前回、「レベリングに行く」と駆け出したフィリアですが……?
今回はフィリア視点になります。前半ケント出ません。
ではどうぞ。
「…………」
「よう、久し振りだなぁ」
「……何の用?」
いつの間にか来ていたメッセージ。呼び出しの内容だったそれは、不本意ながらも
「――
「おいおい、そんなに嫌そうな顔すんなよ。俺ァ悲しいぜぇ?」
「前置きはいいから。……さっさと用件を言って」
「おー怖い怖い。おめぇに依頼だぜ、俺から直々にだ」
「ッ……」
この男と関わりを持つ以上、いずれは
何故なら私は、PoHと出会ってからひと月も経っていないのだ。それなのに依頼とは、ラフコフも相当にメンバーが減ったのか――と思いつつ、標的とされる不運な―と言っても手を出すつもりは無い―人物の名を聞いた時。私は、心臓を持ち上げられた様な気分になった。
「――嘘、でしょ?」
「俺ァ嘘が嫌いだぜェ?ま、お前にしか出来ねーだろーよ」
Good Luck、の言葉と共に肩を叩かれ、音を立てずに歩き去っていくPoHには目もくれずへたりこみ、徐々に全身が震え始めた。
「出来ない……私には……出来ない……っ」
誰も居ない空間で、ただ声が響いていた。
―*―*―*―*―*―*―*
「――フィリアー!」
「きゃっ!?」
「むー、やっと気付いた……ずっとぼーっとしてるんだもん」
「あはは……ごめんごめん」
私の前で笑うケントは、過去に(PoHとは違えど)何人かの人を目の前で亡くしているとは思えない程に無邪気で、しかし傍から見ても無理をしていると分かる。
――そんな彼を、殺す?
嫌だ。私は、彼を殺したくない。一緒に居たい。でもそれは叶わない。私は《ホロウ・データ》で、
頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。何が真実で、何が嘘かさえも分からなくなってきた。ごうごうと耳鳴りがする。視界が定まらない。
「あ……あっ……」
「フィリアッ!落ち着いて、僕が居る!だから、気をしっかり持って!今自動ログアウトなんてしたとしたらどうなるか分からない!だから今は!僕だけを見てて!」
「ケント……助けて、ケント……」
感情の制御も出来ない。ぽろぽろと際限なく涙が溢れ、目の前の彼を目一杯抱きしめた。頭の中のぐちゃぐちゃが、少し和らいだ気がした。
そこまできて、ようやく気付く。私は、ケントが好きなのだ。望まぬ屍を生み出してしまった、とっても優しく、儚く、小さな死神。
守ってあげたい、と思った。しかし、実際守られているのは私だった。安全も味方も無かった《ホロウ・エリア》で蝕まれた精神を、お釣りが来る程度に癒してくれたのだから。
「……よしよし……もう大丈夫だよ……」
そっと抱き返され、撫でられた頭を通して、ケントという不思議な少年の温もりを感じた。
ええ話や……(お前が言うな)。
因みにですが俺が英語苦手な為、この作品のPoHさんは基本的に英語使いません。意味とかスペル違ったら恥ずかしいですからねぇ……(遠い目)
でも実際、フィリアって精神崩壊しててもおかしくないレベルで追い詰められてましたよね……《圏内》のほぼ無い、
ではまた次回。