ソードアート・オンライン 黒と紅の剣舞 作:剣舞
……色々謎とか疑問はあるでしょうが後々解決していくはずです。
第一話 二人への依頼
2人のHPはクエストが帰りなのかその表示はマックスではなく3分の2ほどに減っていた。
その二人の姿の印象は対照的で一人は全身を黒髪に黒服で決めていて背中には二本の片手長剣を帯刀しており、その横を歩く少年は全身を紅い髪に紅い服に腰に日本刀を帯刀していた。
「……キリト、俺しばらくこのデータ別のゲームにコンバートするわ」
「はぁ!?」
紅い服の少年の発言にキリトと呼ばれた黒い服の少年は心底驚いたのか慌てて横の紅い服の少年の方を見る。
「どうしたんだ急に?」
「いや、ちょっとやりたいことあってな……1週間ほど試したんだけど感覚がつかめなかったんだ。それでちょっと別のゲームで感覚掴んでこようかなと」
「……それが何かは―――」
その疑問に少年は少しだけ悪い笑みを浮かべ、
「悪いが秘密。……できるかわからんし時間の無駄になるかもしれないしな」
「……わかったよ。で、どのくらい行くつもりなんだ?」
肩をすくめてしょうがないとキリトは言うもののいつ戻ってくるのかと確認する。
キリトと少年はSAO時代から相棒ともいえるべき仲でありその相棒がいないのであれば、その間に自分もいくつかやりたいことや、アイテム集めをやるつもりなのだが戻ってくるタイミングがわからないとどのくらいの期間それをやるべきかわからない。
少なくともキリトは相棒もいないのに限定クエストなどの特別なことをやろうとは思わなかった。
「2週間ちょいぐらいかな。クリスマスクエストまでには戻るつもり。それで無理なら素直にあきらめるさ」
「そうか。……ならその間にアイテム集めとか武器強化でもしてるかな」
「アスナ達とアインクラッド攻略しててもいいんだぞ?」
「ゼロがいないのにやる訳にはいかないだろ」
「……悪いな」
「いいさ、俺も前にしたしな。……戻ってきたら教えろよ」
「ああ」
ゼロと呼ばれた少年は少しだけ申し訳なさそうに言うものの、キリトとしては過去にも似たようなことを自分もゼロにしているのでそこまで気にすることでもなかった。
それに、何をやろうとしているのかを言わないのは失敗した時に何も成果が得られなかったことで自分への負担を考慮しての事なのだろう。
そのためキリトとしては言わないなら、現状ではこれ以上追及する気はなかった。
「で、どのゲームにコンバートするつもりなんだ?」
「うん?
「………」
ちなみに、現実に戻ると菊岡から明日銀座のある喫茶店に来てほしいというメールが来ており、あの相棒は盛大に不機嫌になっているだろうなと和人はその様子を想像して苦笑した。
………
……
…
銀座のある喫茶店。
そこに、ある二人が席に座っていた。
その喫茶店は上流階級のマダムたちが大半を占める中でその二人はいかにも浮いていた。
一人はスーツを着た笑みをうかべる男性で、もう一人は黒の短髪何処か女性のような顔だちをしているもののカジュアルな紅色の服を着ている男だった。
もっと言えばスーツを着た男性は笑みをうかべているものの冷や汗をかいており、あちこち視線を動かしているのに対して、その目の前に座る紅い服の男は両手を組んで目を閉じているものの、いかにも不機嫌ですという雰囲気を醸し出していた。
心なしかその周囲の温度は低くなっているのかウェイターはそのそばを通るたびにビクッと震えていおり周囲の人々も関わるまいと少しスペースを空けていた。
その様子を喫茶店に入った瞬間目撃することになった
(知ってた)
予想道理の和人にとって親友であり相棒でもある
喫茶店に入ってきた和人に気が付いたのか、菊岡は今までのせわしなさを一変し入り口にいた和人をものすごい笑顔を浮かべ両手を広げ歩いて向かい入れた。
そうして和人の肩に腕を回すと小声で話してかけてきた。
(き、キリト君。僕はゼロくんに何かしたのかい?ゼロくんに今日会っていきなり殺気を向けられている気がするんだけど……)
(……まあ、タイミングが悪かったんだよ…色々と。あと、あんたに俺達がプレイヤーネームで呼ばれる筋合いはないよ。……零士の奴、余計に不機嫌になるぞ)
まあ、せっかく楽しみにしていたゲームの邪魔をされれば誰でも怒るだろう。
和人も零士と同じ立場になれば似たような状態になる気がしていた。
流石の菊岡もこれから和人たちに用事があるのに、これ以上零士の機嫌を損ねるのが嫌だったのか今回は呼び方を気を付けようと言った。
「よう、零士。機嫌悪そうだな」
「……当たり前だろう。正直この人に借りが無かったらボイコットしてた」
「ハハハ……うん、ここは僕のおごりでいいからいい加減気を直してくれないかな?」
零士の歯に衣を着せない言いように零士が甘いもの好きであるため機嫌を直すためか、元々そのつもりだったかはわからないがおごると言い出した菊岡だった。
まあ、和人と零士はそれぞれこの菊岡に借りがあるため、基本的に呼び出しや頼みを引き受けたりはしている俗にいう
しばらくは二人ともその立場に甘んじるつもりではあるが……敬語を使ったり態度を変えるつもりは毛頭なかった。
そして二人を呼び出した菊岡が何者かと言えば国が新しく作った部署、仮想課に所属しているVRワールド専門のエージェントであり、高級官僚である。
つまり結局のところここで支払われる金も国民の血税であるわけだが……今更深く気にしても仕方ないと割り切る二人は容赦なく高いものを注文する。
和人はショコラやミルフィーユ、カフェなど色々な注文をするが零士は……
「ストロベリーサンデー4つとオレンジジュースで」
相変わらず自分の好み一直線だった。
二人の注文を終わるのを見届けて菊岡は社交辞令を言おうとしたのだが……
「いやーわざわざ――」
「社交辞令はいいからとっと本題に入って。じゃないと注文来て食べ終わり次第帰る」
「さて、本題に入ろうか」
零士によって速攻で打ち切られた。
まあ、和人としてもとっとと本題に入ってしまって欲しかったが色々付き合いもあるので多少なり聞くつもりではあったのだが、現在進行形で不機嫌な零士はとっとと切り上げたいのでそんなの知ったことかと言わんばかりであった。
「最近、バーチャルスペース関連の事件は増加しているんだ。そしてその中でも少し奇妙な死体が見つかってね……」
そう言って菊岡は取りだした端末にその情報の詳細を表示し零士と和人の手にその端末を渡して説明する。
要約すると、一人暮らしの男性が頭部にアミュスフィアを付けて心不全で死亡していた。
その男性は死亡推定時刻にあるVRMMOをしていたのだが、そのタイトルが―――
「
ここに来て初めて零士がまともな反応を返した。
それに反応したのは菊岡であり以外だともいうような物言いだった。
「おや、知っているのかい?」
「知ってるもなにも俺が今日からやるつもりだった奴」
アンタに邪魔されたけどと、言葉では言わないものの零士の目はそう告げていた。
だが菊岡はそれにはいも返さず、ここにきて今日初めての笑みをうかべる。
それを見て和人も零士も内心、(絶対にロクでもないこともいつきやがった)と確信した。
「そいつは話が速い。実はもう一人に多様な死に方をしたプレイヤーがいたんだ。その彼も―――」
「
「そうだ」
菊岡の言葉の途中で和人が引き継ぐものの段々本日の菊岡の要件が和人も零士わかってきていた。
つまりだ―――
「丁度俺が持っている
「厳密にいうと違うのだけれどそう思ってもらっても構わない」
「……危険すぎる」
たまらず、和人が口を出す。
当然だ、今死人が出たという話を聞いたばかりで簡単に了承できるわけがない。
だが菊岡もそれを予期していたのかすぐに返答する。
「では、君たちはゲーム内からの干渉で心不全を起こせると思うかい?」
「「無理だな」」
二人は即座にその可能性を否定する。
そもそもその可能性があるならかつてのSAOのように大量の犠牲者が出かねない。
それを政府が調べないわけがにだろうし、仮にあっても対策がされるなり対策するように言っているだろうからこの辺は議論する理由がない。
「うん、僕も同じ結論だ。それで、実はこの死に関与した疑いのある人物がいてね……君たちにはその人物に接触してほしいんだ」
「一体誰なんだそいつは?」
「本人は
そして、今日の呼び出しとこの話題。
これでもう今日の呼び出された理由を完全に察した二人だがあえて和人は口に出す。
「……つまり撃たれて来いと?」
「…まあ、ね。おっと僕に行けっていうの無駄だよ。どうもこの
「「……チッ」」
二人そろってあからさまな舌打ちをする。
死ぬ可能性が限りなく低いとはいえこんな役目を率先してやりたいものはそうはいない。
この2人とてその例外ではなかった。
「それにだ、君たちならこういったのは得意だろう?二人そろえば無敵なわけだし」
「……そもそも
実際のところ零士の方は拳銃や弓のようなものは苦手だがナイフや剣を投げる投擲は得意ではあるのだが。
それでも銃の相手はいささか不利と言わざるを得ない。
だからこそ和人は零士が一人で
「「……プロ?」」
和人のプロと言う発言に菊岡と零士が疑問の声を上げる。
菊岡はゲームに疎いとはいえこれからプレイするつもりの零士も知らないことに和人は頭を押さえながら説明する。
「
「……マジか」
「零士はそれぐらいは知っておけよ……」
零士はこのことを本当に知らなかったようで完全に驚嘆していた。
それについて和人は呆れているものの零士は基本的に感覚派―――つまりは習うより慣れろで説明など事前情報は皆無でやるつもりだったのだろうとは予想はしていた。
「………ふむ」
対して菊岡はそのことについては興味深そうに聞いていた。
と言っても見ているのは零士の方だが。
零士がうなずけば和人もなし崩し的にうけざるを得ないと菊岡自身もわかっているのだろう。
和人がちらりと零士の方を見ると零士は腕を組んで悩んでいた。
と言っても何を悩んでいるかは和人にはわかっているのだが。
零士が悩んでいるのはこの話を受けるかどうかだ。
でもこの依頼を受けて和人に迷惑をかけたくない。
けれど―――と、堂々巡りになっているのだろうと。
そして菊岡はそんな零士に駄目押しと言わんばかりにこう告げた。
「プロが相手は荷が重いというなら仕事と言うことにしないかい?一人三十万。二人で六十万円だ」
その発言に流石に二人はそろって顔を顰める。
いくらなんでも報酬、しかも六十万もの金を出してまで自分たちに依頼を出す理由がわからない。
和人としては、半ばこの件はオカルト的偶然としか思っていないため容量がつかめない。
反対に和人よりも本を読んだりゲームよりも世間の話題を知っている零士にはすぐに一つのことに思い至った。
公務員がここまで下手になる理由なんて昔から一つだからだ。
「……お上か」
「……そうなんだよ、上が色々気にしていてね。僕たちとしてはこの件が妙なところに着陸して法規制推進派、要はVRMMOを規制しようとする派閥に利用される前に噂か事実かを把握しておきたいんだ。」
その発言に和人はようやく納得した。
高級官僚であるからこそ彼らの上司やその上に立つ政治家の動きには敏感なのだろう。
そして、上が命じれば従わざるを得ない。
だからこそ、事実なら対抗策の一つや二つは考えるためにもこの件は調査する必要があるのだろう。
「……直接運営にあたらなかったのか?」
「
理由は理解したのだがそこまでの案件なら運営に直接訪ねればいいだろうと和人は告げるものの菊岡は顔をゆがませ、どこかもどかしいように怪しい企業やザ・シードへの愚痴を言った。
ちなみにザ・シードの由来を知っている和人と零士は素知らぬ顔である。
「と言うわけで真実を知るには直接接触するしかないんだ。もちろん最大限の安全措置は取る。君たちにはこちらの用意した安全な部屋からだいぶしてもらいアミュスフィアの出力に何か異常を発見すれば即切断する。それに打たれろとは言わない。見た印象でいいんだ」
「………」
「わかったよ。乗ってやる」
「……悪い」
「別に気にしなくてもいいさ。少し興味もあるしな」
それでも渋る零士に和人は助け船を出す。
正直ここまで言われたら断ることができない。
それに和人としてもこの件には話を聞くうちに僅かながら興味もでていた。
だから、零士はそこまで気にするなと和人は笑った。
「よかった、なら―――」
「待ってくれ。まだ条件がある」
「……これでも足りないのかい?」
何かを表示させようと零士から端末を返してもらおうとした菊岡だったがそれを零士は止め条件があると言った。
菊岡としては自分が出せる報酬、安全措置をしたというのにまだ注文があるのだろうかと、少しだけ不服そうな顔をする。
「いや、ちょっと違う。まず俺は自分の部屋から
「なっ!?」
「……後者はわからなくもない。ただ前者はなぜだい?君自身の危険が増すかもしれないのに」
菊岡の言う通りだと和人は思った。
後者なら何かしらの情報が
だが、前者は危険性が上がるだけで零士にはデメリットしか無いようにしか思えなかった。
「後者は言わなくてもいいみたいだから省く。前者の理由は俺がもう
「……数日はかかるだろうね」
「だからだよ。
零士は遠回しにこう言っているのだ。
自分が死んだらアミュスフィアに何か問題があるかどうかを撮っておくのでそこから調べろと。
「……そこまで言うなら僕としては止めない。ただ僕は君たちに死んで欲しいわけじゃないんだ。だから無理や無茶はしないでくれ」
「……了解」
零士の意志が固いのを理解してか菊岡はそれ以上は何も言わなかった。
和人と言えば零士の発言に一つの疑問を覚えるものの頭を抑え、一度言ったら零士は何を言っても曲げないことを理解しているので説得するのではなくせめてものフォローに回る。
……多分言ってないが本音の中にはすぐに
「菊岡さん、零士は自分で志願したとはいえ最悪危ない橋を渡る羽目になる。だから、万が一の可能性に備えて危険手当は出せないか?」
「彼自身が言い出したことだしね。………
「ああ、それでいいよな」
「……なぜそうなった」
あるなら、それを証明してほしいと菊岡は提案し和人は承諾する。
和人と菊岡としてはお金を出すんだから死んだらもらえないよという意味あいなのだが当の本人はその意味を理解していなかった。
………
……
…
さて、その後菊岡は和人たちに
そして、残された和人と零士は手元の端末を見て注文した品を食べながら話し合いをしていた。
「で、お前はこの後明日菜とデートじゃなかったのか?」
「まだ、時間に余裕はあるよ。……で、零士はなんであんな提案したんだ?何か気づいたのか?」
和人は先ほどの零士の発言で一つ気になっていたことがあった。
和人はあの提案を聞いて零士がまるでカメラに何か映ることを確信しているような気がしたのだ。
菊岡がいる手前追及しなかったもののここに菊岡の姿はもうなかったため聞くことにしていた。
「……不可能なものを除外していって残ったものが、たとえどんなに信じられなくても、それが真相である」
「……誰の言葉だ?」
「シャーロック・ホームズ。……ゲーム内からの干渉で心不全を起こせるのが不可能なら―――」
「現実から干渉したって言いたいのか?」
「ああ」
和人も零士が言いたいことは悟った。
つまるところ零士はこう考えているわけだ―――あの二人はゲームが原因で死んだのではなく現実で直接殺害されたと。
「……根拠は?」
「もらった資料では片っぽの被害者の家は鍵が閉まってなかった。普通ありえるか?アパート暮らしで部屋の鍵を閉めずにVRMMOをするなんて」
「……確かに不用心だよな」
「断言する、ありえない。これは俺も同じアパート暮らしだから間違いない。」
なるほどと和人は納得する。
実家暮らしの和人と違って零士は学校に通うためにこっちに引っ越して来てアパートで暮らしている。
だから、多少なり自分の持たなかった違和感も持っていたのだ。
「そしてこの音声を聞いて確信した」
「……何をだよ」
手元にあった端末と注文したミルフィーユから視線を零士の方へとずらす。
零士の方はいつの間にか注文した品を平らげ、先ほど菊岡からもらった
「こいつは
その言葉に……零士の顔を見て和人は何かをこらえるかのように悲痛な面持ちで答えるが、零士の表情は―――
淡々と事実を述べ続ける零士の表情は菊岡がいた時とは違かった。
その顔には笑みも悲痛さも怒りも―――あらゆる感情がそぎ落とされていた。
それはまるで―――
「……復讐鬼ってことか?」
「ああ。……こいつの復讐は多分終わってない。そして終わってないなら邪魔な俺達も標的になるだろうな」
「………」
「帰りにカメラとICレコーダーを買って部屋に仕掛けとく。……万が一の場合は頼む」
「………俺が行くまで接触するなよ」
そうなってしまった原因を和人は知っている。
だからこそ、もう二度とあんなことはさせない。
もう二度とこいつを一人にしないとかつて自分に誓った。
けれど、今の自分はそばにいられない。
それがもどかしくせめて自分が行くまでは無茶はしないで欲しいという願いをもって告げた言葉に零士は―――
「ああ、わかってるさ」
言われなくてもわかってるとばかりに苦笑しながら承諾した。
SAOからってやっていう人いるでしょうが……GGOからやらないと詩乃(シノン)出せないでしょ!!
いや、出そうと思えば出せるかもだけどあれを私はやってないし、色々矛盾でそうだし……(詩乃が死にそうだし)。
感想や誤字など、ご指摘があればお願いします。