Ring Girls   作:宣伝部長

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水着で闘う女神達

「もぐもぐ・・・ふがっふがっ!!」

 

「佐倉さん、そんなに食べると後々しんどくなりますよ?」

 

「それよりもセイレーンさんはどうしたんですか?」

 

「アイツならどっかにいるんじゃないかい?昔から集団行動はしない人間だからねぇ~」

 

「そぼぉ・・・なぼがおぉいどごろがいいんでふよっ!!」

 

「絢音ちゃ~ん食べながらだとなに言ってるかわからないよ~」

 

 

 

焼きそば、焼き鳥、焼きとうもろこしと色々なモノを頬張る絢音。

そんな姿にヴァルキュリアのメンバーは屋台ではしゃぐ子供を連想していたとかないとか。

 

 

 

「にしても、息抜きと聞いていたのに特別枠は試合の形式はバラバラですが多忙ですね」

 

「そうだね~まぁ、当の本人は嬉しそうだけどねぇ~」

 

「さっき参加したイベントの選手の皆様からサインを貰えたんですよっ!!凄くないですかっ!?」

 

「絢音ちゃん!目が怖いから落ち着いてっ!ねっ!ねっ!!」

 

「・・・・・そのようですね」

 

 

 

必死になってサインの書かれた色紙を優奈に披露する絢音。

グイグイと迫り来る絢音に対してたじたじになる優奈だが、周りはあえて止めずに見守っていた。

しかし、絢音はハッとしたように我に返ると思い出したように口を開く。

 

 

 

「皆さん、本戦はどうだったんですか?」

 

「アタシはちゃんと一回戦は通過さね!」

 

「毎回タッグが別々なのは辛いのよね~アタシも通過出来たよ~」

 

「即席タッグなのでコンビネーションを組むのも容易ではないですからね、私も通過してます」

 

「本当に・・・私もギリギリでした」

 

「セイレーンは言わずとも通過だからみんな一回戦は通過だねぇ~」

 

 

 

その言葉を聞いてホッとしたような表情を浮かべる絢音。

 

 

 

「でも、次の組み合わせもタッグパートナーもわかってないんですよね?」

 

「いや、タッグパートナーはもう伝えられているんだけど組み合わせは今頃決まってるんじゃないかしら?」

 

「本当にこのSVWのバトルシステムは凄いですよね!毎回違うパートナーだし、次にどのタッグと当たるのかもわからないランダム性!観てる分ならワクワクします!!」

 

「まぁね・・・それを狙って開催されてるみたいなもんだからねぇ~5回目でもあるから慣れちまったさ!」

 

「でも~特別枠も色々とやってるよねぇ~午後からはなにやるの~?」

 

「えっと・・・水着でハラハラ水上リングバトル!!だそうです」

 

 

 

絢音の口から聞こえたフレーズにピクっと反応した風香。

それに気付いてにやっと笑うライオネルと美星。

いつもSVWしか観戦していなかった絢音は首を傾げて不思議そうにしていたが、午後のイベント会場に辿り着くと色んな意味で気付かされた。

 

 

 

 

 

「こう言うことだったんだ・・・・・」

 

 

 

炎天下の日差しを浴びる海の上に特設リングが用意されていた。

絢音は4つあるコーナーポストの1つの前に立っていた。

しかし、服装はリング衣装などではなくて白色のスクール水着である。

噂ではあるが、去年は風香が社長に騙されて出場させられたとか・・・。

 

 

 

「それにしても・・・・・」

 

 

 

絢音はチラッと他のコーナーポストに居る選手に目をやる。

 

 

幹島 早苗(みきしま さなえ)。

鰐淵 キアラ(わにぶち きあら)。

神童寺 司(しんどうじ つかさ)。

 

 

他の3人も絢音と同じく同期となるルーキー。

実力も未知数である雰囲気に唾を飲み込む。

しかし、試合が始まろうとする中で1人の女性が手を挙げる。

 

 

 

「あの・・・水着が小さいのか・・・かなり苦しいんですけど・・・・・」

 

 

 

そう言ったのは早苗である。

確かにずっともじもじしているからあまり確認は出来なかったが、高身長でボンッ!キュッ!ボンッ!!とナイスボディの彼女にはサイズが合ってないような気がした。

あの『生物災害』で有名な大空みぎりさんを意識させる気配を感じる。

絢音はスタイルを目にした後に自分の胸を撫でるが悲しくなりそうだったのでそれ以上はなにも考えずにいた。

 

 

女性スタッフがやって来て待ちぼうけをくらう3人。

絢音はその間に素足での感触や水飛沫で滑りやすくなっているリングの確認をしていた。

女性スタッフがいなくなったが、水着が変わってない事に気付くとアレが一番大きいサイズなのだと絢音は理解する。

そして、試合開始のゴングが鳴り響く。

 

 

 

「こう言う試合慣れてないからどうしたらいいんだろう」

 

 

 

今回の試合は3カウントを勝ち取る闘いではなく、リング外の海に落として行き最後に残った者が勝者になるシステムである。

だから上手く立ち回りが思いつかない絢音はあたふたするしかなかった。

だが、最初に動いたのはキアラだった。

 

 

 

「図体がデカいからっていい気になるなよっ!!」

 

 

勢いに任せてのドロップキック。

しかし、両腕でガードしていた早苗は仕掛けて来ていたキアラを逃がさない。

 

 

 

「掴まえました」

 

「なぁっ!?」

 

「えいっ!!」

 

「かはっ!?!?」

 

 

 

デカい図体だからと油断していたのかキアラは軽々と持ち上げられる。

そして、驚くよりも早くに投げ捨てるように叩きつけられるとキアラは苦痛と共にリングの上で悶える。

などと繰り広げられる試合展開にうつつを抜かしていると絢音の体に衝撃が走るのが伝わる。

 

 

 

「油断は駄目よ」

 

「ぐっ!?!?」

 

「しばらく寝てなさい」

 

「がぁっ!!」

 

 

 

胸の中心を貫くような掌底。

その一撃で一瞬呼吸が止まりそうになったが、フロントヘッドロックで固められた絢音は動けずにいた。

司は素早い動きでコーナーポストを利用したスイング式DDTを放った。

絢音はあまりの衝撃に青空を仰ぐように仰向けで動けずにいた。

 

 

 

「先に倒すのは・・・あの女」

 

「んんっ!!」

 

 

 

不意打ちとばかりに横から飛びつく司。

いきなりの出来事に反応出来なかったが、即座に引き離そうとした。

しかし・・・・・。

 

 

 

「もらった」

 

「ぐぅっ!!」

 

 

 

引き剥がそうと手を出した瞬間、司はそれを見逃さずに捕らえた。

そのまま片手を掴んだまま腕と首を巻き込んでいき三角絞めを繰り出す。

これには早苗も膝を付いて苦しそうに耐えていた。

じわじわと締め上げていく流れだったが、不意にその拘束が外れてしまった。

 

 

 

「(汗と水飛沫のせいで・・・滑ったっ!?!?)」

 

「逃がさ・・・ないっ!!」

 

「あぁっ!がぁぁぁっ!?!?」

 

 

 

早苗は拘束状態が解けた瞬間に司を捕まえるとそのまま持ち上げる。

軽々とアルゼンチン・バックブリーカーを極める。

それには司も苦しさのあまり叫んでしまう。

 

 

 

「アイツが囮になってる間にアタシはもう一人のヤツを・・・・・」

 

「そうは行きませんっ!!」

 

「なっ!?!?がぁぁぁっ!!」

 

 

 

一瞬だった。

視界が揺らいだ時にはキアラは投げられていた。

いつの間にか背後に待機していたのか低空式ジャーマン・スープレックスを放ったのだ。

スピードのある一撃に受けたキアラは衝撃にのたうち回る。

 

 

すると横では早苗がアルゼンチン・バックブリーカーからそのまま地面に投げつけたのだ。

ギブアップも許されずに苦痛を耐え続けていた司の表情は涎や涙で崩れてしまっており、横たわってしまっていた。

そして、リング上に立つ2人は視線が合った。

 

 

 

「やあぁぁぁっ!!」

 

「はあぁぁぁっ!!」

 

 

 

2人は組み合い力比べが始まる。

体格差的に見て圧倒的に早苗の方が有利なのは明らかなのだが、押されているのは早苗の方であった。

 

 

 

「いっ!!やあぁぁぁっ!!」

 

「ぐうっ!?」

 

 

 

勢いを味方につけてそのまま手を相手の股間から差し入れるようにして体を掴み、もう片方の手は相手の肩口や首元を掴んだ。

その状態から相手をひっくり返すようにして抱え上げて前方へと投げ落としボディスラムを放った。

 

 

 

「あの体格差で投げんのかよっ!!」

 

 

 

先程の光景を目の当たりにしていキアラは驚きを隠せずにいた。

だが、まだ試合の最中で攻防は続く。

 

 

 

「まだまだ行きま・・・・・ふっ!?!?」

 

 

 

トップロープから引き続き攻撃を仕掛けようとしたが、裸足と水飛沫で濡れたロープも合わさり見事にリング外に落ちてしまった絢音。

どぼんっと言う着水と共に脱落してしまった為に絢音はぽかーん口を開けて青空を眺めていた。

 

 

すると司、キアラと次々に放り投げられてしまったのかリング外に飛んで来るのが見えてしまった。

と言う事でこの試合は早苗の1人勝ちで幕を閉じたのであった。

 

 

 

 

 

1日目の全工程が終わりを迎えた。

絢音は先に終わっていたので、他のみんながやって来るのをじっと待っていた。

するとそんな彼女の元に1人の女性がやって来た。

 

 

 

「よっ!また会ったな!!」

 

「い、伊里内選手っ!?!?」

 

「堅っ苦しいな!あたいの事は真って呼べよ!!」

 

「は、はいっ!!真さん!!」

 

「お前、肉は好きか?」

 

「えっと・・・好きですけど・・・・・」

 

 

 

真は絢音の一言に嬉しそうな表情を浮かべると急に絢音の手を引いたのだ。

 

 

 

「みんなで焼肉行くからお前も来いよっ!!」

 

「えええええっ!?いいんですか!?!?」

 

「元からお前の所の全員連れてくつもりだから遠慮すんなよっ!!」

 

「わ、わかりました!!僭越ながらお供させて頂きます!!」

 

「よっしゃ~!!」

 

 

 

ノリノリの2人を見かけたヴァルキュリアのメンバーは色々と察したのか苦笑いを浮かべていたと言う。

しかし、焼肉会場はたくさんの女子プロレスラーが集まっていた。

その中に入った絢音は限界オタクのように騒いだり、泣きながら写真を撮ってもらったり、たくさんの色紙にサインをもらったりと一番楽しんでいたと全員が口を揃えて呟いていたと言う。

 

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