ったカズマ君。

 これで正当な状態で売られていた魔剣を、私が正当な方法で買ったというわけである。

 なので、この魔剣の正当な所持者は法的に私となる。

 

 私は、この魔剣を持て居ても罪にならないよね?

 とこの魔剣が辿った軌跡を振り返って、私が魔剣の法的な所有者なのを確認していると、勇者(笑)が言った。

 

「な、ならばただとは言わない。君が欲しい物を何でも買ってあげよう」

「嫌、私が欲しいのは聖剣魔剣の類なの」

「だけど、その魔剣グラム所有者は僕なんだ。君が使っても、この魔剣の性能を十全に引き出せない。どうです?他の剣に変えてm」

「い~や~だ~!!ほら帰って!!アクア様を自分の都合のいい存在にしか出来ない奴なんか帰って!」

 

 駄々をこねる子供みたいだとは分かっています。

 もしこの光景をめぐみんに見られたら、後で絶対にネタにされるとも分かっている。

 そのくらい恥ずかしかったけど、勇者(笑)を撃退する為だと割り切って、駄々をこねる私。

 そんな私を、勇者(笑)と取り巻き共は引きつった顔で見ている。

 

 ねぇ、こんなにも嫌嫌言っているんだから引き下がろうよ!

 それとも何?

 どうしてもこの魔剣が諦め切れない?

 …………っしょうがないわね~!

 引き下がってあげますよ。

 

「はぁ、だったら交換条件と行きましょう」

「交換条件?何かな、聞かせてよ」

「簡単です。この魔剣と同等の剣と交換。キョウヤ君が私が気に入る剣を持ってくるまでは、魔剣グラムの所有者は私ね」

 


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