魔法少女リリカルなのは 『やがみけ!! とあるシスコンの話』   作:Arc.

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原作ブレイク。スパ○ボのifルート以上に混沌とした状況になります。


雲の騎士団現る

 こんにちは、皆さんいかがお過ごしでしょうか。八神はやてです。私の誕生日を締めくくる一大イベント(兄ちゃんと一緒に眠る)の最中、常識ではありえない事が起こりました。何時からあったのかは忘れてしまいましたが、私の寝室の本棚にあった妙な本が光と共に中に浮かび上がり、いきなり見知らぬ四人組が現れたのです。しかも私の胸からも光が出てきて……。何かの呪いなんでしょうか。何これ、怖い。

 突然の事に私は兄ちゃんの腕の中で呆然としていました。あ、あかん。気が遠くなって……。

 

 「闇の書の起動をか「誰だ貴様らは!! おいっ、はやて!! しっかりしろ!!」 はっ!? えっ!?」

 

 「あっ、ありがとう。兄ちゃん」

 

 兄ちゃんが居てくれた事もあって気を失わずに済みましたが、一体この状況はなんなのでしょう。私の目の前には膝まづいた4人の男女が居ます。赤髪と金髪のお姉さんに橙色のお下げの女の子、それに銀髪のマッチョメンです。こんな夜更けに、はっ!! そうか、兄ちゃんに夜這いをかけに来たファンやな。兄ちゃんの美貌の虜にでもされたんやろ。でも、あかん。このままやと兄ちゃんの貞操が……。しかも男までおるとか、兄ちゃんがいけない世界に。

 

 「誰なん、アンタ達!! 兄ちゃんには指一本触れさせへんで!!」

 

 「ち、違います!! 我ら“闇の書”の騎士“ヴォルケンリッター”、主はやてをお守りすべく参上しました」

 

 私の言葉を赤髪のお姉さんが否定します。でも、守るだなんて何のつもりでしょうか。いきなり現れて私のお楽しみ(兄ちゃんの添い寝)を邪魔しておいて。“ヴォルケンリッター”だか“ヴァ○スリッター”か知らんけど、大きなお世話です。

 

 「突然現れておいてはやてを守るだと……。ふざけるな!!」

 

 ヤバい、兄ちゃんがキレてる。兄ちゃん一喝するとベッドから飛び、4人に向けて回し蹴りを放ちます。所謂スザ○キックです。前にテレビを見ていて私が格好良いって言ったら、兄ちゃんは必死で特訓して会得したんです。勿論、アニメの様な化け物じみた跳躍や威力は無いですが……。それでも士郎さん(美由希さんのお父さんで剣術を始めとした武道の達人)の道場に通ってチンピラなら一撃でノせる位に磨き上げられたキレのある兄ちゃん唯一の必殺技です。

 余談ですが、兄ちゃんは運動神経さえ良ければ私の為に“2000の技”を覚えたかったのにとぼやいていた事が有りました。でもそんなん覚えられて冒険家になられたら困ります。一応言っときますけど、体力に関しては流石に某皇子みたいな女子以下って事は無いです。

 

 「ザフィーラ!!」

 

 「承知!!」

 

 兄ちゃんの蹴りが当たろうとした瞬間、赤髪のお姉さんに呼ばれたマッチョメンは何処からともなく光の鎖を呼び出し兄ちゃんを後ろ手に縛ります。うわぁ、鎖で拘束された兄ちゃんが何か色っぽいです。こんな時間に忍びこんでくるだけあって、あの男の人ってソッチの気があるんやな。兄ちゃんの貞操が現在進行形でピンチです。

 

 「くっ、放せ!! はやてを守るのは兄であるこの俺の仕事だ!!」

 

 「兄ちゃんを放してや!! やめてや、兄ちゃんに乱暴する気やろ!! エロ同人みたいに!!」

 

 「エ、エロ同人……。はやて、何処でそんな言葉を……。誰だ……、そんな言葉をはやてに教えたヤツは……」

 

 「誤解です、主!! 私にそんな趣味は無いです!! お前達も信じてくれ!!」

 

 私がベッドから降りて、兄ちゃんを庇う様に抱きしめつつ放った言葉にマッチョメンが慌てます。他の女性三人の彼を見る目も心なしか冷たくなったような気がします。いや、それよりも私の言葉で兄ちゃんが受けたダメージが大きいです。遠い目をしながら「誰だ、美由希か? それとも石田先生か?」等とぶつぶつ言っています。ネットで知った言葉なんやけど? 

 

 「なあ、あんさんらは私の事をさっきから主って呼んでるけど本当に兄ちゃんが目的じゃないんやな?」

 

 「ああ!! いや、はい。そうです」 

 

 「私達騎士は主への忠義を最優先にしております。主の兄上を手籠めにしようなどある筈が合いません」

 

 一番小さな女の子は違うって言ってます。この子は、まぁ信じましょう。続いて赤髪の姉ちゃんも否定します。でも、この人と金髪の姉ちゃんは要注意やな。主従の恋とか、許されざる関係は燃えあがるとか図書館で借りてきた本に書いてあったし。

 

 「主はやて、それに主の兄上も御無礼をお許しください。我々は貴女方に危害を加えるつもりは無いんです。騎士の誇りにかけて誓います。ですので話を聞いてください」

 

 収拾がつかなくなっていた場を収めたのは金髪のお姉さんでした。あっ、でもあかん。さっきから兄ちゃんが“忠義”とか“騎士の誇り”とかに反応してる。兄ちゃんってそういう言葉に弱いんです。“某柑橘系辺境伯”とか“忍者メイドさん”みたいに主に準ずる従者が大好きなんですよ。

 

 「騎士の誇りにかけるって言ったな。ならば、話を聞いてやる。早く拘束を解け」

 

 こんな状況でも高圧的な態度を崩さない兄ちゃんって、素敵。真剣な表情した兄ちゃんって格好良いからな。いや、それより先ずは兄ちゃんを解放してもらわんと。 

 

 「せや、言う通りに兄ちゃんを解放し。今度兄ちゃんに酷い事したら絶対許さへんから」

 

 釘を刺す事を忘れません。その後、私達はリビングへと移動し4人組から改めて詳しい事情を聞く事となりました。

 赤髪の姉ちゃんはシグナムっていう名前で“烈火の騎士”っちゅう4人のリーダー格だそうです。顔も兄ちゃん程ではないですが中々美人です。それよりも……、何なんよあのスタイルは!! 出るトコ出て引っ込むトコは引っ込んで。見とれよ、今はまだチンチクリンかもしれへんけど数年後には追い付いてやる。

 イカン、脱線しました。お下げの女の子は“鉄槌の騎士”ヴィータと名乗りました。ちょっと目つきが鋭いですが可愛い女の子です。彼女となら友人になれるかもしれません。でもこの子も数年後には兄ちゃんを狙う敵になるかもしれません。

 兄ちゃんって昔っから小さい子には甘いんで。私は今現在、足の事もあって小学校には通っていません。けどこっちに引っ越す前、両親が健在だった頃は幼稚園には通っていました。その時、私の友達の何人かが兄ちゃんに憧れを持っていたんです。その娘達は兄ちゃん目当てに家によく遊びに来ていました。それでも私とは良好な友人関係を築いていました。みんなで“兄ちゃんを守る会(勿論、私が会長)”を結成して他所の女の毒牙から兄ちゃんを守るために協力していたんです。こっちに引っ越す際に解散したんですが、みんな元気かな……。メールや電話でたまに連絡は取ってるんですが、今度の夏休みに兄ちゃんと遊びに行っても良いかもしれません。また脱線してもうた……。

 マッチョメンは“盾の守護獣”ザフィーラというそうです。“守護獣”って「男は狼だ、気を付けろ」とでも言いたいんでしょうか。筋骨隆々で小麦色の肌に犬耳なんて、絶対危ない人です。兄ちゃんって女性に間違われる事がよくありますし、男女関係無く魅了する様な人です。先ほどの事もありますから二人っきりにしてはいけない気がします。もしザフィーラの天を突くドリルで宿命合体なんてされたら目も当てられません。それだけは絶対阻止せねば。

 金髪の姉ちゃんはシャマルっていうそうです。優しげな雰囲気な女性で男性受けが良さそうです。シグナムとは違うタイプの美人です。これで“ドジっ子”属性なんてついてたら流石にあざと過ぎるやろ。流石に其れは無いか。でも、妙齢の女性ですしシグナム同様警戒が必要です。要チェックや!!

 そんな事を考えている中、彼女の自己紹介で出たある言葉に私も兄ちゃんも反応してしまいました。

 

 「私は“湖の騎士”シャマルと申します。主はやて、それと主のお兄さんもよろしくお願いしますね」

 

 「ん? “湖の騎士”だと……」

 

 「兄ちゃん、湖の騎士やって!! サー・ランスロットと一緒やん!!」

 

 「“湖の騎士”か。本当に信用出来るのだろうな? 裏切りなど絶対に許さんぞ」

 

 そうや、ランスロット卿には“最高の騎士”の他に“裏切りの騎士”って側面もあったんや。あっ、それに王妃との“不義の恋”もあったな。忘れとった……。

 

 「裏切りなど……。私は絶対にそんなことしません。騎士としての誇りにかけて、主に対して絶対の忠誠を誓います!! もしそのような事が有れば私は自らの命を絶ちます」

 

 「命をかけて絶対の忠誠を誓うか。ならば、良し。信じてやろうか、はやて?」

 

 兄ちゃんが折れる事は半ば予想がついていました。私がらみの事では少し暴走する事もありますが、基本的に優しい人ですから。兄ちゃんが認めるなら私も認めるほかありません。

 

 「分かった。4人とも私に仕える事を認める。シグナム、シャマル、ヴィータ、ザフィーラ、これからよろしく頼むわ」

 

 「ありがとうございます、主はやて。我らヴォルケンリッター、貴女の為に剣と忠義を捧げます」

 

 私の許しが出た事が嬉しいのでしょうか。シグナムの声色にも喜びが混じっているみたいです。4人とも床に膝をつき、頭を垂れます。

 

 「それとな、兄ちゃんは私にとってたった一人の肉親や。世界で一番大切な存在や。もし兄ちゃんを蔑にする様な事があったら許さへんえ。私にやない、私達兄妹に忠誠を誓ってもらう。八神はやてが命じる、私に従え!!」

 

 兄ちゃんに仇為すような騎士なら、そんな騎士要りません。私の言葉を4人は神妙にして聞いていました。って兄ちゃん、そんな羨ましそうに見んといて。

 命令する時、思わず兄ちゃんが大好きなキャラの真似をしてしまいました。当然、右目を隠した掌は小指をちょっとだけ曲げて。いや、だって一度やってみたかったんやもん。

 

 「承知しました、主はやて。我らヴォルケンリッター、主とその兄上を身命を賭してお守りすると誓います」

 

 「「「我らが剣に書けて誓います!!」」」

 

 うん、良い返事や。私は満足だったので彼女らに向けて笑顔を浮かべ頷きました。でも、兄ちゃん的には違った様です。

 

 「違う、間違っているぞ。お前達、はやての命に対して返事する時は“イエス、ユアマジェスティ”だ」

 

 うん、それ絶対言うと思ったわ。

 

 「何だよそれ?」

 

 ヴィータは首をかしげます。せや、その反応で正しいんやで。でもこのままやと兄ちゃんも譲らない筈なんで、私は兄ちゃんの言葉に従うよう命令を下しました。兄ちゃんは満足そうです。しかし、何か腹立つな。

 

 「それなら兄ちゃんに対しては“イエス、ユアハイネス”って言ってもらう事にしよか? 私だけやと恥ずかしいし」

 

「本当か!? ふふふ、はやてはよく気が付くな。偉いぞ」

 

 意趣返しのつもりでしたが、兄ちゃんはニヤニヤしながら私の頭を撫でてきます。喜ばせてしもた。

 

 

 「ヴォルケンリッターよ、俺ははやての兄の八神嵐だ。妹ともどもよろしく頼む」

 

 兄ちゃんは私に忠実な4人を認めた様です。彼女らに対して頭を下げます。

 

 「そうですね。我々は兄上に対しても忠誠を誓っているのですから。良いか皆?」

 

 「「「「イエス、ユアハイネス!!」」」」

 

 シグナムって素直なんやな。きっと兄ちゃんの中で好感度が上昇してそうや。4人ともちゃんと兄ちゃんにも仕えてくれるみたいやね。うん、結構愉快な人達で良かった。仲良くなれそうや。警戒レベルは石田先生クラスまで引き下げとこう。ただしザフィーラ、アンタはダメや。同性愛なんて非生産的や。

 

 「良かったな、はやて。お前の騎士団が出来たぞ」

 

 「せやね。みんな、さっきまでの態度はごめんなさい。見ず知らずの人間やったから信用できんかったんよ。これからは臣下としてやなく家族として皆と接するわ。私の事ははやてでええから。これからよろしく頼みます」

 

 私も兄ちゃんにならって頭を下げます。4人とも主の私が頭を下げた事と家族と言った事に驚いているみたいです。

 

 「ところで、さっき俺を拘束した力は何だ? もしかして“魔法”か?」

 

 そうやね、確かにさっきの力は普通じゃ有り得へんものやった。それにしても兄ちゃん、魔法って……。高校生にもなってメルヘンなんやから、可愛いわぁ。ですが、兄ちゃんの“魔法”って言葉を聞いて4人の表情は真剣な物に変わります。えっ、もしかしてもしかするん?

 

 「兄上、もしかして魔法の存在を御存じだったので?」

 

 シグナムがあからさまに警戒を浮かべます。本当に魔法ってあるんかいな……。「奇跡も魔法もあるんやで。魔法少女はやて☆マジか!?」始まってたまるかい!!

 

 「ああ、知っている。おい!! ロッテ、アリア!! 居るんだろ、出て来い!!」

 

 兄ちゃんは庭に続く窓の方へ向かい声を上げます。って、兄ちゃん。いきなり何言っとるん? アリアさんもロッテさんもイギリスにいる筈やろ。ああ、アリアさんとロッテさんってのは私達兄妹の後見人をしてくれているギル・グレアムおじさんの娘さん達です。美人な双子で、去年の夏休みにグレアムおじさんと家に遊びに行った時は色々とお世話になったんです。でもそれからでしょうか。前からうちの近くに住みついていネコちゃんに対して、兄ちゃんが警戒する様になったんは。うちの庭にもそのニ匹は遊びに来ていたんですが、兄ちゃんがネコちゃんたちに対して向ける視線が鋭くなったんです。

 

 「えっ、嘘!? ばれてるの!?」

 

 「しっ、喋ったらまずいよロッテ!! あっ……」

 

 例のネコちゃんです。窓の外にはニ匹の喋るネコちゃんが居ます。あのネコちゃんたちが、まさかアリアさん達って事かいな!? はっ!! 私はこのまま願い事と引き換えに契約されて魔女になってしまうのでしょうか……。それともカードを封印する戦いに巻き込まれるのかも? 出来れば後者がええな。

 

 「カマをかけてみたが、案の定引っかかったみたいだな……。入ってこい。ヴォルケンリッター、手出しはするな!! だが攻撃してきた場合、何があっても俺たちを守れ!!」

 

「「「「イエス、ユアハイネス!!」」」」

 

 早速使っています。ザフィーラとシャマルが私を庇う様に前に出て、シグナムとヴィータは何処からか剣とハンマーを取り出し兄ちゃんとネコちゃんたちの間に割り込みます。

 

 「マズイよ、アリア!! 嵐くんにバレてたみたい」

 

 「バレたのはロッテが喋ったせいでしょ!! マズイな、ここでバレるなんて計画が……」

 

 「良いから入ってこい。お前達が攻撃しないなら此方も何もしない。情報を集めたいんだ、話を聞かせろ」

 

 兄ちゃんがそう言うとニ匹は諦めたのでしょうか? ネコちゃんが消え、私達の前に見覚えのあるお姉さん達が現れたんです。

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