鉛色の巨人になったが、楽しんでいこうと思います!   作:バサカバサカ!

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結構評価いただけて嬉しいです!
カメ更新ですが、今回の話も楽しんでもらえると嬉しいです!


本日のお仕事

 冒険家業もいいけど、町の為に何かすることで仲良くなろう作戦!を実行する事になった。

 特に俺は会話ができないので、町のみんなの好感度を上げておこうと言うクリスの助言である。

 

「というわけで、今日はアクセルの町の為に出来ることをやっていこう!」

「■■■■!」

 オー!とばかりに声を上げて、手を突き上げる。

 室内でやったら天井が突き抜けるが、今は屋外だから問題ない!

 

「いい返事だね! それじゃ、クエストみにいこっか!」

 俺はクリスに頷いて、クエスト掲示板へと歩み寄る。

 今はクエストを見ている人たちがいるので、大人しくその後ろに座って待つ。

 

 座って待っているのは、俺が大きすぎて座るなりしゃがむなりしないと依頼が見えないから仕方ないのだ。

 少し待っていると、ふと前にいたパーティの女の子と目が合った。

「ひっ!?」

「ん? どうしたリーン……うおっ!? デカッ!?」

「「なにが、ってデカッ!? こわっ!!」」

 まぁ、ヘラクレスが後ろで胡坐かいて見てたら怖いよね。

 

 とりあえず、怖くないよと意思表示をするために、笑みを浮かべてサムズアップする。

「「「お、おう」」」「う、うん」

 四人とも呆けた顔で同じようにサムズアップしてくれた。

 やはり笑顔は万国共通のコミュニケーション手段なのだ。

 

「な、なんか見た目と行動のイメージが違う……」

「あぁ、と言うかこいつ……いや、彼は人間なのか?」

「巨人族なんて聞いた事ねーぞ」

「……でかい上に凄い筋肉だな。座ってるのに、俺達よりでかいぞ」

 四人でこそこそと話しているが、全部聞こえてますよー。

 ヘラクレスは耳も良いようだ。

 

 とりあえず、退屈なので俺の後ろにいたクリスを鷲掴み!

「わっ!? いきなりなにするのさ?」

 しかしクリスってちっちゃいな。

 掌で腰を掴めるぞ、もっと食うべきだろ。

 いや、ヘラクレスの手がでかいのか?

 凜も鷲掴みにしてたし。

 そんなことを思いながら、クリスを肩に乗せた。

 可愛い子を乗せておけば、きっと怖がられることはないはずだ。

 

「……ねぇ、恥ずかしいんだけど」

「■■■■」

 声を上げて、サムズアップする。

「君、とにかくサムズアップしとけば良いとか思ってそうだよね」

 クリスの言葉に笑みを浮かべる。

「笑っても誤魔化されないよ! っていうか、おろして!」

「…………」

「じゃあ自分で降りる」

 させません。

 がしっと足を掴む。

 

「……」

「……」

 無言だが視線が言っている!

 今直ぐこの手を離しておろせと!

 だぁが、断るぅ!

 クリスが言っていた仲良くなるための第一歩だ!

 と言う訳で諦メロン!

「……ねぇ、手を離して?」

 うーん、何を言ってるかわかんないなぁ。

「聞こえないふりするなーー!! さっきまで普通に反応してたじゃん!」

 

 再び笑みを浮かべてサムズアップ!

「だからそれじゃ誤魔化されないから!!」

 

「……なんか、凄く楽しそう……私も乗っていいかな」

「リーン!? 正気かお前!?」

 

 お、良かったじゃん、クリス。

 仲間が増えたぜ!

 俺の方へお一人様ご招待!

「なに笑ってるの……って、ちょっとまって!!」

「ふえ!? ちょっ!?」

「あー……これ、聞かれてたな」

「おおおおおう! テテテテメェ!! デカデカイからってちょ、調子のるんんんやねぇぞ!!」

「ビビりまくりじゃねぇか」

 

 リーンと呼ばれている女の子を、クリスと同じように……鷲掴みは……初対面だし可哀想だから、ちょっと丁寧に抱き上げて肩に座らせた。

「……ねぇ、あたしとその子の扱い方が大分違ったことについて聞きたいんだけど」

 右肩でクリスが何か言ってるが、まずは固まってるリーンと言う子に顔を向けて、笑顔でサムズアップ。

 両肩に花だぜ!

「あ、うん」

 同じようにポケッとしてたものの、同じようにサムズアップを返してくれた。

 うんうん、ノリがいい子だね!

 クリスももう少しノった方が良いと思うぜ!

 あと今気が付いたんだけど、リーンって子尻尾生えてる!!

 クリスにも生えないかな!?

 その辺の猫と合体したら生えないかな!?

 異世界なら合体もありっしょ!?

 

 そう思ってクリスを見ると、頭をバシバシと叩かれた。

 全く痛くない。

「君は今何考えた!? ねぇ! 今とっても失礼なこと考えたでしょ!?」

「フフフ、凄く仲がいいのね。貴方達」

 お、そう見える?

 そうだと嬉しいぜ!

 なにせ俺はクリスの事大事な友達だと思ってるからな!

 だが、それを直接言われると照れるってもんだぜお嬢さん!

 

「■■■」

「ちょ! 右手で頭を掻こうとするな!」

 おっと、ついつい。

 ごめんねクリス!

 

「……俺達空気じゃね?」

「「言うな」」

 

 

 しばらくじゃれてたら、ルナさんに掲示板の前で遊ばないって怒られたので、解散となった。

「じゃーな、巨人」

「よかったら今度一緒に依頼受けようぜ」

「喋れないけど、面白い奴だなお前」

「バイバイ」

 なんだかんだで楽しかったらしく、四人とも笑いながら声を掛けてくれた。

 

「迷惑かけて悪かったね」

「■■■■」

 クリスは苦笑しながら、俺は声を上げて笑顔でサムズアップした。

 そしたら、四人は笑いながら俺にサムズアップを返してくれた。

 なんだかすごく嬉しくなるね!

 この調子でサムズアップが流行ると面白いな!

 そんなことを考えながら依頼を持って受付へと向かう四人を見送った。

 

「さて、色々と言いたいことがあるけど……」

 ジロリと俺を見るクリスに何か悪いことしただろうかと首を傾げた。

 すると、クリスは呆れたように溜息をついた。

「もういいや、さ、あたしたちも依頼探さないと」

「■■■■」

 

 未だに肩に乗せられているクリスをそのままに依頼をみる。

「……あたしが見えないんだけど」

 確かに……仕方ないので、太腿の上に移動させた。

「…………■■■■?」

 これでいいでしょ?

「あ、うん。そうだね、おろすっていう選択肢はなかったんだね」

 何やら諦めた表情で、依頼に目を向けるクリスに何が悪かったのだろうかと首を傾げた。

 

「なんか、君ならあたしの助けがなくてもやっていける気がするよ」

 まぁ、やっていけるだろうけど、せっかく仲良くなったのにそれは嫌だ!

 俺はクリスと離れたくないぜ!

 と言う事はサムズアップだけでは誤解させかねないので、クリスを掴んでいる手に少しだけ力を込めた。

 俺はお前を手放さないぜ!的な。

「? どうかした?」

 どうやら俺の意思は通じなかったようだ。

 っていうか、首を横に振ればいいじゃないか!

 

 やっていけないって感じになるけど、それでも一緒が良いからね!

 と言う訳で首を横に振った。

「そう? ほら、しっかりと依頼探さないと!」

 あれ、なんか話が終わった。

 何故に?

 

 少し考えて、思わず頭を押さえた。

 俺、頭までバーサーカーになってるんだろうか。

 どうかした?の後に首を横に振れば、何でもないよってことになるじゃん!

「さっきからどうしたのさ? もしかして具合が悪い? 今日はクエストやめとく?」

「■■■■」

 俺はクリスの言葉に首を横に振った。

 すぎたことはもういいや。

 思考までバーサーカー仕様になるかはわかんないけど、少なくとも普通に考えれてる、今回はうっかりしただけだな!

 

「それなら、ほら、これなんてどうかな?」

 クリスが見せてくれたのは、土木作業の手伝い。

 これならヘラクレスのステータスをがっつりと利用できるな!

「よし、それじゃあこれにしようか!」

 俺は頷いて、クリスを再び肩へ移動させて、梁に頭をぶつけない様に移動した。

「……もしかして、乗せて歩くの楽しくなった?」

 俺はクリスの言葉に笑顔でサムズアップした。

 

 

 と言う訳でやってきた建設現場で、俺はひたすらに資材を運んで積み上げていた。

 身長がかなり高いし、力もあるから二軒屋の屋根以外なら一人で組み立てれるな!

「大きな体だと都合がいいだろうと思ったけど、これは予想外……なんか、あたしがあまり働いてないみたいになってきた……」

 クリスが何やら項垂れている。

 もしかして疲れたのだろうか?

 周りを見渡すと、俺が組み立てた梁の上を歩く大工が。

 あれならクリスも軽々とできそうだ。

 

 クリスの傍に行って、肩を叩いた。

「うん? どうしたの? あ、ちょっと!!」

 クリスが運んでいた資材を奪って、資材を指さして、自分の胸をどんと叩いた。

「任せろって事?」

 その言葉にうんうんと頷いた。

「そしたらあたしはどうするのさ?」

 俺は即座に大工を指さした。

 

「……なるほど、確かに身軽に動くならあっちが良いかも?」

 少し考えてから、クリスは頷いた。

「ちょっと親方と話してくるよ。大丈夫だと思うけど、君も資材で怪我しないよう気を付けてね?」

「■■■■」

 今こそこの時!

 俺は笑顔でサムズアップした!

 そんな俺がおかしかったのか、クリスはカラカラと笑った。

「うん、じゃあいってくるよ」

 そう言いながらクリスは、笑顔で俺にサムズアップしてくれた!

 

 うんうん、良いね!

 広がれサムズアップの輪!

 

 

 そんなこんなで一日の仕事が終わったので、酒場にて打ち上げである。

 皆は椅子に座って、俺は地面に座って乾杯である。

「ハッハッハッハ! まさか一日で基礎工事がほとんど終わるとは思わなかったぞ! やるなぁ巨人の兄ちゃん!」

「ホントすげえよな! 俺達が何日もかけて運ぶ資材もあっという間に運んじまったし! っていうか、馬車いらずってすげえな!」

「工事が早く終われば、その分休みが増えるぞお前ら! 巨人の兄ちゃんに感謝しとけ!」

「うおおお!! 巨人の兄ちゃんありがとよ!!」

「巨人の兄ちゃん! 明日も頼めるか!?」

「今日は俺が奢るぜ! だから明日も来いよ!」

 

 俺、大人気!!

 これはクリスの言う最初の目的は達成できたんじゃないかね!?

 笑みを浮かべながらクリスを振り返ると、膝を抱えて影を背負ってた。

「……あたしもがんばったんだけどなぁ……」

 クリスには感謝してるよ!

 クリスのお蔭でこうして親方たちと仲良くなれたからね!

 だからとりあえず元気出せ!

 謎の飲み物シュワシュワを差し出して、サムズアップした。

「……うん」

 相変わらず元気がないが、小さく微笑んで俺からシュワシュワを受け取ってチビチビと飲み始めた。

 

 なんか元気ないので、クリスを掴んで太腿に乗せた。

 俺は親方たちを見て、クリスを指さした。

 親方たちは笑顔でサムズアップして、任せろとばかりに自分の胸を叩いた。

「そこの坊主も細いのによく頑張ったな!」

「身軽だし、高所の作業も早かったな! 流石巨人の兄ちゃんの仲間だな!」 

「いやいや、力も中々あったぞ? 流石冒険者だな!」

 

 ……あれ?

 親方たちクリスの事、男と思ってる?

 クリスを見るとプルプルと震えてた。

 若干涙目だ。

 確かに、クリスの胸はささやかだけど、顔は美少女じゃん。

 

 親方たち……女の価値は胸の大きさじゃないんだよ!!

 

 仲間が誤解されるのは納得いかない。

 なので、力をかなり抑えて全員の頭を小突いた。

「いて!? なにすんだよ、巨人の兄ちゃん」

 俺は親方たちに向かって腕を組んで、不満を訴えるポーズをした。

「ん? なんだよ?」

 どうやらわからないようなので、クリスを抱き上げて目の前に突き出す。

「ちょっ!? な、なに!? なんなのさ!?」

 クリスが慌てるが、これだけ近くで見れば親方たちだって気付くだろう。

 

「なんなんだよ……?」

 わからなかったらしい。

 この世界は貧乳に厳しいのだろうか?

 仕方ないので、最終手段でクリスの胸を指さした。

「ちょ!? な、なにするつもり!?」

 クリスは胸を触られると思ったのか、胸を隠した。

 失礼な!

 許可もなく胸を触るようなことなんてせんわ!

 許可があったら触るけどね!

 俺も男だし!

 

 そんなことを思いつつも、これならわかるだろ!

「なんだ坊主、男のくせになに恥ずかしがって……?」

 親方の言葉に俺は即座に首を横に振った。

 

「あ、い、良いから! な、慣れてるから大丈夫だよ!?」

 クリスはどうやら俺が何を訴えているかわかったらしく、気にしない様に言ってきた。

 が、さっきも思ったが俺としては、友人が誤解されたままなのは許せん。

 ……いや、むしろ勘違いされるくらいの貧乳を認識させる方が酷いのだろうか?

 

 だがしかし、もうすでに遅い。

 親方は目を見開いて、驚愕を露わにしていた。

「ぼ、坊主……いや、お前は……女、なのか?」

「「「え”!?」」」

 クリスの顔を見ると、顔を赤くして涙目になってた。

 

 ……あれ、やっぱりこれって公開処刑?

 よくよく考えれば、女のセックスアピールって胸だよね。

 これが男なら公共の場で、こいつの短〇なんだぜ!って暴露してるもんだよね?

 

 ……俺ってこんなデリカシーなかったか!?

 マジで脳みそまでバーサーカー化してねぇか!?

 と、とにかく今はここから離れることが先決だ!

 

 クリスの手にあるジョッキをテーブルに置いて、クリスを抱き上げて酒場から逃げ出した。

 

 猛ダッシュで馬小屋まで逃げてきて、現在の俺はクリスに頭を下げてる。

 ヘラクレスの姿で土下座って……と思わないでもないが、女性を辱めたのだ。

 むしろこれでは足りないくらいである。

 焼き土下座くらいはしないといけないかもしれない。

 

 そんなことを考えていると、クリスのため息が聞こえた。

「もういいよ……ほら、頭をあげて」

 クリスの言葉に恐る恐ると顔を上げてクリスを見下ろすと、何故か慈愛に満ちた目で俺を見ていた。

 

「あたしが男と間違われてる事が許せなかったんだよね?」

「……■■■」

 正座したままで頷いた。

「もうちょっと別の方法があるでしょって思いもしたけど……まぁ、嬉しかったから、今回だけ許してあげる」

 今回だけだからねといって笑みを浮かべるクリスに、息をついた。

「次からは自分で言うから、君は気にしなくていいからね?」

 クリスの言葉に頷く。

 

 いや、ほんとすいませんでした!

 やっぱり思考鈍ってきてんのかなぁ……?

 グヌヌヌ、バカになってます!

 大至急俺の知力をブーストして!

 

「じゃ、明日もう一回土木作業手伝おうね」

「■■■■」

 ……知力も大事だけど、明日の事がもっと大事だよね!

 クリスの言葉に頷いていると、クゥという小さな音が聞こえた。

 クリスを見ると、おなかを抑えて顔を赤くしている。

 そういえば、しっかりと食べる前に出てきちゃったな。

 

 まぁ、聞こえてしまったものは仕方ない。

 酒場に戻って飯を食おう。

「えっ?」

 ひょいとクリスを持ち上げて、肩に乗せる。

 いざ、酒場へ!

「ま、まって! もしかして酒場に戻るつもり!? あんなことがあった後で!? ま、まって! 他の所!! 他の所いこう!! ねぇちょっと!? 聞いてる!? ねぇってばーーー!!!」

 

 やっぱりクリスといると凄く楽しいぜ!!

 




クリスもリーンも可愛い!
野郎ども?論外だろ。
いや、好きですけどねw

これからもこんな感じの話になる予定
そろそろダクネスを出さねば……
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