ラストファラオ   作:蕎麦饂飩

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暗闇に月は輝いて

そして宴の翌日の事。

 

私達は騎士王の座すキャメロットに特異点を解決するために出発する事になった。

何故かそこにオジマンディアスを除くファラオ組+その旦那が付いてくることになった。

親子と親戚のお姉さんでピクニックにでも行く雰囲気だ。

若干1名、母親の再婚相手の様な男に対して、まだまだ割り切りの利かないショタな青年がいるが。

 

 

「相手が誰であろうと心配はいらない。我が頭脳のキレを御見せしよう」

 

「カエサル様素敵…」

 

うん、敵に回すと恐ろしいけど、味方に回すと恐ろしい程頼りになるんだ。このDEBU…もとい元DEBUは。

 

「ははは、うん? カエサリオンも応援してくれないのか?」

 

「そうよ? カエサリオンちゃん」

 

 

 

「…ちゃん……僕…ファラオ……威厳……憧れ…ニトクリス…前……もう一回死にたい」

 

彼の横にいる私にも全部は聞き取れなかったが、彼のライフはもう0だった。

彼の心はボロボロだ。

…そこに愉悦を感じないと言えば嘘になるかもしれないけど。

 

 

 

 

 

 

かくして私達はキャメロットに辿り着いた。

粛清騎士を手玉に取る様にエジプト兵を使って翻弄するカエサルとそのサポートをするクレオパトラの2人を指揮官として残し、

私達は何時かとは逆にカエサルを味方としてキャメロットにゲリラ戦を仕掛けに行った。

 

 

 

 

 

だが、其処に居たのはキャメロット城と言う宝具を携えた、

ランサーとシールダーの2重クラスの(・・・・・・・・・・・・・・・・)アーサー王。

絶対防御を前に、遠距離からの砲撃を約束してくれていたオジマンディアスのピラミッドからの極太ビームは完全に弾かれた。

カエサル曰く最初に最大攻撃力を展開するのは定石の一つだったはずだが、それは失敗。

なので私達はルキウスの協力を得て忍び込む事を決意した。

 

 

 

 

そして、そんな私達を最初に待ち受けていたのは円卓一の忠義の騎士ガウェイン。

彼は太陽の出ている間は3倍に強くなるという事だが、アーサー王のせいで常にその恩恵が掛けられていた。

弱点などは存在しない、そのはずだった。

 

 

『終焉の輝きは共に沈む』(イレルブ・シェムス・マイア)

 

カエサリオンが宝具を展開すると同時に眩い光と共に世界が落日を迎えた。

空には輝かんばかりの太陽が存在する。しかし、それでも太陽は沈んでいた。

 

「何をしたっ!?」

 

ガウェインが叫ぶ。

それを聞いたカエサリオンは何時もの様に尊大に笑っていた。

 

「…知れた事。ファラオである余の敵に太陽が微笑む筈が無かろう。

ファラオこそ太陽そのものであるが故に。女王ニトクリス、此処は余に任せて先に行くがよい。」

 

「…良く解らないが、恩恵が無くともこのガウェインを倒せるとでも?」

 

そう冷静さを取り戻した強靭な騎士を前に、ニトクリスを先行させた彼は怖気る事無く身に纏ったマントを脱ぎ棄てた。

私はその姿を見て絶句した。

彼の首元から血が溢れる様に流れている。

間違いなく宝具の代償だ。

そして尚、彼は尊大に笑っていた。

これが、これがファラオ…。

 

「倒せるかどうかは問う必要はない。

貴様が平伏すというだけのことだ。」

 

 

そして、私が絶句した理由はもう一つある。

彼の腕に付いた巨大な黄金の板だった。

 

彼は自身の髪を梳く様に撫でると何十枚にも重なったパピルスと呼ばれる、

以前ネロの髪飾りに使った材質の紙を何時の間にか持っていた。

 

…ん?

 

 

「余の番だ。…来たれ砂塵の大竜巻よ。」

砂などある筈も無い石畳の空間に突如砂嵐が巻き起こった。

 

………んん?

ちょっと待って、それ、別のファラオじゃないっ?

私は昔何処かの漫画で見たエジプトの王を思い出した。

 

砂嵐の範囲は凄まじいが、ダメージとしては効いている様には思えない。

故に無理矢理突破してきたガウェインだったが、直ぐにその姿は見えなくなった。

 

「…太陽に顔を向け、頭を下げないから気が付かぬのだ」

 

…落とし穴ですか。

いや、確かに瞬間的に地形を改変する力は素晴らしいけど、

尊大な態度の割にやる事がみみっちいよ、ファラオ…。

 

その後も「余の制裁はまだ終わっておらぬ」と制裁と言う名の嫌がらせをしてガウェインを一時的に封印するにまで追い込んだ。

 

 

 

 

 

   △

_†△_△†_

 

 

 

 

あの子の努力を無駄にしない為に、敵地の奥へと駆け抜けた私を待ち構えていたのは、敵の騎士たちだった。

 

「悲しい、私は悲しい。貴女達のような女性を数人がかりで痛めつける事になるなんて。」

 

弓を持った騎士がそう嘆いているが、名立たる騎士で囲みながら矢を射続ける彼が言うと皮肉にしか聞こえない。

私は今でこそ盾の少女の活躍で何とかなっているが、そろそろ何とかしないといけないだろう。

 

「彼方より来たりし光は王には、そして我等には届かない。

そして貴女たちの実力では我等に敵わない。怪しげな鏡で誤魔化すのも無駄だと諦めるしかないのです。

ああ、実に悲しい。」

 

その男はそう嘆く様に悲しむように言う。

その言葉は私には蔑んでいるようにも感じられた。

 

自分の力の至らなさに沈んでいたでしょう。

諦めていたでしょう。

―――――――――――それは『彼』に出逢うまでの私に限った話ですが。

 

 

「この身はいと高きファラオ故、汝は逆らう事の愚さを知らぬ事を恥じ入るべきです。

…愚かな者達よ、上を見なさい。

鏡が鏡である事の恐ろしさを教えてあげましょう。」

 

私は自身で輝く太陽でなくとも、誰かの光を受けて輝く月で構わない。

いずれにせよ、地に住まう人には届かぬ至高の存在には変わりないのだから。

 

 

 

目が見えぬ騎士を除いた全ての者が私に警戒を払いながら上空を見て、そして絶句した。

 

 

キャメロットを飛び越えて上空を過ぎるものが在った。

それは――――――――世界を焼き尽くす極光。

それは――――――――神の化身の威光

それは――――――――複合大神殿が生み出した陽光。

 

 

「『ニトクリスの鏡』―――――多重展開ッ!! 今よっ、ラムセス(・・・・)ッ!!」

 

その光は更に輝きを増し、

一度はキャメロットの城壁に塞がれた太陽の輝きは、鏡と言う反射物を持って上空から侵入し、

鏡から鏡へと反射して、私に向かってきた全ての騎士を打倒した。

 

 

「ふっ、愚かな。」

 

私は一度行ってみたかった台詞を述べた直後、――――――槍に体を刺し抜かれた。

 

 

 

 

 

   △

_†△_△†_

 

 

僕が辿り着いた時、ニトクリス様は敵の王に刺し抜かれていた。

僕が憧れた、再び昇りし暁が、刺し抜かれ、再び冥府へと還っていった。

 

「………。」

 

「カエサリオン…?」

 

世界を救う少女が心配げに僕に問う。

僕はそんなに心配される様な顔をしているのだろうか?

いや、そんなハズはない。

だって、僕はファラオなのだから。

 

相手が女神だろうが、何であろうか知った事か。

僕達だってファラオなのだから。

 

 

…僕の召喚に応じ、操れるカーの中に、特別な存在がある。

そのカーは、いや強大なバーそのものであるそれは、付随するカーに力を与えて臨界させる。

 

 

僕が望むカーは女王ニトクリス様、そしてその化身の元たるホルス神(ホルアクティ)

 

 

「――――――――――――汝、昏き冥府の底より尚も輝く至高の太陽にして月よ。

我が願いに応え、その威光を示したまえ。

召喚――――――――――――――『女神・ニトクリス』」




多分、設定的には無理がありますが、すみません。
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