という訳で、今回は攻略です。岩砕きましょ。
ではどうぞ。
「──そぉいっ!」
オブジェクトの岩がガラス音を放つのはどうにも慣れないけど、意外と爽快感はある。 と言っても遊んでる訳じゃないよ?ちゃんと攻略中だよ?
と言うのも、実は攻略中、ダンジョン内に破壊可能な岩を見つけたのだ。 カーソルを合わせられ、なんとHPの概念がある事が判明したが、斬っても突いても減らない。 じゃあどうするか、と思った矢先、《岩砕きのマトック》の存在を思い出したのだ。 てけてん。
「ふぅー……だいぶ奥まで進んだねぇ」
マッピングはしてるけど、そこそこ入り組んでたりするのでちょっと帰るのが面倒。 転移結晶も安くないしね。
「ふふっ、そうだね……ちょっと休憩する?」
「ん、そうしよっか」
時刻は昼過ぎ。 昼食は食べたけど、流石にハンマーを振ってばかりだと疲れてくる。 そう思うと、リズって相当凄い事してるんだなって。 ……なんて、今更だけどね。
それはそうと、岩に腰掛けて無言のままだと(精神的に)休憩と言うか微妙なので、明るい話でもしないといよいよ参ってしまう。 ……というか、ここ最近寝てないから余計にそう考えてしまうんだろうけど。
「ねぇフィリア」
「ん、どうしたの?」
「フィリアはさ、《ホロウ・エリア》から出られたら何したい?」
「私は───アインクラッドで、何か食べたいかな。 《
「……フィリア?」
気のせい、だと良いんだけど……。 彼女の顔に、どこか暗い影が落ちたような気がした。 説明出来る言葉は無いけど、何か、深い深い闇のような……
「っ、ううんなんでもない。 なんでも、ないから……早く行こ、日が暮れちゃうよ」
「えっちょ、まだ30分しか休んでな……あー待ってそっち壊せる岩あるからー! マトック無いと壊せないよー!」
今はまだ詳細も掴めない黒い影が、何故か僕に向けて笑っている気がした。 その寒気がする嫌な感じは、PoHに向けられたものと酷似していた。
ー*ー*ー*ー*ー*ー*ー*
「せいっ!」
相変わらず変わらない硝子音と共に消えた岩の跡を進むと、レールとトロッコが置いてあった。 どちらも破壊不能オブジェクトらしく、押してもうんともすんとも言わない。
「んー……ここは、廃坑ってとこかな」
「みたいだね……うわ、あちこちに水晶があるよ。 換金出来たらいくらになるんだろ」
即物的だって? ……いいじゃん、別に。 コルは有り余ってるけど、あって困らないことは無いから。 《はじまりの街》で配ったりね。 ……あ、もうそれ出来ないじゃん。 アルゴもこっち来ちゃったし、信頼出来る知り合い皆下層に居ないし。
という事で、まあ奥に進んでみた訳ですよ。 そしたらですね。 部屋のド真ん中に宝箱があった。 怪し過ぎる。
「……なんじゃあの分かりやすく罠っぽい宝箱は」
「あ、あははは……とりあえず、トラップだったら解除するね」
指をわきわきと動かして宝箱に手をかけるフィリアの後ろで、すぐに抜刀出来るように─モンスターだった場合が怖いから、というのは分かってくれると思う─していたけど、トラップもへったくれも無いぐらいにすんなり開いた。 そこはトラップじゃないのかよ。
「そこはトラップじゃないのかよ」
口に出てた。 いやでもさぁ、こういうのって大体ドッキリじゃない? 僕の思い込み?
「ふふっ、そう思った? ……そうそう、ほらっ。 こんな鍵が入ってたよ」
「………錆びが凄いなぁ、使えるのこれ?」
「ふっふーん。 私の手に掛かれば、そんなのわけないよ!」
凄い、探索する上でフィリアめちゃくちゃ頼りになる。 しかもある程度ならソロでも十分戦えるとかホントに凄い。 狂ったように戦闘ばっかしてた僕とは大違い。
……自分で言ってて悲しくなってきた。
「……でもこれ、どの辺で使うんだろ?」
「あー……確か、砦の2階に扉があった気がする。 そこじゃないかな?」
「うん、じゃあ次はそこだね」
えいえいおー、なんて言った後で少し子供扱いされてる気がした。 まあ子供だし、《ラボ》の人で慣れてるからいいや。
このペースだと、恐らくですが次回の次回辺りでボス戦ですかね?
多分守られないんだろうなぁ……遅くなるんだろうなぁ……と思ったそこの貴方!多分その予想当たります()
ではまた次回。