ラブライブ!サンシャイン!!~陽光に寄り添う二等星~番外編(横浜アリーナ編)   作:マーケン

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次回は、次回こそは2/9に更新したい


第四十三話

 人の追い掛ける夢とは果てを知らない旅路だと思う。

 

「Wonderful!おめでとうアイナ。そして2daysお疲れ様でーす」

 

「ありがとう。アニソンに携わる者として、そしてAqoursとして、この場所でライブが出来たこと。凄く感謝してる」

 

 感謝、という言葉を私は今日、沢山の人から聴いた。また沢山の人からありがとうという言葉を貰ったし、私も沢山言った。

 ライブを成功させようと準備してくれたスタッフの皆もそうだし、来てくれた皆にも感謝してもしたりないくらいで、だからこそパフォーマンスでそれを伝えられたらって思って精一杯歌った。

 アイナは民謡をやっていただけあり、喉のコンディション管理もバッチリで、喉のスタミナも抜群だった。だから、私の、アイナの想いを余すことなく伝えられたと思う。

 だからなのか、今日来てくれた皆もスタッフも、終わった時には私達にありがとうと言ってくれた。私達の方がありがとうなのに、こんな風に温かな言葉をくれる、感謝と感謝が繋がり合う優しい空間だった。

 

「ねえ、アイナは次は何を目標にするの?」

 

 夢が叶った先にあるのは一体何なのか興味があった。もし私の、私達の夢が叶ったらその先に何があるのか。より親しいアイナのそれは非常に参考になるだろう。

 

「取り合えずは2ndライブツアーを成功させること、かな。先ずは目先のことから。でも、そうだね。私個人名義としてアニソンシンガーになりたいっていうのは変わらずあるかな」

 

 Aqoursとしての活動、そしてアイナ個人としての活動どちらの目標も答えてくれた。

 アイナとしては本当の意味ではまだ夢は叶っていない。そう言っているかのようだった。

 キャラクター名義と個人名義では明確な差がある。キャラクター名義ではキャラ声での歌唱が求められる。勿論、演じる以上、本人の声の一端ではあるけれど、縛りであるのは変わりない。全身全霊であっても全力ではないのだ。

 

「坂本真綾さんとか茅原実里さん、他にも声優であり、アニソンシンガーでありって二足のわらじを上手に履きこなしている人は居る。そんな人達のようにありたいっていうかな。アニソンシンガーになるために培ったこと、それを活かし続けたいんだ」

 

 一度は夢を目前にして届かなかった。その結果最短に近い回り道をしてアイナは今ここに居る。その過程は回り道といえども無駄足ではなかったのだろう。アイナの最終目標をそのままに新たな道も示すに至ったのだ。

 

「私の夢は私の夢。だから余り参考にはならないと思う・・・だから参考になるとしたら一つ。一つの区切りはどんな形であれ次の道に繫がるってこと」

 

「どんな形であれ」

 

「そう。鞠莉達は今、ラブライブ予選の結果待ちって状態でしょ?突破すれば当然決勝が目標になると思うけど、もしそうじゃない時、今のことを思い出して」

 

 酸いも甘いも知っているからこそ、アイナは以外とリアリストなのだ。だけど、その忠告は言葉とは裏腹に前向きだ。諦めないからこそ今の道を探し当てたアイナがいうのだからどんな場所にもフロンティアは存在するのだと、そう思える。

 

「心配ご無用でーす。出来ることは何でもする。それはどんな苦境になっても変わらない。ちゃんと分かってるから」

 

 もうお腹一杯なくらい苦境を味わっているのだ。これ以上は食傷になってしまう。けれど、立ち向かうのはラブライブ、そして浦女の統廃合問題。そう一筋縄にはいかないこともよく分かってる。

 

「九人ならきっとそれが出来るって信じてる」

 

「それでこそ鞠莉ね。諦めが悪い」

 

「アイナも大概ね。でも、みんなそんなのかも」

 

 果南は私の将来を諦めずに無理矢理旧Aqoursを終わらせた。ダイヤは私と果南のことを諦めずに沈黙を守り、虎視眈々と機会を窺っていた。

 他のメンバーだって負けず劣らずそうだ。千歌っちは0であることから羽ばたこうと足掻くし、曜は嫌いな自分と向き合って立ち上がった。梨子も逃げたピアノと向き合っているし、ルビィは好きなもののために立ち向かう勇気を出した。花丸も不得手にチャレンジしているし、善子は理不尽と常に戦っている。

 

「なんだ。みんな似たもの同士だ」

 

「ホント。なんか可笑しいね。普段は全然バラバラなのに決定的なところでやっぱり繫がってるんだ」

 

「それってなんか」

 

「私達らしい」

 

 思えばAqoursとは水を示すaquaと私達を示すourが合わさった造語だ。

 どんな色も映し出すし、どんな色にも染まる。合わさって新しい色にもなる水と、それを構成する私達。これほどぴったりなグループ名はそうは作れないだろう。

 そのグループ名はさて、私か果南かダイヤか、誰が考えついたのか?

 

「きっと三人とも私って言いそうね」

 

 アイナの言うその光景が容易に思い浮かぶから私はクスッと笑った。

 誰が言い出したにせよ私はその名を誇らしく思う。今日、それを改めて思った。

 

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