黒い少年と影の世界   作:ユキノス

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こんにちは、水着邪ンヌが欲しくて3日でバビロニア~ソロモンまで終わらせたユキノスです。スピードを手に入れる代償として、大量の聖晶石と令呪が犠牲になりました(白目)。

さて前回は、モンスターから逃げた所で終わりました。今回はどう終わるんでしょうか?(謎)
ではどうぞ。


23:機転の起点

「あー、うー……何も無い!畜生!」

「わ、ちょっと落ち着いて……」

「舌噛むからあんま喋んない方が良い!今は兎に角逃げ――えっ、待って多くない!?10体以上居るんだけど!?」

ただ今絶賛逃走中。いやこれ何が恐ろしいって、今もモンスター増えてるんだよね。そうでなくても、トラップもガン無視。止まったら間違いなく戦闘、でも道は狭い。そう言えば昔、ロボットアニメの団長が「止まるんじゃねぇぞ……」と遺していたのを思い出した。死に様をネタにしないでやって。

「――いやいや、そうじゃなくて……っと!?」

かちっ、という音が足元から聞こえた。もしかしなくても――

「トラップ!ってあれ、壁が開いて……」

「じゃあ、あそこで……!」

「お礼参りといこうか!」

「うん!」

現実世界でこんな事したら絶対に酸欠で倒れるレベルの距離を全速力で走ったが、流石にアグロ化が解かれる訳ではなかったらしい。スケルトンやらゾンビやらが、ワラワラと集まってきた。

「うわ……あれって、皆……」

「大方、海賊の宝を取りに来た元人間……って所じゃないかな?」

「死霊かぁ……なんか抵抗あるなぁ」

「触れるだけマシだと思うよー……」

「……うん、そうだね」

「CUCAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」

「あ゛ーっ、うるさいっ!」

デバフ付きの咆哮だろうけど、そんなもんお構い無しに突貫する。……だって、なんか知らないけどデバフ来ないんだもん……

「セリャアッ!」

シュカーン!と気持ちいい音を立てて、スケルトンの首を跳ね飛ばすフィリアと、ひたすらにゾンビを惨殺していく僕。傍から見たらバーサークなのだろうが、こっちとしては大真面目にやっているので、どうか分かってほしい。のほほんとした雰囲気だったので忘れている人も多いだろうが、これはデスゲームなのだ。落下だろうと毒だろうとPKだろうと、死んだら終わり。

「そこを……どけぇっ!」

曲刀から刀に持ち替え、モンスターの弱点部位―プレイヤーで言う首や心臓、アストラル系だとコアだ―を薙ぎ払う。中々に神経を使う妙技だが、慣れてしまえばどうって事はない。

 

 

30分後……

 

「CUCYAAAAAAAA……」

最後の1匹が消滅し、ぺたんと膝をついてしまう。……何故か出来てしまう女の子座り。関節に少し異常があるとか何とか。まあ、ずっと座りっぱなしでPC弄ってたら異常くらいあって当然か。

「はぁー……終わったぁ……」

「お疲れ様~……」

ずっと気張っていたので少しクラッときたが、ここで倒れる訳にはいかないと持ち堪える。でも仰向けに寝転びはしとこう……という事で、ごろーん。

「……んん?」

「どうしたの?」

「いや……一瞬、1箇所がボヤけた様な……」

「ええ……?何も無――~~~~~~っ」

ガツッという、何とも痛そうな音と共に崩れ落ちるフィリア。……あ、これ絶対角入ったな……。

「何かある!そして痛い!」

「大丈夫~?痛いの痛いの飛んでけー」

実は効果があるらしいこの言葉。SAOで効果があるかは謎。確かシステム的に無かった気がする。

「ふーむ……あっ、これ宝箱だ!」

「ほんと!?」

事実だ。《索敵》で調べた所、普通に看破されて宝箱が現れたのだから。……どういう原理?

「ふーーーむ……」

「おったかっらおったかっらなーにっかなー♪」

考えている間に、トラップ解除~鍵開けまで終わらせてしまったフィリアに感服しつつも、中身は気になる為除き見。

「……え゛っ」

「うわぁ……」

中身はなんと、大量の胡椒(に似た香料)だった。……何故に?

「なんで胡椒ー?お宝じゃ……」

「あ、そうか……ははっ、大事な事忘れてた」

「……?」

「昔、()()()()()()()()()()()()()()()。だからこれを隠した海賊も、胡椒を《貴重なお宝》として隠したんだ」

「そっかー……残念」

過程が過程だっただけに、しゅんと肩を落としてしまったフィリア。本当に残念だったのだろう、髪型も少し垂れている(気がした)。

「……まあ、また次のお宝を探しに行こうよ。勿論、その時は手伝うからさ」

「……うんっ」

尋常ではない無理をしていた上、味方もほとんど居なかったフィリア。お宝を渇望していたのはそのせいなのか……?と考えたが、これ以上聞いたらそれこそ何が起きるか分からないのでやめた。それに、トレジャーハンターを始めたのが序盤だったら笑えないし。

 

「――とりあえず明日から攻略だね」

「うん、頑張ろう」

互いに手と手を取り合って立ち上がり、せめて明るくならないかと、僕が知っている数少ない歌を口ずさみながら《管理区》へ帰った。

 

 

―*―*―*―*―*―*―*

 

「おいオメーら、やけに時間掛かったじゃねえか」

「いやー、思ったよりタフだったんぐほっ……」

PoHは苛立っていた。迷い込んで、オレンジになった少女は引き抜けない。因縁の黒い少年も殺せない。黒の剣士と閃光も殺せない。

――全てが、PoHに刃向かっているかの様に。

歯軋りをした奥で、深淵の様な瞳がキラリと光った。

「何が何でも殺してやるぜぇ……待ってやがれ……」

闇夜にポンチョが(なび)いていた。




PoHの旦那はご立腹。いやーほならね?自分で殺ってみろって話でしょ?私はそう言いたい。アッアッアッ


という訳で、入り江の宝探し編でした。次回から通常の攻略に戻ります。早くアインクラッドの日常が書きたい……
ではまた次回。
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