もう、これUPする意味あるんだろうかって感じですが、現段階でのアルベドの心境(?)をどうしても書きたかったので、許して頂ければ幸いです…(深々)
玉座の間を退室したアルベドは、背後の扉が閉まったと同時にぺたりとその場にへたり込んだ。まるで全力疾走した直後のように荒い呼吸を繰り返し、小刻みに震える身体を両手で抱きしめる。
傍から見れば一見怯えている様に見えるかもしれない。
しかしその顔には抑えようのない笑みが深く浮かんでいた。
先ほどまでの玉座の間でのことを思い出して、なおも笑みが深まっていく。
それだけ先ほどまでの時間は彼女にとって至福の一時だった。
今夜、最後までナザリックに残っていてくれた慈悲深い主が玉座の間においでになっただけでなく、長年姿を隠されていた御方が二人も戻ってきてくれた。加えて折角問うてくれた問いにも答えられなかった我が身をあろうことか慰め、声をかけて下さったのだ。
謝って縋ることしかできなかった自分にかけられた言葉と手を握られた時に感じられた温度や力強さを思い出して、アルベドは思わずはぁっと熱い吐息を零した。
『…大丈夫、去ったりしないよ。えっと、俺もモモンガさんもウルベルトさんも、最後までここにいるつもりだから』
『ほら、もう泣かないでくれ。アルベドは美人だから泣き顔よりも笑顔の方がよっぽど綺麗で可愛いよ。一緒にモモンガさんのところに行こう』
頭の中に次々とペロロンチーノにかけられた言葉が蘇ってきて、大きな幸福感が身体中に広がって溢れそうになる。言葉だけでなくかけられた声音もまるで可愛い妹か娘を宥めるように柔らかく優しい響きを持っていて、今思い出しただけでもうっとりとしてしまう。
サキュバスとしての本能が疼くのを感じながら、アルベドはそっと深呼吸を繰り返して忠誠心でもってそれを抑え込んだ。
忠義を尽くそう…と改めて心に刻む。
自分の無能さを慈悲深くも許して下さったペロロンチーノ様やモモンガ様のためにも一層忠義を尽くさなくてはならない。ウルベルト様は無言で顔を顰められていたけれど、精一杯忠義を尽くし続ければ、きっとナザリックに留まって自分たちと共にいてくれるはず…。
一抹の不安を抱えながらも、アルベドは自身にそう言い聞かせてゆっくりと立ち上がった。一時間の猶予をもらってはいるものの、早く命令を遂行しようと足を踏み出す。直接足を運ばずとも〈
きっとこの胸の内さえも全てお見通しだったからこそ一時間も猶予を与えて下さったのだと、モモンガに対して更に尊敬の念を強める。
「…ふふっ、ペロロンチーノ様とウルベルト様のご帰還にみんな驚くでしょうね。特にシャルティアとデミウルゴスは…、一体どんな反応を見せるかしら?」
自分以外の守護者たちのことを思い出し、クスッと小さな笑みを浮かべる。
予期せぬ至高の御方々の帰還に、誰もが一様に驚きを露わにし、歓喜に震えることだろう。
特にシャルティアとデミウルゴスの反応が楽しみで、アルベドは直前まで御方々の帰還は秘密にしておこうと悪戯気な笑みを浮かばせた。
我儘を言えば、我が創造主であるタブラ・スマラグディナにも戻ってきてもらいたかった。恐らくシャルティアやデミウルゴス以外の守護者たちも自分の創造主を思い、少なからずアルベドと同じことを考えてしまうだろう。
しかし悲観することは決してないのだ。
少なくともペロロンチーノとウルベルトは戻って来てくれたのだ、他の方々とて戻ってくるかもしれない。例え戻ってきてくれないとしても、少なくとも自分たちが仕える主がモモンガ一人ではないことは喜ばしいことなのだ。
それにシャルティアの創造主であるペロロンチーノとアウラとマーレの創造主であるぶくぶく茶釜は姉弟であるし、デミウルゴスの創造主であるウルベルトとコキュートスの創造主である武人建御雷は非常に仲の良い間柄であったはずだとアルベドは記憶している。
全ての守護者たちがペロロンチーノとウルベルトを通して自分たちの創造主の存在を感じることができるのだ。それは彼らの何よりの慰めとなるだろう。
アルベドはかつてあったナザリックの黄金期がまた帰ってくるような期待を胸に溢れさせながら更に歩を進めていく。
彼女の足取りは軽く、楽しげな音がナザリックの広い空間に響いては消えてを繰り返していた。
アルベドに変に誤解されてしまうウルベルトさん…。
当小説ではアルベドはモモンガ様によって設定を弄られていないので、至高の御方々には等しく忠誠を誓っています。