四葉のもう一人の後継者   作:fallere

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九校戦とは銘打ちましたが会場に行くのはもう少しかかりそう。
九校戦前にあーちゃん√の開拓をそろそろ済ませるとしましょうか・・・。


九校戦編 二節

選手やその他諸々の確認が進んでいる昼休み、適当に生徒会室に寄ってみた。

 

そこには課題に取り組む先輩方と達也と深雪がいた。

 

「あ、昼夜君、折角何で昼夜君のプレアデスも見せてもらえますか?」

 

状況を推測しよう。今さっき達也にシルバーホーンを渡したということは、

 

恐らく達也が見せたのだろう。それで中条先輩は興奮状態にあるのだろう。

 

「いいですよ、どうぞ」

 

「あぁ、いいです! 魔法の使い分けがしやすいようになっていて、

ハンマーも押し倒しやすくなる仕組みがあり、グリップも握りやすい!

照準補助システムのマズルだけでは無くフロント、リアサイトも完備!

CADでありながら実銃をモデルに拘ってるのが分かる一品!

そして忘れないユーザビリティへの配慮! 流石シルバー様!」

 

流石のデバイスオタクだ。しかし自分の作ったCADをここまで褒められるのは照れるな。

 

「昼夜君はトーラス・シルバーってどんな人だと思います?

因みに司波君は自分たちと同じ日本人の青少年かもしれないって言ってましたよ」

 

「そうですね・・・もしかしたらグループネームかもしれませんよ?

数人でシルバーを名乗っていて、他のメンバーはそれを支えているのかもしれません」

 

実際、シルバー・達也と牛山・トーラスの二人なのだが。

 

ところで、さっきから深雪の操作ミスの音が所々なっている。

 

「あ、そうです昼夜君。次の日曜日、一緒にCADを見に行きませんか?」

 

「「「⁉」」」

 

何故か驚いたのは会長と委員長、それから深雪だった。

 

俺は手帳を確認する・・・

 

「午前中は予定が入ってますが、午後からでしたら問題ないです」

 

「そうですか! 出来れば実際にCADも見てみたかったんですよ!」

 

「ちょっと昼夜さん? あなたは一体何をしているのですか?」

 

どうでもいいが、部屋が氷点下ではない(ry

 

「何って、休日の過ごし方を考えているだけだけど?」

 

「女性と一緒に・・・ですか?」

 

「まあそうなるな。俺たちの年では珍しい事ではないんじゃないか?」

 

深雪の笑顔が怖い理由が分からない。この際読者でもいいから教えてくれ。

 

因みに、何故か中条先輩は顔を真っ赤にしている。

 

「昼夜さん、少し向こうでお話ししましょうか」

 

何故か俺は首根っこ掴まれて生徒会室から連れ出された。

 

 

 

「・・・要するに、男性と女性が二人きりでいる状況はデート言い、

主に恋愛関係、夫婦関係のもので行われる行為であると。

さらに俺の立場から異性と一緒にいる状況は世間的に見てよくないという事か?」

 

「そう言う事です」

 

成程、理解した。だが、深雪はよく達也といたり、俺を誘ってきたりするのだが・・・

 

「血縁の間では例外です」

 

と、聞いたら返された。俺と深雪が従姉弟なのは極秘事項なのだが。

 

「ではこれからは深雪と一緒に外食したりはできなくなるのか」

 

「え! それは困ります⁉」

 

「だが、俺たちの関係は極秘事項だろ?

それに男女が二人きりでいる状況は恋愛関係以上でなければ認められないんだろ?

増してや俺の立場まであるなら完全に不可能だな」

 

「え・・・あ・・・うぅ・・・」

 

深雪は戸惑っている。それが普通なんじゃないのだろうか?

 

「し、仕方ありません。変装さえしていれば問題ないと思います」

 

「成程、その手があったか。これで中条先輩との約束を果たせる」

 

「え、ちょ・・・それは」

 

「ん、まだ何か問題があったか?」

 

実際恋愛関係ではないのだが、変装しているなら気にすることでもないだろう。

 

「うう、分かりました。でも、今度は私とも一緒にどこか行ってください」

 

「それくらい大丈夫だぞ。

ところで、変装は男女二人きりは避けた方がいいなら女装の方がいいのか?」

 

深雪は『ナニイッテンダコイツ』と言う顔で俺を見てきた。

 

だってさ、性別を誤魔化せばそれで終わりの話じゃん。

 

この後、ちょっぴりの間、濃密な説教された。

 

 

 

「で、中条先輩、日曜日の午後からでいいですか?」

 

「え? ふぁッ! ///」

 

中条さんは顔を真っ赤にしている。約束してきたのは先輩だろう。

 

「あらら? もしかして昼夜君の好みはあーちゃんみたいな子?」

 

好み? しばし思考する。

 

「・・・いいえ」

 

「「「え?」」」

 

驚いたのはまたしても委員長、会長、中条さんの三人。

 

中条さんは少し残念そうにしている。

 

「ただ俺は約束を守るだけです。厄介ごとの解決でもなければ、

口約束であっても俺の決定には四葉や戦略級の名前が付きまとうのですから」

 

「ほ、本当に昼夜さんって高校生なんですか・・・?」

 

安心してください、多分達也の方が(常人離れも含め)高校生離れしてますから。

 

「まあそう言う訳で、俺はよっぽどの事がないと約束は破れません。立場上」

 

「なんだか大変なんですね・・・」

 

 

 

深「ハッ、つまり既成事実を作ってしまえば昼夜はそれを覆せない・・・⁉

  いや、ダメよ深雪。私は正々堂々昼夜を・・・」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

さて、今日は日曜日、中条さんとの約束の日だ。

 

「では水波、行ってくる」

 

「確か、FLTに行くのでしたよね?」

 

「おう、んで午後からは中条先輩とCADを見に行く予定だ」

 

「・・・待ってください。中条先輩と言うと女性ですよね?」

 

「ん? そうだが」

 

「二人きり・・・ですか?」

 

「二人きりだが、そもそもあの人のシルバーに関する情熱に、

ついて行けるのは俺くらいだと思う」

 

本当に底なしのシルバー愛だ。牛山さんもそう言う人がいると知れば喜ぶだろう。

 

「昼夜様、女性と二人きりでいることを・・・」

 

「世間一般でデートと言うのだろ? 深雪に教えてもらった」

 

「もしかしてそう言う関係なのですか?」

 

それは断じて違う。今まで、恋愛というものを一切したことがないと神に誓おう。

 

「ウーム、この年の男女が一緒にいることにそこまで理由が必要だろうか?」

 

「あ、いえ! そう言う事ではないのですが・・・」

 

「あ、もう時間だな。話の途中で悪いが行ってくる」

 

俺はFLTの本社に向かった。先週、達也の完成させた飛行魔法を試験したらしい。

 

俺は飛行魔法用のハードを作るアドバイスをくれと頼まれたのだった。

 

 

 

俺はFLTの開発第三課に足を運んだ。

 

「あ、御子息殿! どうも」

 

「おう、暫く出てなかったけど順調みたいだな。

早速で悪いが牛山主任を呼んでもらえるか?」

 

御子息殿と言うのは重役である父のコネで出入りしていた達也が御曹司なので、

 

さらにそれをコネにして入って来たのでじゃあ御子息? みたいなノリでつけられた。

 

「あ、御子息殿! よく来てくれました」

 

因みにそれで固定されてしまっているのでもう否定もしない。

 

「・・・ところで御子息殿ってこの前情報が更新された戦略級魔法師と似てませんか?

確か・・・四葉昼夜、でしたっけ?」

 

ここでの名前は白爪中也で通していたのだがもういいだろう。

 

「俺がその四葉昼夜です」

 

「はぁ・・・え! じゃあホントに御子息殿だったんですか⁉」

 

どうにも俺の写真が更新された後、俺なのではと騒いでいたらしい。

 

因みに、世間では本当にその写真が本物か真偽が疑われている。

 

「まあそうなりますね・・・で、既にある程度デバイスはできているのですか?」

 

「あ、はい。こちらに」

 

俺は牛山さんに渡されたハードと、魔法以外のソフトを見る。

 

「・・・ここはもう少し削れるのでは?

あと、本体ももう少し軽量化できるのでは・・・」

 

ほんの細かい部分だが指摘を入れていく。俺にできるのはこれくらいだ。

 

「やっぱり御子息殿がトーラスになってくれませんか?」

 

「やめてください。四葉に戦略級にトーラスなんて荷が重すぎます」

達也の名前を隠す他、権利の管理などもあるので未成年の俺より牛山さんが適任だ。

 

「では俺は食堂使わせてもらって帰りますね」

 

注意点はできる限り修復した。後は第三課の人たちの仕事だ。

 

「おや? 普段は結構残りたがるのに・・・さては、これですか?」

 

牛山さんは小指を立てる・・・が。

 

「なんですかそれは?」

 

「あれ? もしかしてこれって古いんですか?」

 

どうやら彼女とか彼氏などと言う意味らしい。違うとは答えた。

 

 

 

さて、約束の時間の一時間前に駅に着いた。

 

今の時代、長距離移動と言えば基本電車だ。

 

大きな駅は百年前と変わらず賑わっており、この駅にはCAD専門店もある。

 

約束の時間の十五分ほど前、中条さんがやってきた。

 

俺は手を振る。変装と言っても眼鏡をかけているくらいだ。

 

それで結構俺は雰囲気が変わるらしい。

 

「あ、昼夜君先に来てたんですね」

 

「いえ、俺も今さっき来たところですよ」

 

張り込みで一日見張るのと比べたらこんな程度待ったうちに入らない。

 

それから、どうやら中条さんは小悪魔たちを連れてきてしまったらしい。

 

かく言う俺も護衛を連れてきてしまったらしいが。

 

「では行きますか」

 

「はい!」

 

俺たちはCAD専門店に足を運んだ。専門店と言うだけあって種類は豊富だ。

 

「わぁ、昼夜君見てくださいよ!

マクシミリアンのシューティングモデル! それからローゼンのFクラスですよ!」

 

マクシミリアンにローゼンと言うと今CAD業界でトップ抑えている二社だ。

 

中でも中条さんの言った二つは上級者向きだが慣れれば最高性能と言われている。

 

「ああ、でもやっぱりシルバー様がいいです!

シルバーアーティラリーにシルバーフロンティア!

シルバーシリーズはやっぱりほかの追随を許しません!」

 

つい先程までそのトーラスに会っていたのだがな。

 

「アーティラリーとフロンティアは比較的に女性に人気がありますからね。

小型で携帯しやすい点も含めて女性用使用にしているのかもしれません」

 

「昼夜君もそう思います⁉ ならきっとそうですよ!」

 

ごめんなさい、俺答え提示した形になりました。

 

「ですがシルバーシリーズでもホーンは矢張り値段も格別ですね。

シルバーがフルチューンナップしてループ・キャストに最適化しただけはあります」

 

「ですよね! でも、昼夜君のプレアデスも同じくらい値段張ってますよ?」

 

リボルバー式は正直需要が少ない。

 

弾丸型ストレージも改良を重ねて一系統七種を記録できるようにはしたけどな。

 

完全な特化型に速度は負ける。汎用型に魔法保持数は劣り、系統制限もある。

 

だが、俺みたいなデリケートな魔法師には意外と好まれているようだ。

 

そしてその中でトップの売り上げを誇っているのがプレアデスだ。

 

他者のはと言うと愛国心からとコレクターくらいしか買わない惨状だ。

 

まあ「あれは実は俺がチューンナップしてるんですよ」なんて言っても信じんだろう。

 

「大体見て回りましたね」

 

「そうですね・・・あ、カフェにでも行きませんか?

実は少し教えてもらいたいところがあって・・・」

 

「先輩の方が年上なんですけど・・・俺にわかる範囲なら」

 

 

 

とまあ、カフェに入った。

 

取り合えず飲み物とケーキでも頼んで中条さんの疑問を聞いた。

 

「えーと、汎用的飛行魔法がなぜ実現できないか・・・ですか?」

 

「はい、重力に逆らう魔法は現代魔法初期から確立されていますよね。

加速、加重系統が得意な魔法師は物凄い高跳びや素飛びを成功させた人もいます。

なのになぜ、定式化された自由に空を飛ぶ魔法が実現されないのでしょう?」

 

うん、中条さんと会うまで取り組んでいた奴だ。

 

「終了条件が満たされるまで魔法は作用し続けます。

他の作用を加えるならそれを上回る干渉力が必要です。

飛行中に加速、減速などをするなら魔法を重ね掛けする必要があって、

重ねる度干渉力は強くなり、すぐに魔法師の切り替えられる数をオーバーしてしまう。

・・・では納得できないという事ですか?」

 

中条さんは頷く。

 

「それならば終了条件の鍵の魔法式を用意してそれで終了させれば出来るのではと」

 

「魔法式は魔法式に干渉できません。エイドスを書き換えるだけですから。

一つのエイドスに複数の魔法式を投射しても干渉力が強いものが発動して、

干渉力の弱い魔法を消去しているわけではありません。

魔法式を完全消去できる対抗魔法はありますが、

超高難度の魔法で実用的に使える魔法師は存在しません」

 

達也以外な・・・。

 

「成程、つまり魔法完全消去する方法がなければ同出力で同じ魔法を発動できない。

だから次々に必要干渉力が上がって行って限界に達するということですね?」

 

「満点です。また、領域干渉も飽く迄干渉力を持つ魔法で消去はできませんから、

あとから領域干渉しても逆にしない時より手間が増えるだけです」

 

中条さんは真面目に端末にメモを取っている。

 

「実用できる形にするならば、短時間で魔法を切り替えを繰り返す方法ですね。

始めから持続時間を例えば一秒として、一秒ごとに魔法を切り替えるようにすれば、

細かい切り替えなのでかなりの体力を消費しますが可能だとは思っています」

 

「ありがとうございます! これで疑問が解けました」

 

そこからは共通の話題(真由美さんの陰口)で盛り上がった。

 

 

 

さて、そろそろ日も暮れるころ。先輩も女子なのだから親が心配するだろう。

 

さりげなく時間を話題に出して買えるように促した。そこで俺は思い出す。

 

俺はバックから一つのペンダントを出す。六芒星をかたどったものだ。

 

「これ、俺からのプレゼントです。試作品ですけど」

 

「え? これは・・・?」

 

「ある意味魔法補助具ですね。CADとは違いますが。

六芒星には『霊体と肉体の結合』という意味もあります。

これはその意味を強めたものです。先輩の『梓弓』が強化されるみたいなものです。

精神干渉系魔法は肉体から情報次元の精神、霊体に繋ぎますからね」

 

「それを一人で作ったんですか⁉」

 

これでもいろいろ刻印術式や象徴(シンボル)について調べて作った。

 

「作ったはいいんですが俺は精神干渉が碌に使えませんから」

 

「はわわ/// ・・・ありがとうございます! 大切にしますね!」

 

これにて今日の予定は終了した・・・のだが、家に帰ると何故か水波に拗ねられた。

 

翌日は会長と委員長に生暖かい視線を浴びせられ、

生徒会室が氷点下になるのを防ぐのに必死だった。

 

 




あーちゃん√、整備完了。
分岐点にてあーちゃん√の選択が可能になりました。

長くなった。いや~、分けようかとも思いましたがいいところがなかったので。
個人的にあーちゃんも気に入っています。
CADに関してちょろすぎるところとか・・・。
昼夜君、梓弓は普通でも充分強いよ・・・強化する必要なんて・・・。
因みに、六芒星にはほかに『火と水の結合』そして、
六芒星を刻んだ指輪、ソロモンの指輪は『“悪魔や精霊を使役する”』と言った所です。
そう言えば魔法科では一年の冬になれば悪魔や精霊みたいなものがやってきますね。
(伏線かもしれない・・・)
昼夜君、実は五十里先輩に時間をもらって刻印魔法を教えてもらったりもしています。
やばい、昼夜君が本当に人間やめそう。成人の日にぶっぱしてる・・・?
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