個性?そんなことより筋肉だ。 作:ムキムキ
緑谷 出久は無個性である。
しかし、彼には、無個性でありながらヒーローになりたいという身の丈違いな夢があった。
ヒーローに憧れる彼は今日も幼いながらも、ネットに流れてるヒーロー動画を漁る。
「オールマイトのスピードとパワー凄いなぁ…」
「エンデヴァーの炎も…」
「なぬ!この敵の個性レーザー光線だ!手強い!頑張れヒーロー!」
持たざる者は持つものに対して自己投影することで、虚栄心を満たす。
彼、緑谷 出久も4歳ながら、現実を突きつけられ、将来に絶望した持たざる者であった。
「ヒーロー……いいなぁ……」
超絶なスピードで相手を翻弄し、超絶なパワーで相手をぶっ潰す。
時には頼りになる体躯で、救助者を担ぎ上げる。
そんなヒーローたち。
そして、彼は思った。
「あれ?これ、個性無くても筋肉で行けるんじゃね?」
個性が無くて、パワーが出せないなら、筋肉をつけてパワーを身につければいい。
個性が無くて、スピードが出せないなら、筋肉をつけてスピードを出せばいい。
個性がなくて、ヒョロヒョロな体躯なら、筋肉をつけてマッスルボディを身につければいい。
緑谷 出久 4歳
筋トレ始めました。
腕立て、腹筋、スクワット、ランニング、体幹、今までヒーローに捧げてきた情熱を全て筋トレに捧げた。
誕生日プレゼントも、「プロフェッショナル。〜トップヒーロー達の流儀〜」シリーズや「ヒーロー大陸」シリーズのDVDボックスではなく、プロテインや鉄アレイ等々筋トレ器具をねだった。
彼の筋トレは常軌を逸した壮絶なもの。
個性に勝つ筋肉は、並大抵じゃ身につけられないという持論だ。
まだ、小学生にもなっていないにも関わらず、彼は泣き言を言わずに黙々とトレーニングを続けた。
それは、小学生になっても、中学生になっても変わらない。
彼は筋トレをし続けた。
ハードに。ストイックに。
憧れのヒーローになって、筋肉で敵を成敗するために。
「きょーうもいちにちマッスルマッスル〜♫」
彼は長く、苦しい筋トレの結果、彼の体はムキムキボディになった。
体躯も、体作りを意識した結果、身長180センチ体重95キロというおよそ中学3年生とは思えない大型巨人である。ちなみに体脂肪率は7%だ。
緑の癖っ毛が似合わないという犠牲の果てに得た膂力。
しかし、幾ら何でも可笑しいと思う人もいるであろう。
ここまで、筋肉がつくはずが無いと。
そう、実は彼は個性を持っていた。それも2つも。
「筋肉がつきやすくなる個性。」
「筋肉の質がとても上等になる個性。」
まさしく筋肉に愛された人間だ。
個性の性質上、医者が見落としてしまったのだ。
彼は無個性なんかでは無かったのだよ。
さて、この物語は筋肉に愛された少年が、成長を経て、筋肉で無双する筋肉物語である。
一応、個性の効果は補助程度なので、相澤先生の眼を使われても、筋肉自体は減らないし、無効化されないので、パワーによって殴り勝てます。(ただし、戦闘によっての筋肉のつき具合の効率が著しく劣ります。)