Ring Girls   作:宣伝部長

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波乱のエキシビジョン

「心臓が飛び出そうです・・・」

 

「大丈夫ですよ、佐倉さん。ちゃんとサポートするからドンと構えていていいから」

 

「絢音ちゃ~ん♪リラックス、リラックス~そんな顔じゃ勝てないぞぉ~」

 

「ふぁっ、ふぁわかってまふゅって!!」

 

 

 

リング上で対峙しているのにも関わらず和やかな雰囲気。

大型イベントの最終戦ともある為に本戦の決勝戦と並行して執り行われているが、お客様は満員の様子。

対戦相手も準備が出来たのかレフェリーが両者を下がらせる。

 

 

 

「初戦は誰が行きます?」

 

「とりま、アタシに任せて~」

 

「頑張ってください!!美星さん!!」

 

 

 

リングに残った美星は2人にウィンクを残すとリング中央でフレイア鏡と対峙する。

 

 

 

「本戦では仲間だったのに・・・運命とは皮肉なものですわ」

 

「アタシはなんとも思っちゃないけどねぇ~」

 

 

 

ゴングが鳴ったと同時に2人は飛び出す。

しかし、お互いにロープを使って戻ってくると同時にヒップアタックを放つ。

お互いの尻と尻がぶつかり合って2人共座り込むが会場はその光景に大盛り上がりをみせる。

2人は即座に立ち上がるとそのままお互いにタッチをしたのだ。

 

 

リングインしたのは、佐倉絢音とキャシィ・ワイルド。

いつものように力比べが始まるが、今日の絢音は冴えていた。

 

 

 

「せいやぁぁぁっ!?」

 

「Woh!?!?」

 

 

 

力を一気に脱力した絢音。

それにより態勢を崩したキャシィはそのまま一本背負いで放り投げられてしまう。

この技には驚きの声をあげてしまうキャシィではあるが嬉しそうにまた身構える。

 

 

 

「今の技は柔道のやねぇ~くぅぅぅ・・・・・いくでぇぇぇ!!」

 

「はいっ!!」

 

 

 

お互いに間合いを詰めると手の届く距離まで2人が向き合う。

すると始まったのはエルボースマッシュの応酬。

 

 

 

「やぁぁぁぁっ!!」

 

「はぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

パワータイプ同士のプライドと意地にも似たぶつかり合いに会場は応援の声で盛り上がりをみせる。

そして、何度もぶつかり合う2人だったが・・・先に動いたのは、絢音である。

 

 

 

「一・掌・入・魂!!!!」

 

「がぁぁっ!?」

 

 

 

力一杯の掌底アッパーがキャシィを捉える。

見事に鋭い一撃を受けたキャシィは倒れてしまい、そのままフォールを狙われるがカウント2で返した。

 

 

すると絢音は真琴とタッチをしキャシィはナイトメアガールとタッチをした。

長い髪を靡かせながら様子を伺う真琴とは違い、ナイトメアガールはマスク越しにもわかるようにいやらしく舌なめずりをしていた。

 

 

 

「ぐぅっ・・・・・!?!?」

 

 

 

ミッドナイトブレス。

ナイトメアガールの口からピンク色の霧状のモノを噴出する得意技。

まともに正面から浴びてしまった真琴は苦しそうに両目を瞑りしゃがみ込んでしまう。

その姿を確認したナイトメアガールはロープへと走り出すと反動を使って技を仕掛けようとした刹那。

 

 

 

「そこだぁぁぁっ!!」

 

「・・・・・くっ!?」

 

 

 

無造作なミドルキックが空を切ったのだ。

しかし、それはもう半歩前に進んでいれば直撃コースだったナイトメアガールからすれば間一髪である。

それでもこのチャンスに一撃を入れようと試みるナイトメアガールはじりじりと距離を縮めようとする。

 

 

 

「真琴さぁぁぁん!!」

 

「気が利くみたいだな・・・あの子」

 

 

 

いきなりこだまする絢音の声に位置を把握すれば、一目散に走り出す真琴。

無防備な背中ではあるが、ナイトメアガールはまだ序盤だと言うのも考え深追いはせずに自陣のコーナーへと戻るのであった。

 

 

するとリングを照らしていたライトが消えてしまったのだ。

急な展開にざわつく会場ではあったが、再びライトがリングを照らすとリング中央には3人の選手が立っていた。

 

 

ライオネル神威。

伊里内 真。

天鳳院ほむら。

 

 

3人は堂々と腕を組んだまま真がマイクを受け取るとこう叫んだのであった。

 

 

 

「飛び入りだぁぁぁっ!!!!」

 

 

 

その言葉と同時に湧き上がる歓声。

いきなりの事に理解出来ない両チームではあったが、試合中止の合図もない為に続行する流れとなった。

 

 

 

「なんか凄い事になってきちゃいましたね・・・・・決勝戦はどうしたんでしょうか・・・・・」

 

「あははっ・・・アレは、まこちゃんの仕業だと思うよ~あの子はいつも自分がやりたい事は曲げないからねぇ~・・・・・」

 

「・・・と言いますと?」

 

「絢音ちゃんとやりたかったからじゃな~い?」

 

「いぃっ!?私ですかっ!?!?」

 

 

 

チラッとリング中央に目をやると目の合った真が手招きしている事に気付いた絢音。

 

 

 

「よっしゃぁぁぁっ!!アイツとやるのはあたいだからなっ!!お前らは邪魔しに来るヤツら止めてろよなっ!!」

 

「あっ!私だってあやちゃんとやりたいんだから程々にしなさいよ」

 

 

 

嬉しそうに笑う真と真剣な表情の絢音。

力比べをする2人ではあったが、ピクリとも動かない光景に会場からは驚きの声が上がる。

 

 

 

「うおっ!?ライオネル・・・いや、それ以上の力かぁぁぁっ!?」

 

「うあぁぁぁっ!!!!」

 

 

 

急に力が強くなった感覚を感じた真は力比べから離れる。

未だに握られていた手が痺れている事に嬉しさからか笑顔がこぼれる。

 

 

 

「上等ぉぉぉっ!!」

 

「ぐうっ!」

 

「だりゃぁぁぁっ!!」

 

「があっ!?!?」

 

 

 

絢音の胸板を鋭いミドルキックが突き刺さる。

瞬時に反応し両腕で受け止めた絢音。

しかし、流れるように仕掛けられたフライング・ニールキックはまともに受けてしまい倒れてしまう。

 

 

興奮のあまり容赦なく仕掛けてしまった事にハッとなる真。

しかし、待ち望んでいた相手はゆっくりと立ち上がり身構える。

その姿勢に真はまた嬉しそうに仕掛けようとする。

 

 

 

「そうこなくっちゃなっ!!」

 

「・・・・・させないよ~ん♪」

 

「なっ!?・・・かはっ!!」

 

 

 

不意に絢音の背後からトップロープを使い姿を見せた美星。

絢音を軽々と飛び越えるようといたずらっ子のようにウインクをした後、スワンダイブ式フランケンシュタイナーをお見舞いしたのだ。

驚くのもままならない程素早い技に真はマットの上で大の字になってしまっていた。

 

 

 

「横槍なんて卑怯だぞっ!!ランブルッ!!」

 

「そんなのチームマッチなんだから無理言わな~い」

 

「うちも混ぜてもらうでぇ~!!」

 

「まこちゃ~ん」

 

「わぁ~ってるっての!!」

 

「WHAT!?!?」

 

 

 

喧嘩するように言い争う2人の間に割り込もうと飛び込むキャシィ。

しかし、シンクロするようにダブルドロップキックを放つ2人にキャシィは吹っ飛ばされる。

だが、技を2人は互いに反対方向のロープへと走る。

 

 

 

「やあぁぁぁっ!!」

 

「はいっ!!」

 

 

 

同タイミングでの跳躍。

同タイミングでの高い位置でのドロップキック。

互いの足の裏が見事にぶつかり合うとその衝撃を使い2人は見事に着地する。

その見事な技のぶつかり合いには大きな拍手と歓声が全体を包み込む。

 

 

 

「かあぁぁぁっ!!燃えて来たぁぁぁっ!!!!」

 

「はいはい・・・選手交代ね♪」

 

「なっ!?あたいの出番はまだ終わってねぇっての!!」

 

「私だって楽しみたいの。独り占めはよくないんじゃない?」

 

「はあ・・・・・わかったよ」

 

 

不意に現れたほむらが真の肩に手を置くと交代なのか大きく背伸びをする。

これからだと言うのに急に現れたほむらに吠える真だが、ガクッと大きな溜息と共に従うのであった。

 

 

 

「・・・・・寝てろ」

 

「んんっ!?」

 

 

しかし、そんなやり取りを待たずに仕掛けたのはナイトメアガールであった。

隙を伺っていたのだろうトップロープからスワンダイブ式飛びつきDDTをほむらに放ったのだ。

 

 

その光景にあちゃ~とばかりに顔を手で覆う美星。

ナイトメアガールは気にせずに次の行動に移ろうとするが、殺気を感じ動きを止めてしまう。

 

 

 

「私に不意打ちなんて・・・いい度胸ねっ!!」

 

「がっはぁぁっ!?」

 

 

 

怒りに震えるほむらはロープに走り出すと勢い良く飛び上がるとナイトメアガールの顔面に容赦なくライダーキックをお見舞いしたのだ。

あまりの一撃に受けたナイトメアガールは簡単に吹っ飛ばされてしまう。

その光景に固唾を呑む美星だったが、間を裂くように真琴がやって来た。

 

 

 

「もう目は大丈夫なの~?」

 

「あぁ、あの子のおかげで」

 

「今のほむほむちゃ~ん、怒ってるから気をつけてねぇ~」

 

「任されましたよ」

 

 

 

交代して真剣な表情で身構える真琴。

そんな姿に大きく深呼吸したほむらはさらっと前髪を掻き上げる。

 

 

 

「少々乱してしまったみたいね・・・」

 

「あの時の借りを・・・返させてもらいます」

 

「それは・・・どうかしらね♪」

 

 

 

向き合う2人。

先に行動をしたのは、真琴のトラースキック。

 

 

 

「それは・・・もう効かないわっ!」

 

「くっ!?」

 

 

 

見切っていたように水面蹴りを仕掛けるほむら。

その技には体勢を崩しながらも側転をして回避した真琴。

だが、それも読んでいたのかほむらは走り出す。

 

 

 

「シッ!!」

 

「そこっ!!」

 

「くぁっ!?」

 

 

 

追撃とばかりに繰り出されたローリングソバット。

しかし、その一撃を待っていたかのように受け止めた真琴はそのまま勢い良くドラゴンスクリューを見舞ったのだ。

その返し技に仕掛けたほむらも脚を掴んで痛みに表情を歪ませていた。

 

 

 

「私も居ましてよっ!!」

 

「あぁっ!?」

 

 

 

鏡は油断しているであろう真琴にキャプチュードを放つ。

見事に技が決まると鏡はファンサービスとばかりに観客に投げキッスを行う。

しかし、真琴はすぐさま飛び起きるとアイコンタクトをすかさず誰かに送ったのだ。

 

 

鏡は警戒するように身構える。

しかし、その動きは完全に囮であった。

 

 

 

「てやぁぁぁっ!!」

 

「なっ!?!?」

 

 

 

見事なスワンダイブ式ミサイルキックが炸裂して吹っ飛ばされる鏡。

してやったとばかり決めポーズをするほむら。

 

 

 

「倍返しっ!!」

 

「かはっ!?!?」

 

 

 

いつの間にコーナートップに居た真琴は、屈伸した上でボディプレスを倒れていた鏡にお見舞いしたのだ。

あまりの衝撃に目を見開いて苦しむ姿からかなりの威力だった事が手に取るようにわかる。

するとほむらと真琴はお互いに手で拳銃を作れば、お互いに打ち合う素振りを見せて笑顔を見せる。

 

 

 

「ほむら!そろそろアタシにもやらせてくれないかい?」

 

「そうねぇ~・・・楽しめたから変わってあげる」

 

「そうこなくっちゃな!!」

 

 

 

ライオネルが交代してリングに上がっただけなのに観客は大きな声援を送ったのだ。

それだけでライオネルがファンの間でかなりの人気を集めているのが理解出来る。

 

 

そして、対峙するのは絢音である。

緊張した雰囲気ではあったが、不意に近寄って来たキャシィが肩を組んできたのである。

 

 

 

「共闘・・・行くでぇ~」

 

「・・・・・はいっ!!」

 

「んんんっ!!!!」

 

 

キャシィの提案に両頬を叩いて気合を入れる絢音。

2人は勢い良く走り出してショルダータックルを決める。

その一撃を受けても倒れないライオネルに2人は、次とばかりにツープラトン・ブレンバスターを狙う。

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

「へぇっ!?」

 

「Wow!?」

 

 

 

いきなりの咆哮。

2人は驚きの声を出していたが、次の瞬間には2人は放り投げられていた。

まさかの出来事に2人はきょとんとしていた。

 

 

だが、とある事件がこの時発生してしまっていたのだ。

そう・・・レフェリーのダウンである。

放り投げられたキャシィが見事にレフェリーに直撃してしまっていたのだ。

 

 

普通だったら一時中断なのであるが、それを遮ったのは真である。

 

 

 

「こっからは・・・大・乱・闘だぁぁぁっ!!」

 

 

 

控えているはずの真がリングに飛び出してきたのを皮切りになんでもありのような乱闘騒ぎに変わってしまったエキシビジョンマッチ。

なんでもありとなってしまったリング上はヒートアップして行き収拾のつかない状態となっていく。

その光景に観客は大盛り上がり、ハチャメチャな祭りになった事で会場も賑わいを見せていた。

 

 

最終的にはゴングの音と共に試合は強制的に終了となった。

この試合に勝敗はつかなかったもののSNS上では、「世紀の大乱闘」やら「ハチャメチャ祭」などと話題になっていたと言う。

 

 

 

こうして、SummerVenusWestは幕を閉じたのであった・・・。

 

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