ブロッコリー……じゃなくて、ブロリー!   作:Mr.ねこ

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第2話

 宇宙船ポッドの中での生活は、実に快適だった………と言うか、睡眠装置なのか何なのか知らないが、飛び立つなりすぐに眠らされたのでブッチャけるとよく分からん。

 だが、多分一年くらいポッドの中に綴じ込められたままだったんじゃないかと言うのは間違いないと思う。何故なら、地球へと辿り着いて眠りから覚めた俺の体が少し大きくなっていたのがその証拠だ。

 そしてパクったスカウターで計測したら、戦闘力が1だった筈なのに十倍になっていた。流石は戦闘民族である。眠っているだけで上がるとは思いもしなかったよ………いや、成長したからか?

 しかし、俺が戦闘力10になったという事は、カカロットは既に20くらいはあるかもしれない。そう思うとちょっと泣けてくる。

 

 まぁ、それは良いとして、だ。カカロット(面倒なので次から悟空と呼ぶ)と同じ星だとしても、すぐ近くに落ちたのだろうか?

 

 同じ地域に落ちたとしたら、恐竜とかが居る筈だ。今の俺だと瞬殺されるだろうし、ブッチャケると少し怖い((( ;゚Д゚)))。

 

 なので、少々おっかなびっくりでポッドから出ると、周囲へと視線を向けてみる。だが、俺の乗っていたポッドのせいで巨大なクレーターが出来ており、何も見えなかった。

 

 仕方がないので、少し腰の引けた足取りでクレーターの上まで移動する。因みに、もう普通に歩けた。生後一歳で歩けるとか凄すぎじゃね?

 

 まぁ、それは良いとして、スカウターで周辺の数値に注意しつつ上がりきると、牧歌的な風景が広がっているのを見て少々気が抜けた。ちょっとビビり過ぎていたらしい。

 

 人工的な建築物は見当たらないが、危険そうな生物も見当たらないので良しとしとこう。それよりも今の一番の問題は、腹が滅茶苦茶空いている事だ。

 一年も寝たきり雀だったのだから当然だろう。

 

「いや待てよ……ポッドの中で一年も食事無しで寝てたのか? そんな訳無いよな? 実は、寝てる人に自動で食事を摂らせる機能があったりするのかも」

 

 あれ? 何気なく呟いてみたが、ナチュラルに喋れてるな。声帯も一年で喋れる程に成長するんだなぁ、サイヤ人って。

 

 自身の成長が胸にジーンと響く。いや、実のところそこまで感慨深いものは無いんだけどね。何となく感動したフリでもしとくべきかなって……テヘペロ。

 

「それより、マジでお腹空いたぁ」

 

 周囲に何か食べられる物がないかと見渡してみると、ラッキーな事に果実が沢山あるようだった。多分、ビワかな?

 他にも、梨のような物やミカンのような物もあり、食べ物には困る事はないようだ。

 

 とは言え、実際のところ食べられる物なのかは知らない。

 

 千切った果実の皮を剥き、恐る恐る口に入れてみる。

 

「うんまいな!!」

 

 品種改良もされてない野生の果実なのにも関わらず、味は最高だ。

 俺は、食欲が指示する通りに次々に果実を口に放り込むが、一つとしてハズレは無かった。

 

 マジで満腹になった俺は、食後の一息をつきつつふと気付く。

 もしかして………いや、もしかしなくても、今の俺って家無し子だよね? 安心した瞬間に、その絶望の事実に気付いたよ。

 

 今のところ周囲の様子を見ている限り危険は少なそうに感じられるけど、こんな見ず知らずの場所で野宿する勇気は無いぞ。

 肉食の獣に襲われるかもしれないし、夜だと夜行性の危ない動物とか沢山出そうでもある。

 

 ……うむ。ヤバいでしょ! このままじゃいかん! どげんかせんといかん!

 

 と言う訳で、取り敢えず周辺の調査をしてみよう。もしかしたら、人が住む町とかがあるかもしれない。……まぁ、見ず知らずの俺を泊めてくれるかどうかは疑問だが。

 しかし、行動しない事にはどうなるか分からないし、兎に角行動あるのみである。

 

 意を決して適当な方角に歩き続ける事三時間、めぼしい物は何も見当たらない。

 

 五時間後、何も無い。

 

 六時間後………。

 

 ふははははは!! 何も無いし、誰も居なーーーーい!!

 何でやねん!! 一人くらい居てくれても良いじゃん!!

 

 ガックリ項垂れつつ地面に腰を降ろす。そして、はぁぁぁぁと盛大に溜め息を漏らした。

 だが此処まで歩き続けていたが、戦闘民族の体は伊達ではなく一切疲れていないのは素直に称賛しよう。家は見付けられていないけどね。

 

 もう夕方となり始めているし、今日は野宿も仕方ないかも。正直に言えば、現代っ子の俺に野宿とか考えられないけど(ドが付く田舎の人間だけど、野宿はイヤだ)、家屋が見付からないのだから仕方ない。

 

 安全面を考えせめて見晴らしの良い丘の上へと移動しようと考え、手頃な丘を発見し次第、登ってみた。すると、俺の幸運もなかなか捨てたもんじゃなかったようだと確信する結果になる。

 

 なんとなんと!! 捨てられてから暫く経った家を発見したのだ!!

 

 しかも、埃は積もっているが屋根もしっかりしてるし、床も朽ちていたりしない。掃除さえすれば、最高の物件である。

 

 余りにも嬉しかったので、テンションに任せるままに掃除をしていたら、あっという間に夜となった。

 幸い、火打石もあったし灯りも点けられたので暗闇に怯える事もないだろう。

 

「……良い感じじゃん。風呂場は五右衛門風呂ってのがまた良いし、雰囲気が古き善き日本家屋って感じで最高だよ」

 

 ブッチャケると、日本に居た時より良い家だと言える。そう思うと、どんだけブラックな給料だったのかと思い少し切ない気分になるが、のんびりした家にこれまたのんびりした日常を送れると考えれば気分も高揚してくる。

 

 ま、それはそうと今日はそこそこ頑張ったので、もう寝させて貰いまっせぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●特に変化もないので、ここからはダイジェストでお送りします。●

 

 地球での生活二日目。

 気持ちの良い天気の中、清々しい気分で目を覚ました俺は、近くの川で顔と体を洗い、ついでに魚を手掴みで取った。

 原作で悟空が仕留めていたような肉食の巨大な魚ではなく、いたって普通の魚だったのが少々残念であるが、焼いて食べると最高に旨かったぜ!

 

 その後は、家の中に放置されてあった斧を使用して、薪割りに勤しんだ。そして、それで一日は終了。

 

 

 

 地球での生活三日目。

 今日も今日とて果実や魚を主食として過ごしつつ、これまた放置されていたナイフを使って釣竿や食器を作る。

 そんでもって、少し探検気分で周辺調査をしていると岩塩が採れる場所を発見した。これで食塩やミネラルについても問題解決である。

 

 地球での生活四日目。

 岩塩のお陰で魚が旨い!! 勿論、果実も問題なく旨いぞ!!

 因みに、山葡萄に似た果実の群生地を見付けられたので幸運だった。味も普通の山葡萄より旨い!

 

 

 地球での生活五日目。

 今日はここ数日と同じ食事をした後、本格的に周辺の調査をしてみた。だいたい、半径十キロ圏内は隅々まで調べたと思う。

 その結果は、残念ながら誰も居ないというものだった。

 

 ただし、ティラノサウルスに似ている恐竜は見付けられたぜ! 正直に言うと、ちょっとビビり過ぎて小便チビっちゃったけどそれは内緒だ! もう一度言うぞ! 内緒だからな!

 

 因みに、地球に来てからこれまでズーーーーット真っ裸である。一歳児だから許されるが、出来れば服が欲しい。現代っ子に真っ裸は辛すぎる。

 

 地球に来てから六日目。

 朝に腹部の違和感を感じて起床すると、30センチ近いムカデが居た。

 寝起きというのもあり、暫くボーッとしていると、思っくそ噛まれた! 痛すぎてワロエナイ!

 

 しかもあっという間に、腹部にバレーボールが入っているのかと疑うくらいに腫れ上がり、最悪の気分です。……痛いし、今日は何もする気にならないよ。

 

 地球に来てから七日目。

 昨日ムカデに噛まれて腫れた腹部は、もう元通りに治っていた。サイヤ人の体の凄さを改めて実感すると同時に、滅茶苦茶感謝しましたよ。

 いやぁ、サイヤ人ってスゲェ! もしかしたら、ブロリーの体が特別凄いのかもしれないけどね。

 まぁ、戦闘力は相変わらず10だけど……。

 

 何で戦闘力が低いのだろうか? ブロリーって生まれてすぐには10000はあったよね?

 

 俺がブロリーに転生?憑依?したからだろうか? でも、もしそうだとしても、ブロリーのポテンシャルは変わらないだろうし、修行すれば強くなれるかも?

 

 地球に来てから八日目。

 何も無い日常に飽きてきたってのもあるが、家の近くに恐竜が居たのは確認したし、尚且つ馬鹿デカイムカデに襲われたのもあって修行を始めた。

 やるのは勿論、悟空やクリリンが行った修行方である。

 

 気合いの掛け声で自身を奮い立たせ、素手で畑を耕すという荒行を始めてから三十分、あまりの痛みに挫折。

 痛すぎ、ワロエナイ。爪と皮膚の間が裂ける痛みに堪えられませんでした。

 

 悟空とクリリンの根性ってヤバすぎ! 俺には出来そうもないっす!!

 

 と言う訳で、取り敢えず足腰を鍛える事から始める事にした。

 今日は30キロ走って、薪割りをし続けたので良しとしとこう。

 

 地球に来てから九日目。

 今日も朝から走り続け、昼からは薪割りに勤しむ。そして、念のために家の周囲にお手製の罠を仕掛けた。

 それと言うのも、恐竜に襲われないようにする為である。だが、猪用の罠が通用するのかは知らん。

 

 まぁ、恐竜の大きさから言って確実に通用するとは思えないが、何もしないよりはマシだろうと思う。

 

 因みに、罠は地元の猟友会のオッサン達に教えて貰った物で、猪相手なら間違いなく通用する筈だ。

 

 地球に来てから十日目。

 朝のランニングをしつつ仕掛けた罠を見て回っていたのだが、ワロエナイ現実を突き付けられた。朝から勘弁して欲しい。

 

 なんとなんと!! 罠に狼が掛かってました!! 肉食獣の登場でっせぇ!! しかも、狼は群れを作るんでっせぇ!!

 

 思った以上にこの辺の地域は危険なのかも……。早急に戦闘力を50くらいには上げないと死ぬかもしれない。

 

 突き付けられた現実に愕然とするものの、真面目に訓練しようと思わされる事になったと言える。事実、痛みで諦めた素手で畑を耕すという荒行を、今日はなんとか堪えつつやり遂げた。

 まぁ、一日やっただけじゃ意味がないとは思うが、これを弾みにして頑張ろうと思う。

 

 地球に来てから十一日日目。

 朝起きたら、意外に手が痛くなくてビックリしたよ。やっぱりこれもサイヤ人効果だろうか?

 だとしたら、非常に有り難いと言わざるを得ないだろう。

 

 地球に来てから十二日目。

 まだ畑を耕すのは三日目なのだが、もう慣れ始めていて、あまり痛みを感じなくなった。麻痺したのかと一瞬だけ思ったが、そう言う事ではないようだ。

 純粋に、手が………いや、正確に言えば手の皮膚が、と言った方が正しいだろう。まぁ、兎も角、皮膚が強靭になっているらしい。

 

 サイヤ人万歳!! ブロリー万歳!!

 

 恐竜とかムカデとか狼とか見て、かなりビビっていたけど何とかなりそうだ。ホッとしたよ。

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