東方現幻夢   作:カミユ

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今回は夢華が初めて能力を使います
昏御「この話でこの章は終わりなんでしょ?」
そうです
昏御「さて…と私は出番があるまでアップでもしてるよ」
何故?まあいいや。じゃあいっしょに
昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


第23話 暴走

 Side 夢華

 

四字熟語(よっじじゅっくご〜)。辞書はどっこかな〜?」

 

 今僕は書斎で四字熟語の辞書を探している。きっかけは外から聞こえたおじいさんがなんか喋っているのを聞いてお母さんになんて言っているかを訊いたら、「あれは四字熟語って言ってね。まだ夢華には早いよ」と言われたので気になって書斎まで来たのだ

 

「あったあった。ふ〜む……確かにこれは難しいな〜つまり、四字熟語は四つの漢字が繋がっているものをいうのかな?じゃあ四つの漢字が繋がっていれば四字熟語になる?」

 

 四字熟語についてはまだよくわからないがあっていると思う

 

「え〜と確かお母さんが万物と創造を繋げよう!…………どういう意味なんだろう…」

 

 意味を分かっていた方が良いよね。と言うわけで辞書で調べる

 

「万物は宇宙に在る、すべての物。創造は新たらしいものを造りだすこと…か。つまり宇宙に在るすべての物を造るという事だよね。そうだな〜。やるんだったら仮面ライダーのベルトかな〜」

 

 今はカブトがやっているんだけどまだよく分かってないんだよね。じゃあ(ブレイド)にしようかな

 

「じゃあ『万物創造』!」

 

 その瞬間に目の前に(ブレイド)のベルトが出てきた。と、同時に前のめりに倒れる

 

(え?何で倒れるの?もしかして僕…死ぬの?嫌だ…死にたくな…い)

 

 そう思うと意識が闇に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢華からドス黒い魔力が出てきた時に気づいた者がいた

 

「な…なに……この魔力は…夢華から出ている?」

 

 レイアはすぐに夢華の下まで走る

 

「これは………」

「神奈子…これは…夢華ちゃんから出ている…」

「え?神奈子様?諏訪子様?どうしましたか?」

「早苗!すぐに神社の中に入るんだ!決して外を見るなよ!」

「え?あ…はい!分かりました!」

 

 守矢の二柱も気づいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side レイア

 

 書斎から出ているドス黒い魔力の下まで行くと紫髪の男児が立っている。紛れもなく息子の夢華だ。何をするでもなくその場に立っている

 

「夢華?」

 

 消えそうな声で名前を呼ぶと夢華がゆっくりと顔を上げる

 

「!!!!」

 

 夢華の顔を見たら腰を抜かしそうになる。夢華の左目がいつもは青色であるはずが今は真っ黒。青色はなくなっている。右目は青色だ

 

「夢華。どうしたの?」

 

 息子に向けてはいけない恐れをいつも通りで装いながら声が震えないようにしながら問いかける。夢華は右手を私の方に向けて水平に上げる。私は何が起こるのか見逃さないようにする

 ドゴンッと天井から音が響く

 

「なっ!」

 

 書斎の天井から青空が見える。そこに夢華が飛んでいく

 

「待ちなさい!けどその前に結界を張らないと」

 

 市全域に被害が及ばないように結界を張る。恐らくこれで人は私たちには気づかないだろう。しかし隣の守矢神社の二柱は気づいていそうだが

 

「夢華!どうしたの!?何があったの!?」

「………」

 

 夢華はこちらに向いているが喋らない。代わりに手に黒い……あれは闇?を刀の形に変わっていく。刀の形に変わった瞬間に射出される

 

「っ!」

 

 ものすごい速さで射出された刀を寸前で回避をする。更に、夢華の背後に刀ができていき射出される

 

「夢華!落ち着いて!お母さんよ!」

 

 刀を躱しながら夢華に話しかけるが攻撃は止まらない

 

「こうなったら!爆裂魔法 エクスプロージョン!」

 

 夢華の目の前で爆裂魔法を使う。視界が真っ赤になるがすぐに真っ黒になる

 

「闇に飲み込まれた…の?」

 

 呆気にとられていると夢華の右手から球体が飛んでくる。身構えたが私と周りに止まった

 

「これは…キャア!」

 

 しばらく何も起こらなかったので触ろうとした時、球体からトゲみたいに鋭利な物が無数に飛び出して来た。それを反射的に(さっき羽織った)マントで防ぐ。マントには防護魔法を使っており幽香の攻撃にも耐える

 

「ぐっ…なんて威力…空間魔法 テレポート!」

 

 マントが破れそうになったのでテレポートで離れる。すぐに夢華がいた場所を見るが夢華がいない

 

「うし…ぐ…」

 

 マントに黒い球体の形をした闇が貼りついており、そこから夢華が出て来ていた。そしてそのまま真っ黒な腕で思いっきり殴られた。マントのお陰で致命傷にはならなかったが左腕が麻痺して思うように動かない

 

「炎魔法 ファイアブレス!ファイアブレッド!氷魔法 アイスガン!治癒魔法 ヒーリングスペース!」

「………」

 

 炎のブレスと弾丸、氷の弾丸を夢華に放つ。夢華は闇を壁のようにして防ぐ。この間に治癒魔法で左腕を使える状態にする

 

「これでも無理なの!?」

 

 闇で守っているとはいえ全く攻撃が通らない。闇で防いでいるので飲み込んでいるわけではないようだが…

 

「夢華どうしたの!?私よ、お母さんよ!」

 

 私が呼びかけても全く反応しない。もしかして今の夢華にとっては目の前にいる人全てがてきに見えているのか?今の私はどうすれば良い?あの闇は夢華の魔力を換えているものだ。魔力を使いきれば今の夢華なら倒れるか?だったら夢華の魔力を使い切らせるだけ!。残りはざっと半分。攻撃して、攻撃を躱す。この繰り返しか。でも希望はないわけではない

 

「夢華耐えてね…威力倍増!攻撃力強化!連撃効果!炎魔法 ファイアブレッド!水魔法 ウォーターブレッド!風魔法 鎌鼬!雷魔法 サンダーブレス!氷魔法 アイスガン!」

 

 私の能力は【漢字の意味を魔法の力に変える程度の能力】。言った言葉を魔法の力に変える。能力で攻撃力を上げ、さらに連撃の効果を付け、手数の多い魔法で一気に攻める

 

「………」

 

 夢華は闇の壁で攻撃を防いでいるがすぐに壊れていましそうだ。壊れそうなところを補強するために魔力を使う。攻撃を防ぐのに集中しているため私に攻撃が飛んでこない。このままならいける!

 

「そんな訳ないか」

 

 私が勝ちを確信した時に四方八方から闇の刀が飛んでくる。防御と攻撃によりさらに魔力を使う。夢華の魔力は残りわずか

 

「っ!夢華がいなくなった!?」

 

 闇の壁が破壊される。しかし壁の先には夢華が居なかった

 

「どこに…」

 

 周りを見回すがどこにも見当たらない。しかし攻撃は止んでいないので何処かにいるはず…

 

「え?し、しまった」

 

 急に腕を掴まれた。反射的に掴まれた腕を見ると夢華が無表情で両手で腕を掴んでいた。どうやって…と思うがすぐに分かった。闇の刀の中を移動したという事が。闇の中を移動しつつ私に攻撃する。こんな事が五歳の夢華に出来るのか?闇の中にいる夢華の魔力までには分からなかった

 

「っ!ぐ…が…」

 

 両手で夢華が私を一回回してから守矢神社の境内に投げる。抵抗できずに背中から地面に激突する。2回ほどバウンドして立ち上がる

 

「大丈夫か!?」

「手当てしないと。腕が腫れている!」

「それよりも夢華を止めないと」

 

 目の前には二柱である神奈子さんと諏訪子さんが居た。私を気遣ってくれるがそれよりも夢華を止めないと守矢神社はもちろん、市が破壊されるかもしれない。残りわずかな魔力であっても簡単に出来るだろう

 夢華が境内に降りた

 

「夢華ちゃん。私達が分からない?」

「………」

 

 諏訪子さんが話しかけるが私と変わらず黙ったままだ。こんな時にこんなことを思うのはどうかしていると思うけど、夢華は男の子なんだけど。いや、男の娘か

 

「夢華ちゃん?」

 

 その時、早苗ちゃんが神社の中から顔を出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 早苗

 

 外から重いものが叩きつけられる音と、神奈子様と諏訪子様の声が聞こえた。何の音なのか気になって神社の中から覗いてみる

 

「夢華ちゃん?」

 

 夢華ちゃんが無表情で境内に立っていた。いつもの夢華ちゃんとは違い左目が真っ黒。遠くから見ても怖さで足がすくんで動けない

 

「早苗!逃げろ!」

「え?」

 

 神奈子様が叫ぶと同時に夢華ちゃんが無表情でこちらに飛んできた

 

「!夢華…ちゃん?」

「………」

 

 右手が私の顔に伸びてくるが鼻の先で止まっている。そのまま尻餅をついてしまった

 

「………ぅ…」

 

 呻き声を上げ、夢華ちゃんはその場に前のめりで私に覆いかぶさるように倒れてしまった

 

「え?夢華ちゃん。どうしたの?ちょっと!」

「すぅーすぅー」

 

 夢華ちゃんはそのまま寝てしまった

 

「早苗大丈夫かい?」

「大丈夫です。でも夢華ちゃんが…」

「少し診させて頂戴。解析魔法」

 

 レイアさんが魔法を使うと夢華ちゃんの身体が淡く光った。「なるほど…」とレイアさんが呟くと顔を上げた

 

「さっきの夢華の状態は防衛本能によるものだろう。眼に映る全ての人が敵だと思っていたらしいわ。その原因が夢華の能力の負担だろうね。能力一回に使う魔力の量が多過ぎて身体がその負担に耐えることができなくていつもの夢華は気絶。そして防衛本能の方が出てきたんだと思う。しかも防衛本能の方の能力があって闇に関すること」

「つまり夢華ちゃんは能力を使ったことによってさっきの防衛本能の方が出てきたと。その対抗策はあるのかい?」

「魔力の消費を減らせば問題ないと思うわ。でも能力自体は弱くなるけどね。何回まで使えるかは今後の経過次第かしら」

「ところで何で能力を使ったのかな?」

 

 諏訪子様の言葉で全員が静かになった

 

「そもそもなんで能力を使ったんだろ?能力のこと知っていたのか?」

「そんな気配はないと思っていたけど…書斎に行けばわかるかも…」

「私も行きます!」

 

 よく分からないことを話している会話から分かるものを拾っていると夢華ちゃんが倒れた所に行くみたいだから私もついて行くことにする

 

「では頼んだぞ。私たちはあまりここから出ることができないからね」

「分かりました!行ってきます!」

 

 レイアさんについて行き夢華ちゃんの家の書斎まで行くと、天井が破壊されていた

 

「これは辞書ね。解析魔法………万物と創造。これで何ができるの?」

「あ!見てください!コレ!(ブレイド)のベルトですよ!」

 

 机の上の辞書はレイアさんが。私は床を見ていたらベルトが落ちていた。試しにお腹に当ててみると左側の側面からカードが手できて後ろを回るようにして右側の側面の縦穴に入る

 

「変身!」

 

 掛け声と一緒い右側の取っ手みたいなところを引くと『ターンアップ』と音が出てきた。ベルトの前の模様のところから私を包み込むくらいの大きさの青色でカブトムシの背中にスペードの模様がある縦長のカード(通称 畳)みたいなものが出てきた。そしてそのまま私を通過する

 

「まさか…仮面ライダーのベルトを創り出すとは…」

「や…やったー!仮面ライダーになれました!早速神奈子様と諏訪子様に見せに行きます!」

「あ…早苗ちゃん!変身を解いてから行って!結界さっき消しちゃったから〜」

 

 レイアさんに言われた通りに変身を解いてから守矢神社を戻る

 

「見てください!変身できますよ!」

「は?何を言っているの?さな…え?」

「仮面ライダーになった…だと…」

 

 神奈子様と諏訪子様の所に戻るとすぐに変身する

 

「どうやら夢華は能力でそのベルトを創り出したらしいわ…それで書斎の辞書には万物と創造を調べていたらしいわ」

「つまり能力は万物を創り出す能力っていうことなの?」

「それは見て見ないと行けないわ。解析魔法……わかったわ。夢華の能力は【連なる四つの漢字の意味を実現する能力】だわ。つまり四つの繋がっている漢字の意味を実現するみたいね」

「つまり万物と創造で『万物創造』。これでそのベルトを創り出したわけか…」

「なんというか強すぎる能力だね」

「あまり使わせないために魔法を教えるわ。出来るだけ能力を使わせずにするために。それと一応、能力を弱体化させて能力を多少使っても大丈夫にするわ」

「そうか。分かった。何かあったらここにきてくれ。夢華ちゃんは悪い奴ではないからな」

「ベルトはこっちで保存しておくね。能力の存在はあまり気づかれたくないでしょうし」

「よろしくね。じゃあまた」

 

 結局私は話について行けなかった…レイアさんは夢華ちゃんを連れて行った

 

「あ…そうだった。夢華は男の子よ」

「え?」

「「「えーーーー!」」」

 

 レイアさんは歩くのをやめてから言った。それよりも夢華ちゃんが男の子!?全然そんな風に見えない!レイアさんがさは「ふふっ」と笑うと階段を降りていった

 

「つまり夢華ちゃんは夢華くんで……なんで訂正しなかったんだろう?」

「さ…さあ?」

「夢華ちゃ…くんは男の娘だったということか…」

 

 この後三人でこれからはいつも通り普通に接することにして夢華ちゃんを夢華くんと言うようにしようと話し合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side ???

 

「はっはっはっ!どうだった?面白かった?」

「………」

 

 今ボクの目の前の椅子に座っているみんなから防衛本能と呼ばれているやつに話しかける

 

「まあそんなにひねくれる必要は無いよ!お母さんが強すぎただけだって!それにしても『防衛本能』という一つの感情がボクの目の前に出てくるとはね」

 

 防衛本能は無口キャラなのか全く話そうとしない。呆れた目でこっちをみてくるけど

 

「さて、君のことを防衛本能なんて言うのめんどくさいから名前を決めよう」

 

 そうだな〜防衛本能と言ってもなんかピンとくるものがないんだよな〜暴走するから…

 

「魔の時……うん。君の名前は『時魔(ときま)』で良いかな?」

「………」

 

 頷いてくれたということは気に入ってくれたのかな?

 

「じゃあよろしくね時魔。で、ボク達のやる事は夢華を守ること。夢華が死んじゃったら君はもちろんボクも死んじゃうからね。ボクはいつでも出る事はできるけど君は夢華が危険な時だけ出る事になるからしばらくはここにいないとだね。ボクもだけど。どうやら君が表に出る方法は『能力の使いすぎによる身体の負担による気絶』みたいだから。夢華が危険じゃ無いと判断したら出なくてもいいんじゃない?それは君の判断に任せるよ」

「………」

 

 一方的に喋って行動方針を決めたけど頷いてくれた

 

「さ〜てこれからどうなるかな〜ボクの出番はあるのかな?」

 

 この空間にはボクと時魔の二人だけ。もしかしたら増えるかも。それが楽しみだ




レイアの強さは幻想郷の中でもかなり上位に入ります。それでも時魔はレイアよりも強いです
昏御「何それ怖い。ていうか強すぎでしょ」
能力がほぼチートですからね
昏御「次の過去編は何?」
次の過去編では小学校の時の夢華の話です
昏御「いや〜楽しみだな〜」
次は過去編の解説は無しにして異変になります
昏御&カミユ「では次回!」

新しいシリーズを考えています。投稿する時に活動報告で報告します

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