黒い少年と影の世界   作:ユキノス

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こんにちは、豹牙改めユキノスです。
あの……ロスト・ソングでやりたい事が多過ぎて……ホロウ・フラグメント早く終わらせなアカンとは思うとります。なので、こっからかなり駆け足になったり滅茶苦茶になったりするかもしれません。ですが、その辺りはどうかご容赦を……(懇願)。

さて今回は……今回、は……
…………ではどうぞ。(おい)


16:強さの意味

「あっ居た居た、おーい!」

ケントに気付き、手を振り返すキリト達だったが、素早く抜剣した。どうしたんだろうと考える間も無く、何体ものモンスターが襲い掛かってきた。

――そうだ、大声に反応して寄ってくるんだった!

と今更ながらに思い出し、音高く抜刀した勢いで横を通過した一匹に《辻風》を放つ。ダッシュの勢いや、腕の振りを含めて威力がブーストされたそれは、飛竜の頭を容易に落とした。唸る様な断末魔を聴覚から振り落とし、硬直が解けた途端、キリト一行の中で一番手間取っているプレイヤー――シノンへと向かっている(あぎと)を食い止めた。

「っ、ああっ!……悪い、大丈夫か?」

「え?ええ、なんとか……」

「そうか。俺が弾くから、その間に攻撃してくれ。後はその繰り返しでどうにかなる」

「……分かったわ」

「よし、行くぞ!」

フィリアとストレアも、飛竜の殲滅を始めている。2人の3グループ――しかもその内2グループは急拵えでここまで出来るのなら、きっとボスもちゃちゃっと倒せてしまいそうだ。

なんて考えていたからだろうか、目の前に飛竜が居た。

「おっと……スイッチ!」

「―――ハッ!」

素早くパリィで返し、仰け反った飛竜の腹に、シノンの《アーマー・ピアース》が命中した、が…………

(気のせいか、戦闘の運びが拙い気がするな……短剣に慣れてないのか?それとも別に何か……)

硬直から解けたシノンが身を引いたが、飛竜はスタンに陥っている。ゲージの残り具合からして、短剣でも押し切れる程度だ。

「シノン、そのまま倒しちまえ!腹に通常攻撃を――」

「ハアアアアッ!」

その短剣が、再びライトブルーの光を帯びた。ダメだ、アーマー・ピアース(それ)だと当たらない!

「待て、それは――」

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

「くっ……」

案の定、と言うべきか空を切った刺突。基本技の為短いが、それでも致命的な硬直に陥ったシノンを、飛竜の突進が襲った。クリティカルだったらしく、激しいライトエフェクトを散らして吹き飛ぶシノンは、がくんと減少したHPを眺め――しかし、恐怖を抱く事は無かった。否、恐怖を押し退けた。

――私は、強くならなきゃいけない!

既にゲージは黄色くなっ(半減し)ているが、一体それがどうしたと言うのだ。()()()に比べれば、こんなモノはただのゲームだ。ただ私はそこで、心が石の様に固くなり、流れる血が凍るまで、《敵》を排除していけば良い――――

「んむっ!?」

再び飛竜に攻撃を仕掛けようとしたシノンの口に、何か液体の入った小瓶が突っ込まれた。反射的に吐き出しそうになるが、相対したケントの瞳を見た途端、抵抗する気力が薄れてしまった。何故だろうか。

その真っ直ぐにこちらを見詰める瞳に、()()()()()()()()()()()()()()()

「シノン、頼むから無茶はしないでくれ。……もう、誰一人として失いたくないんだよ……」

「……!」

ケントをちらりと横切った影、そして小声で発せられた台詞は――間違いない、ケントも背負っている。シノンのものとは別だが、人を――――

「グオォォォ!」

「うるせえ」

そう言って横凪ぎに振るわれた黒い刀身は、シノンの目で捉える事は出来なかった。

――強い。コイツは、《強さ》を知っている。

「……ふうっ、どうにか終わったな」

「もー……元はと言えばケントが原因でしょ?」

「そうだっけー覚えてないなあははー」

……知って、いるのだろう。きっと。




シノンの過去を全力でふざけて説明するとなると、「誰かお客様の中で強さをお持ちの方は居ませんか!」的なやーつです(ごめんなさい)。
ではまた次回。
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