ブロッコリー……じゃなくて、ブロリー!   作:Mr.ねこ

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第13話

 岩山を機関銃片手に進む一行を尾行する事一時間、彼らが辿り着いたのは岩山をくり貫いて作られた家だった。

 それを見てまたレッドリボンの基地かと思ったのだが、連中が警戒しながら入って行くのを見てそれは違うのだと察した。

 

 しかし、そうすると………この目の前の家は何なのだろうか?

 

 当然の疑問が浮かぶが、その答えを導き出すには判断材料が少なすぎる。どんな名探偵だってパズルのピースがなくては推理のしようがないというものだ。

 が、しかし、家の規模が外観からは分からないので、レッドリボンの兵士が中に入っている現在、そこに俺が入って行って調べて大丈夫かどうかが判断出来ない。

 

 意外に中は広く、或いは洞窟のようになっており俺が入ってもバレない可能性もあるのだが、迂闊に動く事は憚られるだろう。

 とは言え、そうなると此処で連中が出て来るまで待つしかないってのも暇なのだが……。

 

 暫くボーーーーーっと眺めていたのだが、やはり暇には勝てず結局行動する事にした俺は、抜き足差し足で入り口へと接近し、入り口の壁に耳を押し当てた。すると、壁の向こう側からは何一つ聞こえなかったのだ。

 まぁ、壁が厚い可能性もあるので聞こえないという事も充分にあるのだが、ここ最近の修行で気の扱い方を学んだ俺からすると壁の向こう側に人の気を感じない事に気付ける。

 となれば当然、暇が嫌な俺であるからして”ガンガン行こうぜ!“である。

 

 ユックリ鉄製の扉を開け中の様子を覗き見すると、中は教会のようになっていて奥にまた鉄製の扉がある事が見てとれた。恐らく、レッドリボンの兵士達は奥へと進んだのだろう。

 

 此処は教会なんだなぁ。隠れキリシタンか?

 

 と思うものの、このドラゴンワールドにキリスト教は存在しないので、それは無いだろうと思い直した。が、それなら何で隠れるように教会を作っているのかという疑問が浮かぶ。

 とは言え、別に宗教について調べている学者でもないし、本当に知りたい訳でも無いのだが。

 

 うん、先に進むか。面白いものがあるのかと思ったけど、案外何も無いしな。

 

 少々中の様子にガッカリしつつ奥の扉を開ける。すると驚く事に、扉の先には何も無かった。

 

「は? へ? ……岩壁しかないじゃん」

 

 扉の先に通路があるとばかり思っていたが、予想に反して何もない事に少し呆けてしまう。……いや、正確に言えば岩壁があるので何もないって訳じゃないんだけど。

 ま、それは兎も角、この扉はただの見せかけだと言う事だ。

 

「つまり、隠し扉があるのか?」

 

 まるでインディジョーンズのような展開にワクワクしてきて、思わず笑みが浮かんでしまう。俺が小さい頃は、何度もインディシリーズを見たものだった。

 そんな体験が出来るかもしれないとあっては、興奮するのも当然と言えるだろう。

 

 俺はインディになりきって岩壁を探ってみたり、教会内の地面や壁をコツコツ指先で叩いてみたりしてみた。

 そう、壁の向こう側に空間が存在した場合、叩いた音が少し変わる可能性があるから叩いているのだ。インディジョーンズを見たりしていたヤツなら理解出来る行動だろう? 知らない人からしたら、多分俺はキチガイかと思われるだろうけど。

 

 しかし、その行動が俺に幸運を運ぶ事になる。

 

「お? おぉ!?」

 

 ある一部分だけ、コツコツという音だったのがカツカツという甲高いものへと変化したのだ。

 

「これは間違いなく隠し扉だな!」

 

 より一層ワクワク感が増してくる中、俺は隠し扉を開ける方法を探し始める。

 だが残念ながら俺が開けるより早く、この発見したばかりの隠し扉が勝手に開き始めた。

 

 ゴゴゴゴゴゴゴゴ、と教会内に音が響き渡り、そこからレッドリボンの兵士を引き摺りながら金髪のお姉さんが出て来た。滅茶苦茶美人です!

 でも、目付きが鋭くて滅茶苦茶怖いです! しかもスパス(ショットガンの名称。正式名称はフランキ・スパス12)を片手に持っている事もあり、尚更怖い!

 

 だがしかし!! 美女がデカイ銃を持ってる姿は、何故かソソられるよね!! 何とも形容し難い魅力があるんだよ!!

 

 そんな馬鹿な感想を抱いていた俺に気付いたお姉さんは、スパスを俺に向けつつ口を開く。

 

「あぁん? テメェもこの馬鹿どもの仲間か?」

 

 メッチャ怖いっす!! でも、妙に魅力的だ!!

 美女に銃って、何かエロいよねd(*`・(エ)・´*)b

 

「おい、聞いてんのかテメェ!!」

 

「あ、悪い。少し別の事を考えていた」

 

「テメェもコイツらの仲間か!?」

 

「いやいや、そんな訳ない。俺は冒険気分で探検してたんだよ」

 

「あぁん? 探検だぁ? ガキみてぇなヤツだな」

 

「いや、見た目通りまだガキだよ」

 

「………ふん! なら殺さねぇでいてやる。さっさと消えろ」

 

 見た目は怖そうな女性だが、子供には優しいらしい。……いや、話し方があれだから勘違いしてしまいそうになるけどね。

 そんな女性なんだが、彼女には見覚えがある………って言うか、ほぼ間違いなく俺の予想は的中しているだろう。

 

 見てすぐに分かったんだが、彼女は原作でも登場したランチさんに違いない!

 

 ただし、十代後半くらいにしか見えないが。もうブルマという前例もあるから別に驚かないが、やはり年齢に若干の違いがあるキャラが居るみたいだ。

 

 

「……何をジロジロ見てんだよ」

 

 年齢の違いに驚いていた訳ではないが、思わずジッと見つめてしまっていた俺に不快そうな表情を見せるランチさん。

 俺はランチさんが怒りだす前に、早口で捲し立てるようにして言葉を発する。

 

「俺の此処に居る理由は説明したから理解して貰ったと思うけど、貴方は何故此処に居るんだ? 宝探し?」

 

「はっ! 宝なんてある筈がないだろ。此処はただの打ち捨てられた教会なんだからね」

 

「じゃあ、そんな教会に居る理由は?」

 

「警察が煩くて仕方なかったから隠れてたんだよ。そしたら、この馬鹿どもが入って来たんで叩きのめしてた訳だ」

 

 んー………何か辻褄が合わなくないか? ランチさんが目的なのか、或いはランチさんの持つ何かが目的でレッドリボンが此処に来たと思っていたのだが………まぁ、ランチさんを見てそう思っただけなんだけどね。

 

 兎も角、それが違うとなるとレッドリボンのヤツらは偶々運が悪い時に此処に入っただけって事か?

 そんで、そう考えるとレッドリボンのヤツらは別に他の目的があるって事になるんだが、それは何だろうか?

 

 ………引き摺り続けている人は生きてるのかな? 生きてるなら聞き出したいんだけど。

 

「ねぇ、その人に聞きたい事があるんだけど……生きてる?」

 

「あぁん? オレの眠りを妨げやがったから弾薬をパクろうと思って生かしてはいるが、何が聞きたいんだ?」

 

「気にならない? 此処に侵入した理由」

 

「…………好きにしな」

 

 多少は気になってたんだね。でないと既に殺してただろうし、予め聞くつもりだったんだろう。

 

 そう思いつつ、俺は白目を剥く男の頬をつねる。すると、面白いくらいに飛び上がりながら目を覚ました。

 

「な、なななな何しやがる!!」

 

「此処に何しに来たんだ?」

 

「俺がレッドリボンの兵士だと知っての狼藉か!?」

 

「いや、それはその特徴的なマークを見れば分かるよ。だってそのマーク、自己主張が激しいもん。

 ……それより、何しに此処に来たのか教えてくれる?」

 

「くっくっくっ、ガキはレッドリボンの恐ろしさが分からないようだな! だったら、俺が教えてやるぜ!」

 

 男の真正面には俺しか居ないので、背後にはランチさんが居る事に気付けていないらしい。まぁ、だからこそ今みたいに勝ち誇った様子の発言が出来るんだろうけどね。

 しかし、その背後に立つランチさんが心底不機嫌そうに、天井に向かってスパスの咆哮を轟かせると途端に大人しくなる兵士。

 

 うん、君の気持ちは良く分かるよ。……突然の銃声に後ろを振り向けば、ランチさんの顔が般若みたいになってるんだもんね。そりゃ小便チビっても仕方ないよ。

 俺でもビビるレベルだもん。

 

「ひ、ひぃぃぃ」

 

「今すぐ死ぬか? それとも少しでも長く生きていたいか? 後者なら、さっさと喋りな」

 

 うわぁ……怖すぎ。……って言うか、その言い方だと結局喋っても死ぬって事?

 そりゃ酷すぎないか? 何も殺さないでも良いじゃありませんか。

 

「そ、総督の命令で此処に来たんだよ。此処に隠された財宝があるらしくて、それを探せって命令をされたんだ」

 

「へぇ……そいつは良い事を聞いたぜ」

 

 兵士の発言を耳にするなり、ランチさんはニヤッと不敵な笑みを浮かべた。

 その笑顔は正直言うと見惚れるくらいに綺麗だったが、何故か背筋がゾクゾクしたよ。ブッチャケると、ちょっとビビった。

 

「おい、ガキ! お前を雇ってやるから宝探しについて来な!」

 

「は?」

 

「探検しに来たんだろ? だったら丁度良いじゃねぇか。それに、宝が見つかったら一割やるぞ」

 

 一割って………安くね? でも面白そうだし、これは話に乗っておくのが良いよな!

 

「分かった。……で、この男はどうするんだ?」

 

「そりゃ当然……」

 

 最後まで言わず、スパスの弾薬を再装填する事で言外に殺すと告げるランチさん。……若い頃からイケイケだったんすね。

 

 でも、俺は出来る限り人殺しはしたくない。

 なので………

 

「待て待て。気絶させとけば良いじゃん」

 

「ふんっ、甘ちゃんだね。まぁ良いさ、子供の前で血を流させるのもなんだしね」

 

 やっぱり結構優しいよね、ランチさんって。

 でも、言いきるなり兵士の顔面を踏みつけて気絶させるのは………大人には厳しいのかな? いや、そんな次元の話ではないような気もするけど。

 

 俺が一人ドン引きで再び白目を剥く兵士を見つめていると、ランチさんはズカズカと先に進み始めた。

 仕方ないので、俺はその背中を追って小走りに隠し通路を進む。

 

 少し戸惑うような事もあったけど、ワクワクするような事態になったので良しとしとこう。

 さぁ、宝探しの時間じゃぁぁぁぁあああああ!!  

 

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