四葉のもう一人の後継者   作:fallere

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今週で二本投稿すれば・・・閲覧者のみなさも許してくれるはず・・・。

てことで、頑張っていきますよ!



マダカ? マダ解キ放タナイノカ? 飢エテイルノダロウ? 食イ尽シタイノダロウ?

ナゼ縛ル? 俺ヲ封ジテ・・・ナゼ戦ワセナイ? 負ケタクハナイノダロウ?

「そうだな、お前の力だけを貸してもらおう」



九校戦編 二十一節

鋼&駿side

 

「クハハァ! そんなもんかぁ⁉」

 

最早向こうで行われている戦闘はこちらとは比べ物にならなかった。

 

だが、それに視線を向けるほどこちらの戦場も生ぬるくはない。

 

駿は空気弾などを用いて合流させないようにする。

 

鋼は直接の魔法を鎧で無効化、体術で他の攻撃を回避し接近し攻撃する。

 

負けず劣らずと言うには迫力に欠けるが、プロ目線で見れば高次元な戦いであった。

 

互いが上位の者だから起きる拮抗に至っている。

 

確かにこの勝負はエース対決だ。圧倒的なまでのキングが勝負を決める。

 

だが、互いのメンバーがこの二人ずつならそれだけで戦況を変えかねない。

 

それが分かるほどに、同世代でも圧倒的な実力者たちだった。

 

 

 

昼夜side

 

「その程度で俺を負かせるとは、片腹痛いぞ!」

 

「この怪物めッ!」

 

いや、お前も十分怪物だと思いつつ、こいつを仕留める手段を考える。

 

こちらも同じ手段を用いれば仕留められる可能性は高い。

 

だがそれでは意味がない。奴の手をまねて勝ってもその勝利に価値はない。

 

とは言えこれ以上の破壊力はレギュにかかりそうだし、数を増やすのも芸がない。

 

結果、選んだのは停滞であった。要するにじっくりと味わってやると言う事である。

 

「どうした? 態度のわりに攻撃が甘いぞ!」

 

「最悪、俺の方が想子保有量は多いのだから持久戦は俺有利なのを忘れるな?」

 

まあ最悪・・・致命傷にならなければいいだろうし多少本気を出しても大丈夫かもしれん。

 

しかし、持久戦はこちらに有利なのは将輝も理解しているはずだ。

 

なのに一向に仕掛けてくる気配がない。

 

何を企んでいるのかが分からない。仕掛ける緊張を隠す技術も流石でどこに罠があるか。

 

(そうなると勝手が変わってくるか・・・)

 

下手な罠の介入を防ぐには最速で仕留めるに限るが、

しつこいが互いの防御技術がレギュを上回っていて決定打を出す事が出来ないのだ。

 

そこでうまくダメージを出す方法を考えていたが、違和感に気づく。

 

視界に白い靄、否、霧が発生している。

 

いや当然だ。水を気化させているなら霧は発生するだろう。

 

だから気に留めなかった。

 

戦闘に支障の出るほど濃くはないし停滞を破る手段が最優先だと考えたからだ。

 

そう、害のないほどで戦闘上自然発生するものだから気づかなかった。

 

それが罠であることに。その攻撃事態が布石であることに。

 

 

 

将輝side

 

着々と準備は整っている。見ている限りではまだ昼夜は気づいていない。

 

あいつなら気づいていないふりをしている可能性もなくはないが、その時はその時だ。

 

少しずつ、氷内部の水に二酸化炭素を混ぜていく。

 

自然と霧に二酸化炭素が混じり始める。未だに感づいた気配はない。

 

霧にはすでに十分な二酸化炭素が混じっていた。

 

頃合いである。これ以上は昼夜に気づかれる恐れがあった。

 

昼夜が先ほどの試合で見せた手ではあるが、仕込みはうまくいったらしい。

 

ダミーとしていくつものドライブリザード、そして偏倚解放を発生する。

 

流石にこれには驚いたようで、対処のために奴の判断が数瞬遅れる。

 

それを逃がすほど、一条将輝は甘くない。

 

 

 

昼夜side

 

(チッ! 無理矢理数を増やして仕留める気か!?)

 

数も力を量る値の一つだ。だが、それもこちらが上回っているわけだ。

 

全てを一瞬のうちに弾き返す。だが、その直後の魔法には反応しきれなかった。

 

『スパーク』、それだけではただの電撃で性質上方向性もあるので防ぐのは容易である。

 

だが、そこで気づいた。霧には二酸化炭素が混じり非常に電気を通しやすくなっている。

 

それに加え、霧をこちらに収束し俺だけを確実に仕留めに来ていた。

 

「成程、これは一本取られたか・・・」

 

実にいい腕である。才能も言わずもがな、努力に執念、何より意思。

 

間違いなく同世代でトップクラスで俺のライバルを名乗る者としてとしてふさわしい。

 

自分の中で鳴る鼓動は、この敗北を否定していた。まだレギュ内で上があるわけだ。

 

その鼓動に答える。俺の前に勝てるものはあってはならない。

 

「力だけは貸してもらおう。『試作~貪狼の毛皮~(ヴォルド・ネメア・レプリカ)』」

 

 

 

観客side

 

歓声が上がった。今までの試合で四葉昼夜に反撃を食らわせたものはいなかったのだ。

 

そしてこの一撃は間違いなく、四葉昼夜に当たっていることを誰もが確信した。

 

そう、一高生徒を含む誰もが・・・。

 

「嘘ッ!」

 

誰が言ったか、少なくともその驚きに否定する声もない。

 

その驚きすらも、誰もが同感していた。誰もがその結果を気にしていた。

 

収束された霧が薄れていく。観客だけに限らず、選手までもがそこを見ていた。

 

霧の跡地には・・・誰も存在しなかった。

 

再び驚きの声が上がる。だれもが四葉昼夜の所在を疑問に思った。

 

その答えは、すぐに帰ってきた。

 

「後ろだッ!」

 

 

 

昼夜side

 

地中から将輝の後ろに回り込んでいた。

 

「『試作~貪狼の猛爪~(ヴォルド・ガルム・レプリカ)』ッ!」

 

腕に纏った想子による手甲は、将輝の情報強化にぶつかり弾き飛ばした。

 

現れた俺の見た目は白と黒の毛で彩られた狼の皮を被っているように見えるかもしれない。

 

「全方位に加え上空まで警戒したのは流石だが、地下は予想外だったみたいだな」

 

「く・・・ッ!」

 

以外にもまだ意識はあるようだ。今のでノックアウトかと思ったのだが。

 

「いやはや流石だ・・・俺もこれを使うとは思っていなかった」

 

「くそッ! やっぱりお前は怪物だ・・・!」

 

「安心していい。その怪物が、お前も怪物と認めてやったんだからな」

 

 

 

鋼side

 

「お、おい・・・あれは一体何なんだ?」

 

駿の質問だ。恐らく、みた限り形状が一番近い僕に尋ねたのだろう。

 

だが、僕の答えは・・・。

 

「分からない・・・。少なくとも僕の鎧とは全然違う」

 

そう思った理由は分からないけど、形状だけでも類似したものを使う故の勘かもしれない。

 

最早こちらの誰もが戦闘を忘れていた。だれも、何も言えなかった。

 

 

 

昼夜side

 

「お前はよくやった。誇ると良い、この四葉昼夜が認めてやる。

 この世代で俺の次に強いのは間違いなくお前だ」

 

「くそォッ!」

 

爪で腹を殴り、将輝の意識を吹き飛ばした。

 

「さてジョージ、まだやるかね?」

 

相手の参謀である吉祥寺に尋ねる。

 

「将輝は降伏しなかった。だから僕も最後まで戦う」

 

「とても賢い選択とは言えんが・・・どうせならそこの君も楽しませたまえ」

 

蹂躙であった。味方さえも何も言わずに、出来ずに立っていた。

 

それを臆病と言うものはいない。勝者は四葉昼夜ただ一人であった。

 

少年は言う。自分の最大限で暴れられて最高の試合であったと。

 

連れの二人は言う。最後は味方と言う事も忘れ身構えてしまっていたと。

 

誰も否定するものはいない。彼は最恐であり最凶であると。

 

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