ブロッコリー……じゃなくて、ブロリー!   作:Mr.ねこ

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第4話

「ま、良いか。ドラゴンボールを探す為には道を聞かなきゃならないし、人が居る事を祈っておきましょ。

 ごめんくださーい! 誰か居ますぅ?」

 

 ………は? ………え?

 外から聞こえる女性の声は、確かに“ドラゴンボール”と発言したよね? ドラゴンボールの存在を知ってるとか、一体全体何者だ?

 

 驚愕の発言に戸惑っていた俺は、先程の失礼な言葉を忘れ呆然としてしまう。だが、再度外から俺を呼ぶ声により我を取り戻した。

 そして、声の主の正体を何者かと考えつつ外に出た俺を待っていたのは、俺の顔を見た途端に顔色を真っ赤にし始めた真っ青な髪色の女の子だった。

 

 ……誰だ? 原作キャラじゃねぇな。

 

 一瞬だけブルマかと思ったが、それにしては子供っぽく見えるので、多分ブルマじゃないだろう。なら誰だろうか?

 

 目の前の女の子は、何故かモジモジとしつつ俺の顔をチラチラと見詰めてくる。………まぁ、何となく理由は分かるぞ。

 何せ、今の俺はブロリーなんだからな。自分で言うのも何だが、そこそこイケメンなのだ。

 ただし、年齢が十二才なので身長は150くらいしかないのだが。

 

 ……しっかし、目の前の女の子については分からんな。思い当たる節がない。強いて言えばブルマに似ているが、決定的に違う部分がある。

 

 それは、胸、だ。大事な事なのでもう一度言うが、胸、である。

 

 俺の年齢が十二才と言う事は、悟空も十二才になったと言う事。つまり、原作が始まる年な訳だ。なので、ブルマがドラゴンボールを探してたまたま此処に来たとしたら有り得る話だと言える。

 そして、初めて悟空とブルマが邂逅した時、ブルマの年齢は正確なところは不明(ブロリーは忘れてるだけ。原作開始時のブルマの年齢は16)であるが、胸が結構大きかったので十五才以上なのは間違いない筈である。

 だが、目の前で恥ずかしがっている女の子は、そのブルマに似てはいるものの、胸が小さすぎるのだ。

 

 と言う事は、目の前の女の子はブルマじゃないって事だろう。……それなら、何故ドラゴンボールを知ってるんだ?

 

 まぁ、ピラフとかがドラゴンボールの事を知っていたりするし、原作キャラ以外にもドラゴンボールを知ってても不思議はないのだが。ピラフもブルマも、文献を見てドラゴンボールの存在を知ったって原作で言ってたしな。

 

 絶賛恥ずかしがり中の女の子を尻目にクドクドと考え込んでいたのだが、何時までも考えていたとしてもしょうがないので、怖がらせないように意識しつつ声を掛ける。

 

「ドラゴンボールと言ってたようだけど、何でその名を知ってるのかな?」

 

 俺は肉体に精神が引っ張られているせいか、少し集中しないと子供っぽい口調になるので、相手を怖がらせないように意識しつつも子供っぽくならないように話し掛けた。

 すると、女の子は俺がドラゴンボールの事を知っていると分かって少し驚いたようだが、モジモジとしながら口を開く。

 

「えっと……家の書庫にあった文献で、何でも願いが叶うと言うドラゴンボールの存在を知ったの」

 

 ブルマやピラフと一緒か。となると、世の中には結構ドラゴンボールに関する記述が記された本が残ってるのかな?

 多分そうだろう。原作では登場しなかっただけで、こんな風に沢山の人がドラゴンボールを求めて世界中を旅してたのかもしれない。

 

「あの、アナタの名前は?」

 

「ん? ……ブロリーだ。君の名は?」

 

「良い名前ね! アタシは……」

 

「どうかした?」

 

「えっと……あんまり名前を名乗りたくないのよね」

 

 はて? 指名手配犯だろうか? いや、そんな訳ないか。見た目は可愛らしい女の子だし、犯罪を犯すような人物には見えないしな。

 ………いや、ランチさんと言う存在が居たか。でも、あれは二重人格だし、別枠かな?

 

 俺が名前を隠したがる女の子の理由を考えていると、暫く悩んでいた女の子が意を決したように強い視線を俺に向けて来た。

 

「笑わないでよ! 絶対よ!」

 

「……何故名乗るだけで俺が笑うと?」

 

「いいから! 約束出来るなら教えるわ!」

 

 身長が俺と変わらないから、多分俺と同年齢なのだろう。その女の子は、何故か強い口調で約束しろと言い募る。

 まぁ、人の名前を聞いて馬鹿にするような子供ではないし(精神年齢は40を超える)、俺には損をする事もないので無言で頷いた。

 

 すると、それを見て女の子はボソッと自身の名を口にした。が、しかし、あまりにも声が小さかったのが理由でしっかりと聞き取れず、思わず即座に聞き返してしまう。

 

「うぅ………だから、その……ルマよ」

 

「ん? ルマ、か?」

 

「もう! 一度で聞き取りなさいよ!」

 

 無茶も良いとこだ。声が小さいのだから聞き取れる訳がないだろう。俺はピッコロじゃないんだぞ。

 胸は小さいが、顔が似ているだけにブルマに見えてきたな。……強めの口調や態度が非常に似ていると言える。

 

 女の子はビシッと人差し指を俺に向けると、再び口を開く。

 

「アタシの名前はブ・ル・マ! 笑ったら許さないんだからね! もし笑ったら、アタシのボーイフレンドになって貰うわよ!」

 

 ………パードゥン? へ? 嘘だろ………?

 態度や口調は確かに似ているが、セクシー担当であるブルマの肝心な胸が小さいじゃん。原作だとヤムチャがシャワー中のブルマを覗く描写があったが、その時は結構なボリュームの胸が描かれていた。

 いや、それだけじゃない。透明人間と闘った時もそうだし、他にも度々胸を出すシーンがあったが、その全部で大人の胸を披露していた筈。

 そして何より、目の前のブルマだと宣言する女の子は、身長が小さくないか? 顔も似ていると言ったが、少し幼いようにも見える。

 年齢をどんなに高く見積もっても、十三才か十四才程にしか見えないぞ。

 

 何だこれ!? どうなってんの!?

 実はブルマは二人居た、とかか? いや、そんな訳ないとは思うが、もうそうとしか考えられない!

 

 俺が内心でパニックに陥っていると、何の反応も返さない俺を見て疑問に思ったブルマが更に言葉を紡ぐ。

 

「ちょっと、聞いてる? あ、さては心の中で笑ってるわね!?」

 

「い、いや、そうじゃない。少し動揺していただけだ」

 

「嘘おっしゃい! 内心だろうが表面でだろうが、笑った事には間違いないわ! 約束通り、アタシのボーイフレンドになって貰うわよ!」

 

 なんちゅう無茶苦茶な論理だよ! お前はジャイアンか!!

 目の前の女の子がブルマだと否定したい俺からしたら、そのブルマとしか思えない態度と口調は辛すぎる。………だって、セクシー担当の証拠とでも言える胸が……原作とは違って小さいのだと言う事実を認めなくてはならなくなるからだ。

 

 当時小学生だった俺の初恋が……俺の幻想が音もなく崩れさるのを感じた。だが、俺はどうしても諦めきれないでいる。

 もしかしたら原作では語られなかっただけで、双子という可能性も無いとは言いきれないだろ? だって、原作には登場しなかったけど、ブルマには姉のタイツって存在も居るのだし、双子の可能性も………いや、それなら同じ名前は付けないか。

 

 えぇぇぇぇ、勘弁してよぉΣ(Д゚;/)/ と言う事は、武天老師様とかヤムチャとかって、ロリコンだったんですか?

 うわぁ………ドン引きだ。マジでドン引きだし、心底落ち込んだ。

 

 原作キャラであるブルマを目前にして落ち込む俺に、ブルマは年齢を聞いてきた。多分、原作だとブルマは年上が好きっぽかったから、俺の年齢を聞けばボーイフレンド発言は撤回してくれるだろう。

 

 そう思い素直に十二才だと告げると、予想とは違って満面の笑みを浮かべるブルマ。

 

「本当!? アタシと同い年ね!」

 

 なん……だと!? ブルマは十二才だったのか!?

 って、そんな訳ないだろう。それだと色々と可笑しな事になってくるぞ。本当にヤムチャがロリコンになってしまう。

 それにヤムチャは原作で、異性だとしても子供なら緊張しないとプーアルに言っていたし、ブルマが十二才なら初めから緊張しなかった筈だ。でも、原作のヤムチャはしっかり緊張していたのだから、ブルマはそこそこの年齢だった筈である。

 

 ………もしかして、この世界はドラゴンボールに酷似した世界であり、全く同じ世界ではないとか? いや、それも可笑しな話だ。有り得ないだろう。

 

 何故ならば、もし酷似した世界であると仮定するなら、都合良く悟空が地球に送られるのが変だと言える。他の星に送られても不思議じゃない………と言うより、無限にある星の中で、何故都合良く辺境である地球に送られる?

 いくらパラレルワールドが存在するからと言っても、そんな都合良くいかないだろう。それにその都合の良い世界事情のところに、これまた俺と言う異分子が入り込む確率を考慮しても有り得ないと断言出来る要因だ。

 

 とするなら、あれ? 混乱してきたな。

 ……パニクりすぎて頭がこんがらがってきたぞ。

 

 だから、えぇと………いや、有り得るのか? つまり、このドラゴンボールの世界では、ブルマが悟空と同じ年齢だと言う訳であり………そうか、そう言う事か。

 

 別に大まかなところは変わらず、年齢だけが少し変化しているだけとするならば、大した違いはないと言える。それなら、少し変化しただけの世界に俺が来たと考えれば、確率的にはそんなに可笑しな部分はないよな?

 

 うむ、もう分からん! そう思っておこう!

 

 他の原作キャラはまだ会った事がないのではっきりとは言えないが、ブルマだけが原作とは違う年齢だとしたらそこまで大きな変化ではないし、そうすると世界にとって都合の良い事が頻発するという確率論的には有り得ない事情という訳でもないのだし、今のところ有り得る事だと思っておこう!

 

 一人内心でパニックに陥る俺とは正反対に、満面の笑みを浮かべるブルマは俺の右腕に自身の腕を絡ませてきた。

 そういや強制的に彼氏にされたんだっけ……原作のブルマと違うだけに、あまり嬉しくないな。

 

 原作のブルマだったら、泣いて喜んでただろうけどね。……でも現実は悲しいかな、胸が小さいし顔が幼い。

 

 つうか、マジで俺を彼氏にするつもりなのだろうか? 出会ったばかりなのに?

 ……あ〜でも、原作のブルマもヤムチャの事を碌に知らないのに彼氏にしてたなぁ。




 ブルマの年齢は、原作初期では16歳です。ですが、この作品の中では12歳という事で……変な改変だなと思うかもしれませんが、おひとつ宜しくどうぞ。
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