ブロッコリー……じゃなくて、ブロリー!   作:Mr.ねこ

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第14話

「クソッ、全然見つかりゃしねぇじゃねぇか!」

 

「いやいや、まだ探し始めて二時間しか経ってないのに、諦めるのは早いよ」

 

「チッ………それなら、早くそれらしい何かを見つけな! 報酬減額するよ!」

 

 最初から一割って言ってたのに、そこから更に減額するとなると殆ど報酬無い訳で………ランチさんってドS過ぎるよね。

 

「こういう時は、壁を叩いて地道に調べるのが大切なんだよ」

 

「……それならコイツで充分だな」

 

 イライラを少しでも払拭させるべく、俺が探索のコツを告げる。

 すると、何を思ったのか突然スパスで壁を打ち出すランチさん。

 

 ドンッドンッドンッ!! と銃声を響かせながら、少しずつ通路の壁を移動しつつ発砲していく。

 俺としては、「拳で壁をコンコンと叩くんだよ」って意味だったんだが、彼女にはそう伝わらなかったらしい。

 

 ドン引きですよ。えぇ、ドン引きです。

 

 短気な人もそれなりに見て来た人生だと思ってたけど、ここまで短気過ぎる人は初めてで、もう何て形容したら良いのか分かりません。

 だが、何故かその短気さが今回に限っては有効だったもようで………

 

「お!? おい、隠し通路見つけたぞ!」

 

(………俺が想像していたヤツと違う。もっとこう、慎重に探索した上で……)

 

「ったく、ブロリーもしっかりしろよ? でねぇと、マジで報酬減額しちまうぞ?」

 

(いやいや、アドバイスしたのは俺じゃん? だったら報酬減額しなくても良いじゃん?)

 

「おい、聞いてんのか? ……ははーん、さてはオレが見つけたから拗ねてんだな? はっはっはっ!いち早く見つけちまって悪かったな!」

 

 もう何も言うまい。

 確かに隠し通路の発見は自分でしたかったが、その程度で拗ねてしまう程に子供ではないぞ。……いや、確かに外見は子供なんだけどね。

 

 ともあれ、崩れた壁を拳と蹴りで広げると、その隠されていた通路を進み出す俺とランチさん。

 そうやって暫く進んだ先には、小学校の体育館程の広さの空間に出た。

 しかし、ただの広い空間だけで、何も存在しない。

 

 いや、真ん中に何故か紙切れが一枚あるな。とは言え、それ以外には本当に何も見当たらない。

 

「おい、行き止まりみたいだぞ?」

 

「そうみたいだね。でも、あの紙切れにヒントでも書かれてあるかもよ?」

 

「紙切れ? ……あぁ、アレか。面倒だな、宝探しってのは」

 

「いやいや、それが楽しいんじゃん」

 

「お前は変わってるな。敵が出て来てそれを殺せば先に進めるとか、そんな分かり易いのがオレは好みだね」

 

 おうふ………それは宝探しっちゅうか、ただの強盗なのでは?

 そう言いたかったが、スパスで撃たれたくないので黙っとく。

 

 まぁ、取り敢えず紙切れを見てみましょう。

 

「……ん? ナゾナゾっぽい?」

 

「ナゾナゾ? 何て書いてあるんだ、呼んでみな」

 

「激しく音が鳴る、静かに音が鳴る、一定のリズムで音が鳴る、不規則なリズムで音が鳴る。これは何?

 ……これしか書いてないよ」

 

「へっ、簡単なナゾナゾだね」

 

「もう分かったの?」

 

「お前に問題を解く時間をやるから、さっさと考えな! さっきみたいに拗ねられると困るからね」

 

 いや、拗ねてねぇし! ちょっと残念には思ったけど、絶対拗ねてねぇし!

 

 

 ※皆さんも良かったら考えてみてね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだ分かんないのかい?」

 

 クッ……悔しい。

 だが、如何せん答えが分からんのは事実。

 

「ランチさんは、本当に分かってるの?」

 

「ふんっ、この程度なら直ぐに分かるぞ。それで、お前は分かったのか?」

 

「……多分」

 

 俺が自信無さげに答えると、ランチさんはニヤニヤと笑みを浮かべた。

 俺が絶対に答えを間違うと確信しているかのような笑みだ。

 

「だったら、その答えを叫びな。恐らく、その答えが当たっていたら隠し扉とかが反応するんだろ?」

 

「……それじゃあ失礼して……答えは、メトロノーム!!」

 

「プハッ! くっくくくく」

 

 敢えて自信満々な様子で叫んでみたのだが、体育館程の広さの空間には何も変化は見受けられない。………つまり、答えが合っていても意味はないのだろうな。

 そんな風に自分を慰めているのだが、勿論理解しますよ? 答えが間違っているのは。

 

 って言うか、爆笑しているランチさんは本当に答えが分かっているのだろうか?

 

「……そ、それで、ランチさんの考える答えは?」

 

「はっはっはっ!良いのかい、オレが答えても? また拗ねられると困るんだよねぇ」

 

 何度も言うが、俺は絶対に拗ねてねぇ!

 

「そんなに笑うくらいですし? きっとちゃんとした答えが分かってるんでしょ?」

 

 俺が悔し紛れに少し嫌味っぽく言い募ると、尚もニヤニヤしたままのランチさんは叫ぶように大きな声を響かせる。

 

「答えは、心臓!!!」

 

 そう叫んだ瞬間、地面の一角がゴゴゴゴゴゴと重低音を響かせながら沈んで行く。

 それはまるで、ランチさんの答えを讃えるかのようで、俺は思わず膝から崩れ落ちた。

 

「はっはっはっ!いやいや、悪かったねぇ、オレが答えちまって」

 

(そんな馬鹿な! 俺はそこそこ賢いつもりだったが、この短気すぎる人より馬鹿だとでも言うのか!?)

 

「おやおやぁ、やっぱり拗ねたのかい? あ〜、拗ねてるみたいだねぇ」

 

 す、拗ねてねぇし! ちょっと悔しかっただけだし!

 

「ほら、何時までも拗ねてないで、先に行くぞ! 折角地下へと続く階段が姿を現したんだからね」

 

 ガックリと項垂れる俺は、ランチさんに急かされるままに階段を降って行く。

 そうして暫く進むと、今度は金庫のような扉が存在する空間に辿り着いた。

 

 恐らく、此処が終点なのだろう。

 

 そしてその重厚な扉の上には、先程のナゾナゾっぽい文言とは違って真面目な質問文が記してあった。

 

「人体の中で、通常時よりも六倍以上に大きくなる部位は何?

 今度の問題は直ぐに分かりましたね。ランチさんはどう?」

 

「……アレだろ? ほら、アレ」

 

「え? アレって?」

 

「………」

 

 先程とは打って代わって、今度はランチさんが答えが分かってないようだ。

 ……いや、答えが分からないという訳ではないのか? どうも、何か言いづらそうに見える。

 

 だが、何故か顔色が真っ赤になっているのだが……何故だ? 答えは普通なのだが、何処に言いづらい部分があるんだろう?

 

 ※皆さんも良かったら考えてみてね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、答えは分かりました?」

 

 俺が自信満々の笑みを浮かべながら尋ねると、ランチさんは真っ赤な顔色を更に赤くし、今までの態度が嘘のように乙女チックにモジモジとし始めた。

 ……ただし、モジモジとしているのが普通の乙女なら手遊び程度になるのだが、ランチさんの場合だとスパスの解体になる。……こえぇよ。

 

「お、オレは良いよ。今回は譲ってやるからよ、ブロリーが答えると良いぞ」

 

「何をそんなに恥ずかしがる必要が? ランチさんは大人の女性でしょう?」

 

「う、うるせぇよ! お、オレだってまだ経験がないんだから、人前でアレの名前を叫ぶのは……お、お前が分かってるならお前が答えりゃ良いだろが! れっきとした男だろ、ブロリーは!」

 

 はい、皆さん聞きましたか? ランチさんは処女だそうですよ。

 あれだけ傍若無人な振る舞いをする人だが、貞操観念は確りしているらしい。……ちょっと予想外で、天津飯の嫁にますます相応しいのではと思っちゃったぜ。

 

 まぁ兎も角、彼女が何故この質問文の答えに恥ずかしそうにしているかは、その答えが分かっている諸君でも意味不明な部分が多分にあるだろう。

 そう、彼女は勘違いしているのだ。そしてその回答を、彼女と俺との遣り取りを見ていた君達の中にも勘違いしてニヤニヤしている者も多くいるだろう。

 

 一応、大切な事だから言わせて貰うぞ?

 

 読者諸君、何時から勘違いしていた?

 

 答えは、断じてチ〇ポではないぞ!

 

 そんな恥ずかしい答えを予想した君!君が未成年で、まだ十代前半だと言うなら直ぐに現実を理解しなさい!

 

 男のイチモツは、成人した男でも本番でそれ程に大きく変化しません! 自分が成人した時、自分のJr.が小さいかも、なんて悲壮感を味わう事がないように理解しときなさい!

 

 そして、十代前半の女の子達よ!そしてまだ男のイチモツを見た事がない淑女達よ! 男のイチモツが六倍も大きくなるなんて幻想を抱いていたら、初めての一夜のその時にガッカリする日が来ます! 現実を知りなさい!

 

 

 さて、長々と説教してしまったが、その説教中にランチさんの無言の視線が徐々に鋭くなって来たので、ここらで本当の正解を発表しとこう。

 焦らし過ぎてスパスで撃たれるとか嫌だしね。……まぁ、多分撃たれても、多少痛い程度だと思われるのだが。

 

「正解は、瞳孔!!!!」

 

 肺の中の空気を全部吐き出す勢いで俺が正解の回答を叫ぶと、ランチさんがポカーンとした顔を俺に向けているのが視界に入った。

 そしてその数瞬後、俺を讃えるように動き始める金庫の扉によって、瞳孔という回答が正しいのだと理解したランチさんは………

 

「ふ、ふざけんじゃねぇぞ!! この問題を考えたヤツは殺してやる!!」

 

 顔色を真っ赤にしつつドッカンドッカンと銃声を響かせながら、金庫の扉の上に彫られてあった質問文を砕いていた。

 俺に自分が処女だって暴露しちゃったし、回答が卑猥なものだと勘違いしていたのもあるし、彼女からしたら踏んだり蹴ったりな出来事だったのだろう。

 

 うん、分かるよ、その気恥ずかしさは。

 

 でも、その照れ隠しに銃声を響かせるのは止めて貰いたい。……怖いです。滅茶苦茶怖いです。

 だけどその照れている表情は、結構可愛い。勿論、そんな事を口にすれば撃たれるので、俺はそんな無謀な事は言わないけどな。

 

「ランチさん、扉が開きましたから行きましょうよ。弾の無駄でしょ?」

 

「…………分かった」

 

 大人な俺は、先程のランチさんが何を勘違いしていたのかと口にしたりはせずにそう言うと、聞こえるか聞こえないかの微妙な声音で返事をするランチさん。

 彼女の意外な一面を知れた瞬間であったと言えるだろう。

 

 ともあれ、俺達は真っ暗な金庫の中へと、少し期待しながら入って行く。

 ランチさんは未だに落ち込んでいるけどね。

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