活動報告を上げるので見てくだされば幸いです。
あの後は問題は起きずに、新人戦の期間に突入した。
いや、問題がない訳ではない。先輩方の予測より点が取れてないと平和なものだが。
そして、ある程度裏の事情も分かった。
今回の九校戦でかなりの金額での賭けが行われている。
そして、三高に妙に規則的に票が集まっていた。
数は一高が多いが、三高はまるでほとんどの名義から同数票入れられていた。
まるで何かが統率を取っているように。
かけるの事態が犯罪だがそこは言っても仕方ない。
もう問題は起こさない。そう決めたから。
それから、深雪が渡辺先輩に代わって本戦のミラージに出ることになった。
深雪の実力なら十分問題ないだろう。優勝も夢じゃない。
俺も自分の作業に戻るとしよう。
「昼夜、CADの調整終わった?」
俺が使わせてもらっている作業車両に雫とエイミィと駿が来た。
この三人は今日のスピード・シューティングに出場する。
「最終調整もばっちりだ。練習通りにやれば予選敗退は確実にないな」
これに対し、女子二人は自信満々と、駿は少し呆れ気味に返事をした。
「それから、アドバイスだ。
もしもスコアが伸び悩んで焦ったら射撃を止めても深呼吸をしろ」
焦って次々とはずれるのでは本末転倒だ。
一度落ち着く時間は
まあ間違いなくこのメンバーは本戦に出場するだろう。
まず始めは雫だ。とは言え予選に一番向いてるのは彼女だから問題ない。
俺はライフル形状のCADを雫に渡す。
「で、トップバッターだけど心配は?」
「ない。出来るなら他のCADの調整もお願いしたいくらい」
「その感想は嬉しい限りだけどね・・・」
ここで俺は抱いていた疑問を一つ聞くことにした。
「なんで雫は達也じゃなくて俺に調整を任せたんだ?」
ハードに制限がある今回なら、達也に任せた方がお得だ。
達也が俺よりもソフトに向いていることは以前話したはずだ。
「特に深い理由はないけど・・・単純にお願いしたかったから・・・?」
何となく誤魔化してるのが分かるが、誤魔化すということは聞かれたくはないだろう。
何より・・・
「それは引き受けて正解だ。達也が大変そうだとかならがっかりだったし。
信用して任せてくれたなら信用分の働きは約束する」
この考えが気に入った。自分が思った通りに動いたなら大きな後悔はないだろう。
「じゃあ、絶対にパーフェクトを取ってくる。そして優勝する」
「いいね、そう言うの大好きだ」
雫はこれに何故か顔を赤くしたが、すぐに落ち着きを取り戻した。
「クレーがフィールドに入った瞬間破裂した⁉」「次々にクレーが・・・!」
「空中に機雷でも仕掛けているのか⁉」
起きてる現象は観衆の言う通りだ。
得点が入るエリアに入ったクレーは次々に砕けていく。
そして最後のクレーが打ち砕かれ・・・。
「文字通り、百発百中か・・・」
本戦ではこうはいかないが、これは自信につながる。
雫の性格なら自信過剰になることはないだろうからまさしく最高の結果だ。
雫はステージから戻ってきた。
「とりあえず予選突破おめでとう。最高の滑り出しだ」
そしてこれは全体的に追い風につながるだろう。
そこにほのかたちがやってくる。
「お疲れ様! すごかったよ雫!」
「ありがとう。みんな昼夜のお陰だよ」
「なーに、俺は雫が戦いやすいように道具を整えただけ。
パーフェクトを取れたのは雫の実力に他ならないよ」
「昼夜は練習の時からそう言うね」
実際、他の選手に同じ芸当ができるかと言うと難しいだろう。
あれ・・・振動魔法『
他の選手がホイホイ出せる魔法じゃない。
正確には発動できても速度や範囲、破壊力は雫に劣る形になるだろう。
「さっきの魔法はインデックスへの登録申請が来るかもって」
「え! インデックスって魔法大全の⁉ 魔法史に名が残っちゃうレベルじゃん⁉」
あー、そういやこういう魔法を見たことがなかったな。
いくつかの魔法式をうまく組み合わせて無駄を省いたくらいだが・・・。
「まあまだ申請段階だ。今から気にしても仕方ない。
それより、次の選手が少し気になるが・・・」
丁度、次の準備が整って新たな選手が入場している。
視線を集めているのは三高の十七夜選手。
雫たちと同じく前評判はかなり高い。
競技が始まった。始めのクレーが振動魔法によって割られる。
その破片が移動魔法によってさらに別のクレーを破壊する。
そして破壊されたクレーの破片が再び次のクレーを破壊する。
「こりゃ凄いな・・・秒に満たない時間で破片とクレー把握と認識を行ってる。
スーパーコンピューター並み・・・いや、下手したらそれ以上だぞ・・・」
「これもインデックス登録並みじゃないかって声が上がってるんですけど・・・」
「あーいやいや、これは無理」
皆の頭上に疑問符が上がる。
「この魔法『
十七夜選手の空間把握能力あっての魔法だから汎用化するのは無理だろうな」
特有の能力を突き詰めた結果、金沢魔法理学研究所のやり方だっけか?
結果はパーフェクト。まあ評判通りと言った所か。
「まあ、だからと言って雫たちが負けるとはみじんも思ってないが・・・
っと、エイミィ、準備しに行くぞ」
エイミィを連れて控室に行く。
「んで、雫にも聞いたが心配事は?」
そう言いつつ、ショットガン形状のCADを渡す。
「流石にあの十七夜選手の見た後だと緊張するよ・・・」
「なに、比べる必要はない。そもそもあの選手とエイミィじゃ
エイミィは自分の得意な分野で闘えばいい。本戦でもそれは変わらない」
「緊張してるのにもう本戦の話するんだね・・・」
「競技始まる前はもっと自信満々だったのになぁ・・・。
まあ深呼吸すれば大丈夫だ。今は目の前のことに集中するんだぞ」
「すぅ・・・はぁー・・・よし!」
深呼吸した後のエイミィの顔はいつも通りだった。
「じゃあ、行ってくる!」
「おう、頑張れよ!」
エイミィに与えた魔法は『
魔法の効果は文字通り、カーディナル・ジョージの不可視の弾丸をアレンジした。
エイミィは狩猟の経験もあるらしいので、ショットガンのようにしたのは正解だった。
結果はパーフェクトには一歩届かなかったもの、充分本戦圏内だ。
「お疲れさん、これなら問題ない。ちゃんと落ち着いてたし最高の結果だ」
「いや~、案外やれるもんだね」
「まあ、エイミィのショットガンへの慣れも大きいけどな」
他の選手じゃこうはいかない。経験も立派な実力だ。
何より、不可視の弾丸を使うことである程度向こうのブレインを動揺させただろう。
これは後々大きく響いてくれると思う。
「じゃあ次の駿の奴を見ないといけないんでな。
雫たちと合流してほのかの競技を見たらどうだ?」
「そうさせてもらうね、ありがとう」
俺は駿に拳銃型CADを渡す。
「お前なら分かってると思うが、お前のルーティンはクイックドロウだ。
クレーが出たらまず行って、撃ちつくしたらもう一回しろ」
「分かってる」
正直、こいつが一番言う事がない。
実戦経験済みで自分の癖も分かってる。逆に何を言えという。
魔法自体は
先に五弾ほど作りそれを撃っていく、
要するに撃ってから作るのじゃルーティンをする余裕はあまりない。
先に弾を全弾を作るからルーティンする余裕が生まれる。
些細な変化だが、少なくともこいつはこの方が余裕があった。
「落ちるはずがないが、しっかりな」
「了解だ」
結果、まさかの全弾命中。パーフェクト。
クレーはランダムに発射されるが、そのタイミングも偶然リロードする余裕があった。
「俺が一番信じられない・・・」
本人もこの様子である。
「まあ、運にも助けられたが運も実力の内。対して・・・」
同じタイミングだった吉祥寺真紅郎は予想よりもスコアが低い。
「動揺するなとは言わないが動揺は隠さないとな」
「それ同じ意味じゃ・・・?」
まあそれでも本戦に出るのは十分なスコアなのだが。
「まあ、うまくいったようで何よりだ。あと、自意識過剰になるなよ?」
「分かってる。春はそれで痛い目見たからな・・・」
これなら問題ない。少なくとも駿は優勝もおかしくないだろう。
女子の方も十分に優勝争いはできる。
「これは本当にもらったかもな」