霊歌「いよいよ過去編も終わって行くわね」
えーと……あと3話ほどでしょうか
霊歌「その後はオリジナル異変…か」
ははは…ちゃんとできるか自信ないですね
霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」
Side 夢華
「これは……いやいや、早すぎるでしょ。クロックアップしたカブトたちでも一瞬で倒せるとか。ディエンドでも無理そうかな?」
僕が変身を解除するとともに頭上に何か硬いものが通り過ぎる風を切るような音が聞こえる
「岩を投げてきた?早すぎて対象を見ることができないね。じゃあハイパークロックアップなら間に合うかな?」
僕は飛んでくる岩をかわしながら何処からともなく飛んでくるカブトゼクターとハイパーカブトゼクターを同時に使用してハイパーカブトに変身する
と、ともにハイパークロックアップで相手と同じ早さで動く
「流石に時間を飛び越えるみたいな事はしないけど……この人は…」
僕の目の前には黒い瘴気を見にまとう様になっている赤い1人をした男性がゆっくりとこちらを見る
「貴方は……」
「お前は……いや、君か。君も死んだ身のようだが、どうして我々の邪魔をする?」
「え?僕は仮死状態だからまだちゃんと死んではいないみたいだよ。邪魔をする理由はこっち側に被害があるからだよ」
しわがれたような、掠れたような声で低く声を発する
我々の邪魔って事は蘇ろうとしているのかな?
「我々のなかで蘇りたいものだけ蘇るだけだ。現世に未練があるだけだ。邪魔はしないでくれ」
「貴方はどうして地獄に落ちたのですか?」
「我は主君を守るために邪魔をするものを斬り捨てて行った。命じられ場こなすだけだった。それだけなのだ。それでも我にとってはなによりも必要な事だ。ただあの方に仕えていたいだけなのに……死刑判決を下され、地獄に落ちた!」
「その人に命じられたことの中にやってはいけないことがあった、ということですよ」
僕は淡々と答える。斬り捨てるということから恐らく刀を使ってくるだろう。けど僕は使えないから使えないなりに動かなければならない
だから戦闘態勢に入る
「貴方は一度自分の罪を洗い流してから生まれ直し、またその人に出会えるように願ってください」
「話は通じぬか。ならば君を倒して先に行くだけだ!」
ハイパーカブトの夢華と黒い瘴気を纏っている赤目の男が地獄のなかで、傍目から見たら2人の姿は目に終えずに戦闘音が遅れて聞こえてくるほどの速さで戦っている
「クッ……(なんだこの少年は……!戦闘経験が豊富でこちらの攻撃を危なげなく躱すだけでなく冷静に攻撃してくる!)」
「はあ!」
赤目の男は夢華の拳を身をそらして躱すと両手に持っている小太刀を回転するように夢華に攻撃しながら距離を取る。前世では剣の達人であろう美しい動きに夢華は一瞬動きが止まる
(この人に勝つには隙を突くだけじゃなくて、確実に重い一撃を入れないと長丁場になっちゃう。でもこれ以上のスピードだと僕が制御できない)
(どちらとも決定打がないままに小康状態が続いている。こちらはこれでトップスピードだが……霊体でなければ確実に体を壊している速さだ。これに対応できるとは…)
2人が現状での打開策を模索していると男のそばに巨大な岩が出現する。手当たり次第にやっているのか夢華の近くにも岩が出現する
「これは…」
夢華が周りを見渡すと遠くに小町の姿が見える
「夢華!やってやれ!」
クロックアップ状態の2人からはひどく遅く聞こえるが、それでも夢華には小町の言っていることが理解できた
それと同時にこの岩は小町が能力でやったことだということも理解した
だからこの小町からの援護を利用する
「はあああああああ!!!!」
「なっ!」
小町が移動させた岩を男に向かって無闇矢鱈に破片を飛ばすように殴り続ける
その行動に男は驚きの声を出して破片を回避し続ける
「まだまだだ。こんなもの慣れて仕舞えばどうと追うことはない」
男は破片を回避していきながら少しづつ確実に夢華に回避して行く
そして夢華のものにたどり着く
「黄泉の太刀 深淵の舞」
男は小太刀を舞うようにして夢華を斬っていく
「が……ゲホッ……」
最後に蹴りをくらい後ろに飛ばされて地面を転がる。その時に変身が解かれる
「マズイ……変身が……」
「これでおしまいだ!」
夢華は倒れながら必死に起き上がろうとする。が、それを許さない男はハイパークロックアップと同等の速さで夢華に接近し、小太刀が夢華の首を的確に捉える
「なに!」
男の小太刀は風を切る音とともに空を切る。夢華がいつのまにか移動していた。しかしそれがどこかわからない
周りを見渡すと地獄の出口のところに小町の横で倒れたままの夢華が居る。小町が夢華を距離を操って移動させたのだ
「大丈夫かい、夢華。その傷はすぐに治療しないとだけど……」
「それを…許してくれるかどうかですね」
夢華は自力だ立ち上がり、頭の中で男に勝つ方法を模索し始める
(魔法を使う?できないことはない。能力を使う?5回だけで倒せるかどうか……なら、能力と魔法を同時に使う…………それしかないか)
「夢華?」
「小町さん。今から僕は少し無茶をすると思います。だから回収してください」
「え?ちょっと…」
小町の言葉を一切聞かずに魔法陣から魔道書を取り出す。そしてある一ページを一回で開く
「高速移動。一撃連打。身体強化。打撃強化。効果増幅。効果永続」
目を閉じて呟くように言葉を発して、最後の言葉を言い切ると同時に目を開く。と、体に炎が巻き起こり、左目が真っ黒になっている
「なんて魔力量だい。地獄全体が揺れている……」
まだちゃんと魔法を制御できていない夢華は漏出する魔力の量が多すぎて地獄全体を揺らすほどに出て行ってしまっている
夢華はユラっと一歩前に出しを踏み出す
「行ってきます」
一言言うと、夢華の姿は小町の隣にはなく、代わりに激しい連打音とともに男が背後に吹き飛ばされた
男からすれば一瞬で目の前に出現した夢華に反応できずにそのまま一撃を腹部に食らったことだろう。しかもその一撃は夢華の細い体からは予想できないほど重く、さらにその一撃が同じところに何度も叩きつけるように衝撃が体に伝わっている
(な……なんだ、この尋常ならざる一撃は……魔力で補強しているだけでなくその他のものも加算されているようだ)
「炎魔法 爆熱大車輪!炎の鳥!」
夢華は男を吹き飛ばすと、夢華の身長大の炎でできた車輪と、雀サイズの炎の鳥を無数に魔法陣から出す
これには男も驚いた様子で小太刀を構える
「炎魔法 炎の糸」
指先から一本ずつ糸を炎でできた車輪に飛ばして接続する
「そ〜れ!」
「!?!?」
夢華は腕を適当に振り回して男に当てようとする。車輪の1つが地面にぶつかるだけでそこに巨大なクレーター(若干溶けていて溶岩みたくなっている)ができる
「ふっ……はあ……はあ…これは避けようが……次は鳥」
車輪を回避し続けるにも限度があり、暑さで体力が徐々にはまっていく中で逃がさないと行ったような雀さいずの火の鳥が男に殺到する
「黄泉の太刀 蓮冥の刃」
腕を体の前でクロスさせるようにして持ち、火の鳥と車輪が自分にぶつかる寸前で太刀に霊力を纏わせ、一気に解き放つ
車輪と火の鳥は一瞬で吹き飛ばされ、余波が夢華に向かうが、炎の壁で防ぐ
「今のを凌ぐんだ……」
「長期戦はダメだとわかったから、本気を出させてもらった。そちらとしてもそろそろ限界なのではないのか」
「バレちゃったか。もって後5分。だから僕の全魔力を使うよ…………!」
夢華は言葉とともに全魔力を解き放つ。魔力の量が多すぎるのか地獄の地面が割れて地震が起こる
「亀裂が発生するほどの魔力を持っているとは……妖の類なのではないのか?」
男がそう思うほどの魔力を夢華は姿勢を低くして駆け出す姿勢に入る
「炎魔法 炎神の拳!」
夢華の腕が炎と化し急激に巨大化する
男は小太刀を苦無を持つようにして、右腕を後ろに引き、左腕を前に出すようにして構える
「黄泉の太刀 刃桜」
男も自分の持てる全ての霊力を小太刀に集める
夢華の拳が男に向かって行く
男は小太刀を炎の拳に刃を入れる
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
2人の叫び声が聞こえなくなるほどの爆発音が地獄に鳴り響く
Side 小町
あたいのところまで響く爆発音はしばらく地獄中を揺らしていった。2人が激突したところは土煙が立ち上がっている
「おいおい……夢華の奴まさか死んではいないだろうね!?」
現在の夢華は体が仮死状態になったことによって
「アレは……」
揺れが収まり、土煙が晴れると夢華が死んだようにピクリとも動かずに倒れている。戦っていた奴はどうなったかはわからないけど消滅したと思う
倒れた夢華を見て鎌を振り、距離を操ってこちらに移動させる
「おい……これは…全身火傷になっている…………急いで治療しないと!」
夢華は全身火傷していて目も当てられない状態になっている。さらに持ち上げてわかったが、腕が通常の向きとは逆に向いていることから腕も折れている
距離を操り、医療施設に移動させる
「にしても……夢華は本当に子供かい?とてもそうには思えなかったが……」
霊歌「結局、夢華の相手の名前ってなんなの?」
それは二話ほど後からですね
霊歌「そうなんだ。夢華のアレ、【炎上モード】みたいなもの?」
アレは【炎上モード】の一歩手前です。この時点では夢華はモードの手がかりは掴んでいるけど完成していないって感じです
霊歌「今の夢華だったらさっきの相手は瞬殺だろうね」
でしょうね
ではまた次回!