蛇の様な眼をした男   作:蕎麦饂飩

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捏造マシマシでお届けする荒波に囲まれた国の美青年のお話。


蛇の様な眼をした男

私は寒風とか荒波に囲まれた地域で生まれる事になった。

私、という一人称を使っているし、兄弟達と違って筋骨隆々でもないので仕方ないが、

一応私は男性なので、その所は記憶に留めておいてほしい。

 

私は一つの国家の王子である立場であるが、いかんせん肩身が狭い。

私の国の伝統として、男は筋骨隆々であるのが割りと普通だ。そうでないとモヤシ扱いされる。

体力が無さそうな子供は殺されかねない気性の荒すぎる国だった。

実際に、私の弟は似たような理由で実の父親に殺されかけた。

今ではその弟は国一番の怪力に加え、ゴム人間だと呼ばれる極限の軟体で海の男として名を挙げている。

肉体的な意味で骨が無いから軟体では誰にも負けないだろう。

まあ、海賊王を自他共に認める程に成長するとは小さなときは誰も想像もできなかったけどね。

 

私は容姿ゆえにいっそのこと女に生まれれば良かったと言われる事が多々ある。

うちの国の女性は細身だが、基本的に恐ろしい。

気に食わない事があったらグサーッっと刃傷沙汰になる事も呪い殺す事も割と普通にやってのけてしまうから。

だから男達には恐れられている。

 

それと、弟の軟体に一役買っているのかも知れないけれど、我が家ではやたら玉ねぎが食事に出された。

それも生だ。母親の大好物故に。

それがまかり通る程度には私の国の過程における妻の立ち位置が強い事は理解してもらえると思う。

 

細身でしかも男である私は王の長男として酷く肩身が狭いが、勉強や政治だけは得意だ。

というよりも、蛇の様な眼で大抵の人の過去を遡れる。

生き物限定の能力なので、誰も知らない事を知る事は出来ないが悪くない能力だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

で、今の私の状況なのだが、カルデアとかいう所に呼び出されて世界を修復するお手伝いをしている。

ドレイクとか言う女性には細身で陰湿なうちの国とは違う強い女性を見た。

だが、彼女が最初の海賊的に呼ばれている分には少々不満が無い訳では無い。

恐らく、弟が見たら真の海賊王決定戦が行われていただろう。

 

また、エイリークには同情を禁じ得なかった。

彼はやはり妻に尻に敷かれていた。かなり同情する。

だがそれは伝統行事みたいなもの故に彼も納得していた。最早仕方ない。

 

それと私だけは彼の妻とも素の彼とも普通に話す事が出来る故に、カルデアの皆はギャップに驚いていた。

まあ、理性的に会話すれば彼も私達に同行してくれてオケアノスを攻略するのに活躍してくれたし、結果として問題は無かっただろう。

私の正体を知った後は低頭平身だったが、最初は少々手荒な歓迎だったので、

序列というのを叩き込んでやることにした。彼の向こう側にいる彼の妻を含めて。

この様な細身のなりなのだが、魔術と細身の剣の扱いには少々自信があったからね。

 

私もこの魔術と容姿故に女性に生まれていればと、よくこちらに非が無い中傷を受けていた。

魔女と呼ばれた事すらあったから、久しぶりにその鬱憤を晴らす様に大人げない真似をしてしまった。

 

 

 

まあ、オケアノスは何だかんだで良い旅だったと言える、

一番酷かったのは贋作の英霊たちを黒い方のジャンヌダルクが呼び出した時だった。

アレは酷いものを見た。

というか見たくは無かった。私の祖母があんなにひどい筈が無い。

アメリカの時にも絶望したが、アレはアレであの時代の北欧では標準的な女性だったし。

少なくとも、私の周りでは。母もちょっとした夫婦喧嘩で父の加護を外して殺してしまっている事もあるから仕方ない。

喧嘩の原因が妻が選んだ服のセンスが悪いから勝手に夫が脱いだだけというとてもひどいものなのは最早何も言えないが、北欧ではよくある事だった。

 

そんな祖母でも、私と言う存在を可愛がってくれたことは普通に在り難い。

祖母が正当に愛した男性との子が母親である故に、私自身の存在が真実の愛の成就の証明として祖母を狂気から戻す事が出来る。

 

 

だからだろうか、黒いジャンヌダルクにはやたらと助けを求められた。

正直に言うと彼女の存在の方が祖母よりも私に面倒くさいので関わりたくも無かった。

 

だって、彼女に似た容姿で押しかける元気が有り余っているのが私の妻だった女性だ。

しかも妻は一見向日葵のようで、ちゃんと北欧的な素質を持っているのだから性質が悪い。

 

妻に振り回されるのならそれも其れでよいが、妻の様な女性に振り回されるのは勘弁願いたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ? 何か用かなエイリーク。

凄く申し訳無さそうな顔をして。それではまるで今から私に不利益な事を齎すようじゃないか。ははは。

 

「妻が、ある人が話をしたいので貴方に繋いで頂きたいと…。」

 

そうか、凄く、凄く嫌な予感がするが、それを避けると私は死ぬのかも知れないな。北欧的に考えて。

で? グンヒルド、聴こえているか?

その人物と言うのは誰なんだ? いや、言わなくても良い。君の申し訳無さそうな声だけで大凡見当が付く。

だから先に謝っておこう。それが良い。うん、それしかない。

 

 

「誤解だ。君に似ている女性に話しかけられただけで私から迫った訳じゃ無い。

そう、浮気なんかじゃないんだ。断じて違う。御祖母様に聞いて貰っても良い。

だからお仕置きは、お仕置きだけはっ、ああっーーー!!!」




尚、こってり絞られた模様。
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