東方現幻夢   作:カミユ

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今回は幽香戦です
蓮舞「そうか」
やはりあんただったか
蓮舞「今回は幽香とかいうやつと戦うのか?」
そうです
蓮舞「一緒に言うぞ」
了解了解
蓮舞&カミユ「本編へどうぞ!」


第18話 vs四季のフラワーマスター

 Side 霊夢

 

「う〜ん………何か忘れているような………?」

 

 夢華と弾幕ごっこをやって引き分けた後から頭に何かが引っかかって取れない感覚に見舞われていた

 

「あの夢華の動き、どこかで見たことがある…の?」

 

 と、その時私がう〜ん、う〜んとお茶を飲みながら唸っていると目の前にスキマざ現れ、夢華の監視などを行なっている紫が出て来た

 

「どうしたのかしら?」

「紫?それが、前の夢華と弾幕ごっこの時に夢華の動きを幻想郷以外で前に見たことがあるような気がして…」

「幻想郷以外だと、霊夢が外の世界で博麗の巫女の修行をやっていた時になるわね」

「そうなんだけど、幻想郷に来る少し前の記憶が少し無くなっているような気がするのよ」

 

 霊歌のことも覚えているし。私の言葉を聞いた後、紫は扇子を口に当て、「まさかそこまで…」と、小さな声で言った。バッチリ聞こえている

 

「で、紫には心当たりあるの?」

「あるわよ」

 

 即答で返答が返って来た。

 

「霊夢はその記憶のことをどう考えているの?」

「思い出せるなら思い出したいわね。でも自分で言うのもなんだけど私、記憶力いいわよ」

「そうね。たしかに霊夢は記憶力いいわよね。じゃあもしも誰かに記憶を忘れさせられたら?」

「それは無いはずよ」

 

 私の能力は【空を飛ぶ程度の能力】。空を飛ぶ以外にも、何事にも縛られない。重力にも重圧も私には意味がない。つまり能力の干渉などは基本的には受けないはず…

 

「今から大体30年くらい前だったかしら。幻想郷に魅魔と同等以上の魔法使いがいたわ」

「あの魅魔と!?」

「そう。でもまだ13歳の少女が。少女の成長は早く、16歳になってからは先代の博麗の巫女と同じくらいまで強くなったわ」

 

 そこまで聞いて私は絶句した。先代の博麗の巫女は私よりも強い。その人と同じくらい…

 

「でもその少女は今は幻想郷に居ないわ」

「外の世界に行った、でしょ?」

「そうよ」

 

 なんとなくわかってきた。ということは夢華は…

 

「どうやら夢華と幽香が戦うみたいよ」

「それは弾幕ごっこじゃないわよね?」

「みたいね」

「私にも観せなさい。それで思い出すかもしれないわ」

「幽香も同じ理由みたいね」

 

 目の前のスキマを覗くと広い場所で夢華と幽香が十メートルの間隔で立っている。巻き込まれない位置にメディスンも居る

 

「もしかしたら夢華の本気も観れるかもね」

「その場合は私達も参戦するわよ」

「わかっているわよ」

 

 忘れた記憶を思い出すために夢華の一挙手一投足を見逃さずに集中しながら二人の戦闘を観る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 ここは幽香さんについて行き、広い場所に移動した。

 

「ここなら多少、本気で戦っても人里にも花たちにも被害は及ばないわ」

「そうですか。では、もう一度勝負内容を確認しましょう。

 1、今からやるのは弾幕ごっこではなく…………弾幕ごっこ以上、殺し合い未満

 2、ここまでならどんな手段を使っても良い

 3、周りに被害を出してはいけない

 4、絶対に殺してはいけない

 で、いいですか?」

「良いわよ。でも、3の周りに被害は出してはいけないのところでスキマから覗いている人達は対象外で良いかしら?」

「問題ないでしょう」

(どさくさに紛れてやろうかしら)

(と思っているんだろうな〜)

 

 幽香さんの思っていることがなんとなくわかってしまった。まだ二時間くらいしか話したことがないのに…それに紫さんと霊夢がスキマから覗いている事に気付いてたんだ

 

「じゃあやりましょうか」

「出来るだけ早く終わらせましょう」

 

 幽香さんは傘を構え、僕は魔導書の火のページを開いたまま中に浮かす

 

「行くわよ!」「行きます!」

 

 魔法で『炎の妖刀(レッドソード)』を右手に出す。と、同時に地面を蹴り駆け出す。幽香さんは少し早く接近する

 

「はっ!」

「くっ…」

 

 幽香さんは傘を思いっきり振り下ろす。それを刀で受け流す。でも僕は刀に長けているわけではないから見様見真似なんだけどね

 

「貴方刀使えるのね」

「特撮の見様見真似ですけど…ね!」

 

 刀を地面に刺す。すると、地面から僕を巻き込まれないように火の渦が発生する

 

「あら。熱いじゃないの」

「逃げ足速いですね」

 

 幽香さんは刀を地面に刺した時に離れていた。さて、どうしようかな

 

(刀は僕…というか絢斗君達にも出来ないし、見様見真似だと妖夢ちゃんよりも下手だし…素手は文字通り骨が折れるし)

「そちらからどうぞ?」

「ならお言葉に甘えて…」

 

 また全力で駆け出す。刀を両手に持ち

 

「僕の必殺技パート1!」

 

 そのままモモタロスみたいに幽香さんの近くまで行って思いっきり横に振るう。

 

「それが必殺技?」

「ふざけている時の、が前につきますけどね」

 

 ガンッと傘が刀を止めた音が鳴る。

 

「戦闘中にふざける余裕があるなんてね」

「ハハハ…ふざけるだけの余裕って必要だと思いますよ?」

「貴方いつか死ぬわよ?」

「それが今、なんて事にはなりませんよね?」

「それは貴方次第かしら?」

 

 その言葉と共に距離を取り、刀を消し、雷のページにする

 

「雷魔法 サンダーグローブ」

 

 両手に雷を纏う。バチバチ聞こえる

 

「貴方の魔法の種類はどれくらいあるのかしら?」

「火と、水と、氷と、風と、雷と、治癒だから六種類ですね」

「そんな簡単に言って良いの?」

「良いですよ。隠すようなものでもな…あ、いつもの癖で言っちゃった」

 

 この事は蓮舞君に止められていたのに言っちゃった。……過ぎた事はどうしようもない。集中しよう

 両手の雷を球体の形にして幽香さんの周りに10個展開する。

 

「これは?」

「何でしょうね?」

 

 10個の雷の球体から細い糸みたいな物が球体に伸び、繋がる

 

「これは…」

 

 幽香さんは周りを一通り見る。けど…

 

「死なない程度に威力を下げておきますよ〜 雷魔法 雷の包囲網」

 

 バチバチッと細い糸に雷を流した音と共に雷の弾幕が幽香さんに向かっていく

 

「甘いわよ!」

 

 幽香さんは弾幕で雷の弾幕を全て相殺する。マジか〜今のを相殺するのか〜

 

「今のは威力だけ高くてスピードはそこそこね。これだったらまだ魔理沙の方が強いわよ」

「まだ弾幕には慣れてないんですよ〜」

 

 弾幕がなかなか慣れない…

 

「弾幕はこうやるのよ!」

「!衝撃吸収!」

 

 幽香さんが高威力の弾幕を大量に放つ。咄嗟に能力を使って魔法陣で防ぐ。衝撃は魔法陣に、弾幕は魔法陣で相殺。その結果全てを防いだが、魔法陣が今すぐに砕けそうになっている。これをまともにくらったら粉砕コース待ったなしですな

 

「どうやらその魔法陣に衝撃だけが残っているようね」

「ですよ〜」

「でも、少しでもそれで防いだら砕けそうね」

 

 そこまで分かるのか…これはまだ使い道があるから今壊されないようにしないと…

 

「来ないならこっちから!」

「速い…」

 

 幽香さんは傘を真横に振るう。

 

「ハンドル剣!」

 

 魔法陣から取り出したドライブで使うハンドル剣で受け止める。形としては剣に車のハンドルが付いているものだ。

 

「面白いものを使うわね」

「僕もそう思います。身体強化」

 

 能力で身体を強化し、ハンドル剣を振るい、幽香さんを遠くに飛ばす

 

「まだまだ!」

 

 ハンドルをきり、ものすごい速さで幽香さんを追い、空中にいる時に攻撃する。因みにハンドル剣から『ターン!』というベルトさんの音声付き

 

「はあ!」

 

 後方に飛んでいる幽香さんは弾幕で迎撃しようとするがさらにハンドルをきり、回避しながら斬りあげる

 

「く…」

 

 斬りあげられた幽香さんは空中に止まる。けど、ここで追い討ちをしない僕ではない

 

「瞬間移動」

「なっ!」

 

 瞬間移動で幽香さんの後ろに移動。ハンドル剣は魔法陣に入れておいた

 

「セット!」

 

 さっきの弾幕の衝撃が破裂寸前の魔法陣を驚いている幽香さんの背中にセット

 

「させない!」

 

 僕が何をしようとするのかを察したのかそのままの状態で傘を振り回す。が、傘が届く前にこっちが早かった

 

「衝撃解放!」

 

 能力で破裂寸前の魔法陣の衝撃が幽香さんの背中にダイレクトアタック!そのまま地面まで急降下した。ズドーン!という音と共に砂埃が舞い上がる

 

「死んでないよね?」

 

 当たったら粉砕コースの衝撃をまともにくらったら妖怪でも死ぬかも…と、思ったけど霊夢と紫さんが動いてないから大丈夫なのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

 今の戦闘をスキマを覗きながら観ていた

 

「幽香相手にふざけるだけの余裕があるなんてね」

「全くよ。ちゃんとやらないと死ぬわよ…」

 

 紫は笑い、私は呆れる

 

「幽香の弾幕は遊びじゃなくて殺し合いの威力なんだけど」

「まあそれだけ夢華が強いということよ」

 

 確かに夢華は強いけど、本気でやらないと今からは幽香が優勢になってしまう

 

「何か思い出せそう?」

「ええ大体思い出したわ」

「そう。夢華は思い出すかしらね?」

「それは無いと思うわよ。自然にはね」

 

 これは私の勘だけどね

 

「さあ夢華は本気の幽香相手にどうするのかしらね?」

「命に関わるレベルになったら止めるわよ」

「分かってるわよ」

 

 命に関わるレベルになるのは多分幽香だと思うけどね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 うーん…本当に大丈夫かな?永遠亭に連れて行った方がいいんじゃないかな?

 

「あははははは!!!」

「え?なになになに!?一体どうし…うわっと!」

 

  晴れない砂煙の中から幽香さんの笑い声と共に大量の高威力の弾幕が視界を埋めて飛んで来る

 

「炎・氷魔法 氷炭灰冷図!炎魔法 爆炎ガトリング!氷炎 炎と氷の弾幕網!」

 

 魔法とスペカを同時に使う。弾幕網で後から来る弾幕を(すぐに破壊されるだろうけど)止める。今来る弾幕を氷塊と炎球の連打、大量の炎型の弾幕で対応。

 

「これはふざけられないーーーー!」

 

 大量の弾幕で対応しても、弾幕網を突破した弾幕が多すぎる。これはもうふざける余裕が無くなってきた

 

「だったら!雷魔法 雷鳴の鉄槌!」

 

 両手に巨大な雷の小槌を出し、振り落とす

 

「ググググギギ………そりゃああああ!!!」

 

 力任せで全ての弾幕を相殺する。今のでかなりの魔力を使った。これで勝てるかな?

 

「貴方面白いわ!最高よ!こんなに楽しいのはアイツ以来よ!」

 

 アイツ?誰だろ?…と思っていると地面から一気に僕のところまで跳躍する

 

「はあ!」

「うわっ……ゲホッ」

 

 跳躍し、僕の所まで一瞬で来ると傘を横に振るう。それをしゃがんで回避。その後傘を振り上げ、顎にもろにくらう。そのまま宙に浮く。これはマズイ!本当にマズイ!ディモールトマズイ!このままだと冗談抜きで死ぬ!幽香さん絶対に勝負内容の4を忘れてるよね?

 

「まだまだまだ!」

 

 宙に浮いている僕を地面に叩きつけるように傘を上から下に振るう。咄嗟に魔力をまともに纏わせていない両手をクロスにして、傘での攻撃を防御する。魔力をほとんど纏っていない両手から当然のごとくメキメキメキ!と聞きたくない音が鳴る

 

「ガッゴッグ…ゲホゲホッ!痛…腕は……折れてないね」

 

 背中から地面に叩きつけられ、バウンドしてからゴロゴロと転がる。すぐに立ち上がり両腕を動かし、手をグーパーグーパー動かしてちゃんと動くことを確かめる

 

「隙あり!」

 

 空中から幽香さんが猛スピードで接近して来る。そのまま傘を振り落とす。

 

「グッ…」

 

 さっきと違い、魔力を多く纏わせた右手で傘を受け止める。治癒魔法を使ってないから正直な話骨が大変なことになりそうだ

 

「へぇまだやるのね」

「まだ負けてないので…ね!」

 

 傘を掴みながら幽香さんのお腹に蹴りを入れる。距離を取る。

 

「さて、終わらせますよ。『炎の妖刀(レッドソード)』&『氷の聖剣(ブルーブレイド)』!」

 

 右手に妖刀を、左手で聖剣を持ち、構える。

 

「超速移動」

 

 小さく呟き能力を使う。呟くと、幽香さんの目の前まで移動する。幽香さんは全く反応しない。正確にはものすごくゆっくり動いている。ぶっちゃけアクセルモード状態。すぐに傘を弾き飛ばす。

 

「剣戟乱舞。氷炎 氷炎乱舞」

 

 僕の剣の腕はからっきし。だから能力の剣戟乱舞で乱舞の時だけうまく立ち回れるようにする

 

「はあああああああああ!」

 

 超速移動(アクセルモード)ができる時間は約10秒。その10秒の間に出来るだけ斬る。一応スペカを使っているので血しぶきが舞っていることはない。痣はできると思うけど

 

「10秒!」

 

 10秒後、時間切れになる。と、同時に時間の流れが元に戻る。

 

「グハッ…え?速すぎる」

「ジ・エンド!破砲 破壊光線!」

 

 幽香さんからしたら一瞬のうちにたくさん攻撃されたから驚愕しているだろうね。だから今のこの隙にレーザーを叩き込む!

 

「傘は…」

 

 傘を求めて手を動かすが意味も無くレーザーをくらい吹き飛ぶ

 

「ふう…弾幕ごっこようだし死んではないはず…けど治療くらいは…」

 

 言っていると魔力の使いすぎなのか足の骨に異常があるのか、はたまた能力の使いすぎなのか、バランスを崩して倒れこみそうになる

 

「夢華!」

 

 遠くから観ていたメディスンちゃんが倒れそうになる僕を支える

 

「ありがとう。メディスンちゃん。できればそのまま幽香さんの所まで連れて行ってくれると助かるんだけど」

「それよりも夢華の方が治療しないと!骨まで響いていたでしょ!」

「ははは…バレてる。こっちは幽香さんと一緒にやるから大丈夫だよ」

 

 そう言うとメディスンちゃんは渋々といった感じで幽香さんの元まで連れて行ってくれる

 幽香さんの治療と僕の治療で約一時間。能力のデメリットはもう無いから自由に動ける。

 

「夢華はもう帰ってもいいと思うよ。幽香は私が診ておくから」

「ん〜じゃあお願いしても良い?」

「うん。任せて!」

「じゃあ幽香さんが目覚めたら 次は戦闘無しで花の話をしましょう って言っておいて」

「了解!じゃあね〜」

「バイバイ」

 

 魔法陣に乗り、守矢神社に帰る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

 夢華が魔法陣に乗って飛んで行ってからすぐにスキマを通り、幽香の所まで行く。

 

「ほら起きてるんでしょ?早くしなさい」

「こっちは怪我人なんだけどね」

 

 そう言って幽香は立ち上がる

 

「彼、面白いわね。また今度相手してもらおうかしら」

「その事なんだけど夢華が 次から戦闘無しで花の話をしましょう って言ってたよ」

「あら?釘を打つのが早いこと」

 

 二人で話している。

 

「話の途中で悪いんだけどさ、なんで幽香は夢華と戦ったの?」

「彼の魔力をどこかで感じたことがあるから戦えば分かると思って」

「ふ〜ん。で、分かったの?」

「えぇちゃんも思い出したわよ」

 

 幽香が笑う。私も幽香のお陰で思い出したから強く言えない

 

「ねぇ幽香。夢華は本気で戦ったと思う?」

「無いわね。彼からしたら本気だろうけれど無意識のうちに力をセーブしているんじゃないかしら」

 

 紫の質問に幽香は淡々と答えて行く

 

「そんな状態でも幽香に勝てると、子は親に似るなんて言うけれど本当にその通りね」

「本当にね。レイアにそっくりだわ」

 

 レイア…名前から女性だろうか。親ということは夢華の母親ね

 

「さて、じゃあ霊夢の話を聞きましょうか」

「霊夢も?」

「えぇ夢華と弾幕ごっこした時から何か頭に引っかかる感覚があってね。それで思い出そうとしているときに紫が来て、スキマからさっきの戦いを観ていたのよ」

「なるほどね。で、ちゃんと思い出したと」

「そうよ」

「何を思い出したの?」

 

 幽香に言われて少し間を置き言う

 

「私と夢華は4歳の時に外の世界で会っているわ」




今回で幻想郷巡りは終了です
蓮舞「名瀬さんがいたのだが…」
気のせいです
蓮舞「次回からは?」
次は幻想郷巡りの反省みたいなものと、用語解説?をやっていこうかと。多分今日か明日くらいにできるかと…
蓮舞「その後は?」
恐らく過去編になると…早めに過去編をやらないと(謎の使命感)
蓮舞「そうか。じゃあな」
さよなら〜
ではまた

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