世界という名の三つの宝石箱   作:ひよこ饅頭

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今回は、前回に引き続いて少々セバスに厳しめになっております!
セバスのファンの方はご注意ください!!


第43話 動き出す数多の思惑

 レオナールとしての装備の着替えとモモンガへの報告を終えたウルベルトは、セバスたちが撤収作業を進める館で朝を待ってから街へと繰り出していった。念のため王都の門に転移して門兵と少しだけ会話をしてから改めて街の中へと足を踏み入れる。

 帝都と違ってレオナールとしてのウルベルトの容姿に慣れていない人間たちは、ウルベルトの存在に気が付いては二度見をしたり道を開けていった。

 久しぶりに思える光景に、呆れにも似た懐かしささえ感じてしまう。

 思わず出そうになったため息を咄嗟に呑み込みながら、ウルベルトはあてもなく街中を歩いていった。これまでのセバスからの報告内容と照らし合わせながら、街の至る所を見て周る。

 ウルベルトの今回の行動はセバスがこれまで報告してきた内容に偽りが含まれていないかの確認……というのは半分冗談で、主には、やはり直接この目で見るのと見ないのとでは何事も少なからず違いが出てくると判断したためだった。

 “百聞は一見に如かず”という言葉もある。

 普通に知識だけが目的であれば実際に見る必要もないのかもしれないが、しかしウルベルトたちが目指しているのは世界征服なのだ。いずれこの王都もウルベルトたちが支配する場所となるのなら、知識だけでなく実際にこの目で見た方が何倍も有意義になると言えるだろう。加えて手に入れたい物もある。街を見て周りながら探し物を探すのも一興だろう。

 しかし、そんなある意味和やかな時間は残念ながら長くは続かなかった。

 

 丁度正午を過ぎたころ。

 数多くある武器や防具の店の内の一つを覗いていた頃、不意に何かが繋がるような感覚を頭の中に覚えて、ウルベルトはピタッと身体の動きを止めた。ナイフに伸びていた指先をゆっくりと離し、屈めていた背筋もゆっくりと元の姿勢に戻す。店の奥からも外からも多くの視線を感じるためあまりに不自然な動きはできないものの、なるべくいつも通りを装って店の外へと足先を向けた。

 急に方向転換したことにより店の外からこちらを窺っていた幾人かの見知らぬ女たちが短い奇声を上げてきたが、そんなことに構っている暇はない。社交辞令的な笑みを小さく浮かべて道を塞いでいる人ごみに向けてやりながら、またもや小さな奇声が至る所から聞こえてくるのを無視して大通りへと足を踏み出した。足早に道を進みながら、不意に角を曲がって裏通りへと入る。

 一気に薄暗くなる視界と、希薄になる人間の気配。

 未だ足を動かしながらザッと周りに視線を走らせると、そこで漸く頭の中にある感覚へと意識を向けた。

 

『……ウルベルトだ。誰だ?』

『あー、ウルベルトさん……? ペロロンチーノですけど……、今大丈夫ですか?』

 

 〈伝言(メッセージ)〉の思わぬ相手に、ウルベルトは虚を突かれて一瞬足を止めそうになった。

 ペロロンチーノとの間柄は数多くいたギルメンの中でも割と深いもので、例え言い争いをしたとしても蟠りを後に残すことはない。しかし流石にこんな短い期間での再度の接触は今までなく、ウルベルトは思わず首を傾げさせた。変わらぬ足取りで歩を進めながら頭の中の声に意識を集中させる。

 

『……ああ、大丈夫だが……なんだ? また何か問題事でも発生したのか?』

『え~と……、残念ながらその通りです……』

『……………………』

 

 ペロロンチーノからの返答に、ウルベルトは思わず半目になった。それと共に頭痛がするような気がしてくる。

 今度はどこの誰が一体どんな問題を起こしたというのか……。

 聞きたいような聞きたくないような、微妙な感情が胸の中で渦を巻く。

 しかし自身の今の立場上、聞かないという選択肢などないことは重々承知している。ウルベルトは出そうになったため息を咄嗟に呑み込むと、意を決して詳しい内容を説明するようペロロンチーノを促した。

 〈伝言(メッセージ)〉越しに、ペロロンチーノの躊躇ったような気配が伝わってくる。

 しかし少しの空白の後に始まった用件の説明に、ウルベルトは聞き始めてすぐに彼を促したことを後悔してしまった。

 

『実は……、今さっきセバスからモモンガさんへ連絡があったみたいで、ツアレちゃんが誰かに誘拐されちゃったみたいなんですよ……』

 

「………は……?」

 

 ペロロンチーノからの予想外の言葉に、思わず実際に声が零れ出る。歩を進めていた足も止まり、裏通りのど真ん中で仁王立ちになりながら顔を大きく顰めさせた。

 

『それは一体どういうことなんだ? というか“誰か”って誰だ?』

『セバスが言うには、恐らく“八本指”の仕業だろうってことらしいですけど……』

『“八本指”っていうと……、確か、あの女を助け出した娼館の運営組織で、王国王都に蔓延っている闇組織だったか』

『ですね。で、今後の対処を相談したいので、一度ナザリックに戻ってきてくれませんか?』

 

 ペロロンチーノの言葉に、ウルベルトは出そうになったため息を再び呑み込んだ。

 一難去ってまた一難とでも言うのだろうか。

 だから中途半端に手を出すべきではないんだ……と今更な愚痴さえ浮かんできてしまう。しかし、そんなことを思っても仕方がないとすぐに意識を切り替えた。

 今のセバスたちだけに任せるのは正直不安だと感じてしまっている以上、自分も動かないわけにはいかないだろう。

 ウルベルトは短い了解の言葉と共に〈伝言(メッセージ)〉を切ると、周囲を窺ってから闇の扉を開いた。

 いつもの如く視界が一度闇に染まり、次の瞬間には再び穏やかな光に包まれる。

 目だけで周囲を見やれば、そこは変わらぬ昼間の霊廟の景色で、ウルベルトは人化を解いてから霊廟の奥へと足を踏み入れていった。

 霊廟の奥ではアルベドが出迎えにきており、彼女から“リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン”を受け取ってから一気に第九階層の円卓の間へと転移する。

 扉の前には二人の一般メイドが控えており、ウルベルトの存在に一礼した後に扉を開いてくれた。それに片手を軽く挙げて応えてやりながら、中へと足を踏み入れる。

 室内には守護者やプレアデスなどの殆どのモノが揃っていたが、しかし全員が揃っている訳ではなかった。

 ウルベルトを待っていたのはペロロンチーノとシャルティア、コキュートス、アウラ、マーレ、デミウルゴス、エントマ、シズの八名。

 目前に揃っているメンバーと人数に、ウルベルトは思わず小さく眉根を寄せていた。

 ウルベルトの命により帝都に残っているユリや、現状を探っているのであろうセバスたちがこの場に揃っていないのは理解できる。しかし、その他のメンバー……特にモモンガがこの場にいないことにウルベルトは疑問符を頭上に浮かばせた。

 

「……待たせてしまったようで、すまないね。メンバーは全員揃っているのかな?」

 

 ペロロンチーノたちの元へと歩み寄り、近くの椅子に腰掛けながら念のために問いかける。

 後ろに付き従っていたアルベドも歩み寄ってくる中、扉がきちんと閉じたのを確認してからペロロンチーノがゆっくりと口を開いてきた。

 

「……そうですね、これで全員のはずです。モモンガさんは、どうしても抜け出せない依頼が入ったらしくて、今回の件は俺たちに任せたいとのことです」

「なるほど、了解だ。それで、何か情報の進展は? そもそも、どうしてこんなことになったんだ?」

「えーと、セバスたちの報告によると、最後の商人としての仕事として大量の小麦の入手と挨拶回りをしていたらしいです。その間に、一人で館でお留守番をしていたツアレちゃんが誘拐されちゃったみたいですね」

「……そもそも、どうして一人で留守番させたんだ」

「セバスもちょっと心配だったみたいですけど、ソリュシャンとルプスレギナが早く任務を完了したいって言って、セバスもそれを了承しちゃったみたいです。それから、ツアレちゃんを誘拐した犯人は“八本指”だと確定しました。一枚の羊皮紙が館に残されていたらしくて、時間と場所が書かれていたみたいなんです」

「ふむ、誘拐からの身代金の請求……。或いは、セバスが破壊した娼館への報復。いや、その両方というのも考えられるか」

「そうですね、俺もそう思います。まぁ、どちらにせよ、このまま放っておくわけにはいきません。早くツアレちゃんを助けに動かないと」

「……まぁ、仕方がないか。問題はどうやって助けるかだが……」

 

 ペロロンチーノの言葉に一つ頷くと、ウルベルトは長い足を組んで顎鬚に手を伸ばした。クルクルと指に絡めて弄びながら、状況や情報を頭の中で整理して思考を巡らせていく。

 ウルベルトの中でも、ツアレを助けないという選択肢はない。しかし、彼女をどうやって助けるかが問題だった。

 当たり前ではあるが、ナザリックが大々的に動くことはできない。世界征服を掲げている以上、遅かれ早かれ世界に“アインズ・ウール・ゴウン”の存在を知らしめる必要はあったが、少なくとも今この時は未だ早いとウルベルトは判断していた。

 ならば一体どうすべきか……と考え込む中、不意に美しいソプラノが鼓膜を打ってウルベルトは反射的にそちらへと顔を向けた。

 

「……至高の御方々のご意向に異を唱える愚かさをお許し下さい。ですが、人間などという下等生物をそこまでして助ける価値があるのでしょうか?」

 

 疑問の言葉を発したのはアルベド。他のシモベたちも、無言ながらもどこか彼女に同意しているような雰囲気を帯びているような気がする。デミウルゴスなどは、これを利用して事の発端であるツアレを処分できれば上々とすら思っていそうだ。

 しかし、それは非常に危険な考えであるとウルベルトは判断していた。

 

「それは同意しかねるな、アルベド。よく考えてみたまえ。彼の少女は我々の存在を少なからず知ってしまっているのだよ。遅かれ早かれ世界に進出するとはいえ、我々の存在をこの世界に知らせるのはまだ少し時期が早い。ツアレの早急な身柄確保は必要不可欠だ」

 

 組んでいた足を逆側に組み変えながら説明するウルベルトに、アルベドは神妙な表情を浮かべて頷いてくる。

 彼女の素直な様子に思わず小さな笑みを浮かべると、ウルベルトは改めて話を元に戻した。

 

「とはいえ、その方法が問題だな……」

「場所が分かっているのであれば、そこに隠密能力のあるシモベたちを送りこんだらどうでしょう? 要はツアレちゃんを奪還できればいいんですから、さっさと回収してナザリックに連れて来ちゃえば良いんじゃないですか?」

「いや、それも得策ではない。相手は王国王都を裏から牛耳っているような奴らだ。いくら人間だからと言って、放っておけばどこで厄介ごとに繋がるとも限らない。奴らを壊滅させるのが一番手っ取り早くて後腐れがないはずだ」

「でもそれだと大事になっちゃいますよ。俺たちのことをまだ勘ぐられちゃ駄目だって言ったのはウルベルトさんじゃないですか」

「……分かっているさ。だから悩んでいるんじゃないか」

 

 ペロロンチーノと言い合いながら、あーでもないこーでもないと話し合う。

 しかしなかなか良い案が浮かばず、ウルベルトは思わずため息をつきそうになった。

 

「……ウルベルト様、ペロロンチーノ様。一つ提案をさせて頂いてもよろしいでしょうか?」

 

 頭が痛くなりそうになる中、不意に朱色の悪魔から声をかけられる。

 デミウルゴスからの申し出に、ウルベルトとペロロンチーノは大歓迎な心境になった。

 しかし仮にも彼らの主という立場上、そんな態度をあからさまに見せるわけにはいかない。ウルベルトとペロロンチーノはチラッと視線だけで互いを見やると、次にはワザとらしいまでの大袈裟な様子で鷹揚に頷いてみせた。

 片手を軽く振ることで発言の許可を与えると、デミウルゴスはどこか嬉々とした笑みを浮かべて“提案”とやらを口にしていった。

 事細かに語られる作戦に、ウルベルトとペロロンチーノも真剣に耳を傾ける。

 デミウルゴスの語る作戦内容は非常に緻密であり、ウルベルトやペロロンチーノの懸念も上手く解決し、また多くの利点を得られるものだった。とてもではないが、ウルベルトにもペロロンチーノにも、この場にいないモモンガにもこれ以上の作戦を考え付くことはできないだろう。

 流石は俺のデミウルゴスだ、と内心で鼻高々になりながら、しかしウルベルトはこの作戦には少なからず準備の時間が必要であることも気が付いていた。作戦が決まったから即開始と言う訳にはいかないだろう。

 

「……お前の言うことは分かった。私も、非常に有効であり有益な作戦だと思う」

「ありがとうございます、ウルベルト様!」

「しかしこの作戦には、少なくない準備時間が必要ではないかね?」

「それに関しましては心配はご無用でございます。情報の入手経路はわたくしの方でも(・・・・・・・・)既に掴んでおりますし、そこまで時間はかからないかと思われます」

 

 デミウルゴスの口から意味深な言葉を聞いたような気がして、ウルベルトは思わず首を傾げそうになる。しかし不用意に突っ込んで藪蛇になる可能性も有り、ウルベルトは気になりながらも問うようなことはしなかった。ただ一つ頷いて納得することにする。ペロロンチーノもウルベルトと同じことを考えたのか、ウルベルトと同じように大きく頷いていた。

 

「……なるほど、理解した。では、デミウルゴスの作戦で行こうと思うが、他の者はどうかね?」

「俺はそれで構いませんよ」

「わたくしも異論はございません」

「はい、異論ありません!」

「ぼ、僕も、その、あの、ありません……」

「ないでありんす」

「ゴザイマセン」

 

 ペロロンチーノだけでなく他の守護者たちからも賛同の言葉を得られ、ウルベルトは一つ頷いた。

 組んでいた足を解いて椅子から立ち上がると、改めてペロロンチーノやシモベたちへと目を向けた。

 

「では、デミウルゴスの作戦でいくとしよう。総指揮官はデミウルゴス、人選も任せるからペロロンチーノやアルベドなどに相談するが良い。監督はペロロンチーノに頼みます」

 

 まるで話は終わりだというような雰囲気を発するウルベルトに、ペロロンチーノは意外だという表情を浮かべて小首を傾げてきた。

 

「あれ、ウルベルトさんはどうするんですか?」

「……私はまだ用があるのでね。今回のことはお任せしますよ。観衆の一人として見物させてもらいます」

「ということは……、今回の件には参加しないってことですか?」

「そういうことです」

 

 驚愕したような声音で問いかけてくるペロロンチーノに、ウルベルトは表情を変えないまま一つ頷いて返す。思わず黙り込むペロロンチーノの様子に、彼の胸の中が手に取るように分かるようだった。

 恐らくウルベルトの言葉が意外過ぎて言葉も出てこないのだろう。いや、何か企んでいるのだろうかと疑ってさえいるかもしれない。しかし、ウルベルトは別に何も企んではいない。逆に、何もしないために今回の作戦の参加を見送ったのだ。

 今回のデミウルゴスが提案してきた作戦内容は非常にウルベルトの好みであり、本音を言えば非常に参加したいものである。しかし作戦自体に参加したとしても、ウルベルトの今回の役割はあくまでも監督あるいは監視であり、言うなれば裏方ポジションなのだ。もし作戦に参加して興が乗り過ぎてしまえば、ウルベルトは裏方ポジションをかなぐり捨てて表舞台に出てしまいかねなかった。そうなれば、作戦は台無しになってしまう。言うなれば、ウルベルトが今回の作戦に参加しないのは、作戦を失敗に終わらせないためだった。

 

「では、私は王都に戻るから、また何かあれば連絡してくれたまえ」

「分かりました。もしまた何かあったら連絡しますね」

 

 ペロロンチーノもウルベルトの考えに気が付いたのか、それ以上問いかけてくることもなく頷いてくる。

 他のシモベたちも深々と一礼してきて、ウルベルトは軽く手を挙げて応えながら扉に向けて踵を返した。後のことはペロロンチーノたちに任せ、ウルベルトはウルベルトで、単独で王国王都へと戻るべく歩を進める。

 背後では朱色の悪魔が焦燥と恐怖が入り混じったような視線を向けてきていたのだが、ウルベルト自身はそれに気が付くことはなかった。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 ウルベルトが円卓の間を去った後。デミウルゴスはペロロンチーノやアルベドたちと共に今回の作戦の参加人員や更なる詳細を話し合った。

 今回の作戦の参加人員はデミウルゴスとペロロンチーノ、シャルティア、マーレ、セバス、そしてユリやナーベラル以外のプレアデス全員。総指揮官はデミウルゴスであり、監督はペロロンチーノとなった。

 そして現在。

 ペロロンチーノたちは一足先に拠点となるセバスたちの館に向かい、デミウルゴスは自身の担当守護領域であるナザリック地下大墳墓第七階層にて、配下の悪魔たちに指示を出しながら作戦への準備を行っていた。

 階層中を忙しなく走り回る配下の悪魔たちを見つめながら、デミウルゴスはこれからの作戦について思考を巡らせる。その顔には、作戦の総指揮官という大役を任されたというのに歓喜の表情ではなく真逆の憤怒と苛立ちの表情を浮かべていた。朱色の細い体躯からも重苦しい空気が放たれている。自身の周りで忙しなく働く配下の悪魔たちを見つめながら、デミウルゴスは胸の中で激しく怒り狂っていた。

 怒りと殺意の矛先は、今回の騒動の全ての元凶と言えるセバス・チャン。

 あの男さえ余計な真似をしなければ、御方をご不快にさせることもなかったというのに……っ!!

 

「早く準備しなさい! 御方をお待たせするなっ!!」

 

 周りの悪魔たちに向けて厳しい声を飛ばす。

 怒りの感情を隠しもしないデミウルゴスの胸の中には、激しい怒りでも覆い隠せないほどの大きな焦燥と恐怖が揺れ動いていた。

 彼の頭の中を占めているのは自身の創造主の姿。一度は姿を隠され、しかし再び戻って来て下さった、いと尊き至高の御方。

 セバスの愚行とツアレの存在に怒りを露わにしていた御方が、更に問題を引き起こした二人を不快に思わないはずがない。

 現に今回の作戦に、ウルベルトは参加しないと言ったのだ。しかもデミウルゴス自身、今回の作戦内容はウルベルトの趣味趣向に非常に合っているものだと自信を持って言えるものだというのに。

 今回の作戦に参加されないのは、恐らくセバスとツアレの尻拭いともいえる今回の騒動に嫌悪されたからに違いない。

 それ以外にウルベルトが参加しない理由がデミウルゴスには思いつかなかった。

 

「………おのれ……」

 

 知らず唇の隙間から呪詛のような言葉が零れ出る。

 今回の件で不快感を持ったウルベルトが、ツアレ救出という騒動の収束を成しただけで心を鎮めてくれるはずがない。騒動の元凶であるセバスとツアレを始末して怒りを治めてくれればまだ良い方だ。

 けれどもし、呆れ果てて再び姿をお隠しになってしまわれたら?

 そうでなくとも、他の二人の御方々と仲違いをされてナザリックを去ってしまわれたら……?

 頭に浮かんだ最悪の考えに、デミウルゴスはピタッと動きを止めて思わず左胸を鷲掴んだ。指に力がこもり、左胸のシャツやスーツの生地に深い皺が寄る。普段であればウルベルトに与えられた服に皺を寄らせるなどデミウルゴスにとっては考えられない愚行であったが、しかし今の彼はそれに気が付かないほどに精神が追い詰められてしまっていた。

 自身が想像した考えに囚われ、身体だけでなく心臓さえ凍り付かせる。創造主のいない日々を思い出しただけで全身から血の気が引き、心が……魂が悲鳴を上げる。

 もはや創造主のいない世界など耐えられない。他の至高の主であるモモンガやペロロンチーノが残ったとしても、もはやデミウルゴスには不敬と分かってはいてもそのまま仕え続けることは不可能だった。

 だからこそ、今回の騒動を引き起こしたセバス・チャンが憎くて仕方がなかった。

 以前のコキュートスの蜥蜴人(リザードマン)への敗北を含め、自分たちに許された猶予が後幾つあるかも分からない。もしかすれば猶予などもう一つもないのかもしれない。

 だというのに、彼はそんなことは知らぬげに自身の欲望のままに行動して至高の主たちの信頼を裏切ったのだ。

 これで許せるはずがない。

 ウルベルトやペロロンチーノが再び戻ってきてくれたのは決して当然のことなどではなく、奇跡であるとデミウルゴスは考えていた。だからこそ、その奇跡を無にするようなセバスの言動に怒りと殺意が治まらなかった。

 

 もし彼の御方が再び姿を隠すというならば、自身は浅ましくもその身に縋りついて許しを請うだろう。

 もしナザリックを去るというならば、自身は与えられた役目すらも投げ捨てて御方を追って付き従うだろう。

 もし付き従うことすら許されなければ、自身はこの胸から心臓を引きずり出して、どうか御方のその手で処分してくれるよう希うだろう。

 だが、その前にまずは……――

 

「……もしウルベルト様を少しでも損なうようなことになれば、あの女ともども奴を八つ裂きにしてくれる……っ!!」

 

 それは呪詛か、願望か、それとも怒りに任せた唯の言葉か。

 黒い革手袋やスーツ越しに左胸に食い込むほどに爪を立てる中、不意に殺気纏うデミウルゴスへと一つの細い影が歩み寄ってきた。

 

「デミウルゴス様、少々よろしいでしょうか?」

 

 かけられた声に振り返れば、そこに立っていたのは一体の嫉妬の魔将(イビルロード・エンヴィー)

 烏の頭に人間の女の身体。黒の革でできたボンテージファッションに身を包んだ悪魔が、静かにデミウルゴスの背後に立っていた。

 レベル80台の上位悪魔であり、デミウルゴス直轄の親衛隊の一体でもある彼女が何も考えずに忙しいデミウルゴスに声をかけるとは思えない。加えて怒気と殺気を纏った彼にわざわざ声をかけてくるということは、それだけの用があるということなのだろう。

 デミウルゴスは纏っていた空気を少しだけ和らげると、改めて嫉妬の魔将へと向き直った。

 

「……どうした?」

「ウルベルト・アレイン・オードル様より、デミウルゴス様へお渡しするよう託った品がございます」

「ウルベルト様からっ!?」

 

 思わぬ言葉に、途端に心臓が跳ね上がる。反射的に嫉妬の魔将へと一歩近寄れば、彼女は片膝をついて持っていた品を恭しく両手で掲げ持つと、そのままそっとデミウルゴスへと差し出してきた。

 彼女の両掌の上にあるのは、見たことのない装備一式と一つの宝玉。

 どちらも非常に質が良く高価な物であることが一目で分かり、知らず小さく息を呑む。

 興奮と歓喜に小刻みに震える手をゆっくりと伸ばすと、デミウルゴスは慎重な手つきで嫉妬の魔将からそれらを受け取った。非常に丁寧に持ち直すと、改めて品一つ一つへと目を向ける。

 じっくりと眺めまわすデミウルゴスに、嫉妬の魔将は傅いていた状態からゆっくりと立ち上がった。

 

「ウルベルト・アレイン・オードル様より、“今回の作戦に使うように”という言伝も承っております」

「……そうですか。他に、何か仰られていましたか?」

「これは独り言で仰られていただけかもしれないのですが……、“物事には相応しい服装、相応しい理由が必要だろうから”とも仰られていました」

「……なるほど、そういうことですか」

 

 会話の相手が自身の部下であるため口調は少々ぞんざいであるものの、しかし装備一式と宝玉に注がれている視線や表情は歓喜の色に満ちている。発せられる気配も先ほどとは打って変わってひどく穏やかで、それだけでデミウルゴスの機嫌が急上昇したことが窺えた。

 デミウルゴスは近くに置いてある大きなテーブルへと歩み寄ると、手に持っている品々を丁寧に並べていった。

 多くの至宝が目前に並ぶさまは正に圧巻であり、デミウルゴスと嫉妬の魔将は思わず感嘆の吐息を零す。

 先ほど嫉妬の魔将が口にしていたウルベルトの言葉を思い出し、行きついた考えにデミウルゴスは心が躍るような晴れやかな気持ちになった。

 ウルベルトが口にした“相応しい服装”と“相応しい理由”。

 恐らくウルベルトは、この装備一式を身に纏い、この宝玉を騒動の原因として利用するようデミウルゴスに伝えたかったのだろう。

 デミウルゴスは改めて品一つ一つに目を向けると、じんわりと深く大きな笑みを浮かばせた。

 目の前の装備一式はデミウルゴスがこれまでウルベルトに与えられてきた装備品とはまた違ったデザインのものだったが、しかしそれでもウルベルトらしさは決して失っていないデザインでもあった。いや、どちらかというとデミウルゴスのためのデザインというよりかは、ウルベルトらしいデザインと言っても良いかもしれない。まるでウルベルト専用の装備を下賜されたような感覚に、デミウルゴスは顔が更に笑みに崩れるのを抑えることが出来なかった。

 これまでデミウルゴスが与えられてきた装備は暖色系のスーツが主だったが、目の前の装備は正装のようなデザインに加えて、どちらかというと洋装風のものだった。

 全体的な色は漆黒。

 光沢のある白いシャツに薄灰色のクラバット。クラバットの傍らには紫色の帯と金縁に血のような深紅の宝石が添えられており、恐らくクラバットを飾る装飾品であろうことが窺えた。

 シャツの上にはコートを羽織るような形になっており、コートの裾は左右と後ろに切れ込みが入り、まるで燕尾服のように後ろの裾が特に長いデザインになっていた。色は紫がかった黒地で金の刺繍が入っており、加えて光の加減で紫が鮮やかに浮かぶ何とも美しく品のある代物である。

 手と足には、黒革の手袋と漆黒のボトム。頭には漆黒に紫の帯が付いたシルクハット。

 しかも、その全てがそれだけではない。

 シルクハットは頭飾りと組み合わさっており、かぶればわざと右側に傾いて左側に頭飾りが覗くように作られていた。加えて頭飾りのデザインは、なんとウルベルトと同じような大きくねじくれた左角。非常に黒に近い焦げ茶色のその角は金色の輪で飾られているだけでなく、表面には多くの皹が走っており、まるで角の中にマグマが流れているかのように皹の隙間からは深紅や朱金の輝きが揺らめいていた。

 黒手袋には銀色のアーマーリングが添えられており、ボトムには赤銅色の脛当付きのブーツが添えられている。

 関節ごとに連なっているアーマーリングは繊細な鎖でバングルの様な手甲と繋がっており、爪先は獣のように長く鋭く尖っていて、防具というよりかは武器のような様相をしていた。また、ブーツの方はといえば、脛当の部分が頭飾りの角と同じように多くの皹が走っており、皹の隙間からマグマの様な深紅と朱金の輝きが揺れ動いている。加えて足先を覆う金属のカバーには縦に一本の線が彫られており、まるで山羊の蹄の様なデザインになっていた。

 

「……はぁ~、何て素敵な衣装なのでしょう。デミウルゴス様に良くお似合いになると思いますわ」

 

 嫉妬の魔将から感嘆の吐息と共に賛美の声がかけられる。

 しかしその一方で、彼女は少し不思議そうな表情を烏の顔に浮かべていた。

 

「……ですが、この装備だけではデミウルゴス様の顔が見えてしまい、問題が起きてしまうのではないでしょうか?」

 

 困惑した声音で小さく首を傾げるさまは、どこかあどけなく愛嬌があって可愛らしい。

 非常に挑発的な服装に反しての幼子のような仕草に、デミウルゴスは笑みを浮かべたまま小さく頭を振った。

 

「それは無用の心配だ。実は顔を隠す方法に関しては、大分前にウルベルト様へ進言していてね。既に仮面を賜っているのだよ」

 

 尤も、その時はまさかこのような素晴らしい物を頂けるとは夢にも思っていなかったが……と付け加えながら、デミウルゴスは既に用意していた仮面を懐から取り出してテーブルの上に並べた。

 その仮面は、二回目の定例報告会議の翌日にデミウルゴスの方からウルベルトに願い出て貰い受けた物。全体的に蒼色で金色の装飾がされているその仮面は、道化師のような不気味な笑みを浮かべており、目の前の装備品とも非常にマッチしているように見えた。

 正に完璧な組み合わせに、改めて創造主の見事な手腕に感動して思わず感嘆の吐息を再び零す。

 デミウルゴスは尚も笑みを深めさせながら、次は装備一式の横に置かれた宝玉へと目を向けた。

 ゆっくりと手を伸ばし、そっと人差し指の背で表面を撫ぜる。つるつるとした感触が指に心地よく、宿っている魔力を感じ取って思わずフフッと小さな笑い声を零した。

 この宝玉が唯の見せかけの代物でないことをデミウルゴスは知っていた。なんせ未だナザリックがユグドラシルにあり、どの至高の主も誰一人として隠れていなかった全盛期に、ウルベルト自身が嬉々としてデミウルゴスに見せて語って聞かせてくれた代物だったからだ。

 この宝玉の名は“ジレルスの結界石”。レベル80台の魔獣――ティンダロスの猟犬が封じ込められている宝玉である。

 どういった経緯で手に入れたのかまでは知らないが、当時のウルベルトの喜びようから大変な苦労の末に手に入れた物であろうことは窺える。このような作戦に使っていい代物ではないとデミウルゴスとしては思うのだが、しかしその一方で納得もしていた。

 この宝玉は誰しもが使えるマジックアイテムではない。100レベルの存在にのみ、このマジックアイテムは使うことが出来るのだ。この宝玉であれば、一時この世界の住人たちの手に渡ったとしても発動することはないだろう。ティンダロスの猟犬が手違いでナザリックのモノたちを襲う心配もない。

 デミウルゴスは表面を撫でていた指を離すと、次にはゆっくりと宝玉を掴んで自身の目線まで持ち上げた。

 宝玉は全体的に翳った青緑色をしており、まるで封印の印のように九芒星が銀の線で表面中心に描かれている。他の装飾などは一切なく、どこまでもシンプルな見た目をしていた。

 しかし、醸し出される魔力や不気味さは相当なもの。

 いくら中を覗いても封じられている魔獣が見えることはないが、それでもまるで魔獣の存在を知らしめるかのように宝玉は一定の間隔で鼓動して脈打っていた。それは振動でも音でもないが、言うなれば魔力のようなものが波紋のように放たれている。悪魔であるデミウルゴスにとっては心地のいい鼓動ではあったが、唯の人間からすればさぞや不気味で恐怖を湧き上がらせるものだろう。

 このような素晴らしい物を授けてくれたウルベルトにデミウルゴスは感謝と更なる忠誠を誓うと、それと同時に今回の作戦を必ず成功させると強く心に誓った。

 

「……今回の作戦、決して失敗は許されません。このような素晴らしい品々を用意して下さったウルベルト様の御為にも、必ずやお望み以上の成果を上げなくては」

 

 デミウルゴスの独り言のような言葉に、嫉妬の魔将はただ無言で頭を下げてくる。

 デミウルゴスは宝玉を持つ手に力を込めると、眼鏡の奥からほっそりと宝玉の瞳を覗かせて虚空を睨み据えた。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 夕暮れが過ぎた宵の刻。

 集まった面々に指示を出し終わったラキュースは、解散していく仲間たちの背を見送りながら誰にも気づかれない程度に小さな息を吐き出した。

 今宵、ラキュース率いるアダマンタイト級冒険者チーム“蒼の薔薇”は、王女ラナーの依頼により王国王都の闇に蔓延る“八本指”を打倒するべく、大掛かりな計画を実行しようとしていた。

 通常であれば、冒険者が国からの依頼に応えることは殆どない。冒険者組合には設立理念というものが存在し、それは外の脅威から人間を守るというものである。そのため、人間同士の争いには極力首を突っ込まないというのが決まりとなっていた。国と冒険者組合は互いの間に一線を引いており、今回の件を含め、人間同士の争いになりそうな依頼にはいくら相手が国だからと言っても冒険者たちは依頼を引き受けるようなことはしないのだ。もしこれを破れば、最悪の場合だと冒険者組合から追放処分を受けることすらある。

 そのため、この場にはラキュースたち以外の冒険者の姿は見られない。

 いるのは王国戦士長であるガゼフ・ストロノーフと、王女ラナーの側付きの兵士であるクライム。王国貴族のレエブン侯が個人的に所有している元オリハルコン級冒険者チームの四名と、同じくレエブン侯の領内の民兵二十名。後は、こちらもレエブン侯と関係のある高位神官や魔術師組合員などが揃っていた。

 現役冒険者でこの場にいるのはラキュースたちのみであり、何故彼女たちが王女ラナーの依頼を引き受けたのかといえば、それはラキュースとラナーが友人関係にあるという理由のためだった。後はラキュース自身も一応貴族出身であるため、貴族としての責務として今回の件は見逃せないという個人的な思いもある。

 何はともあれ、今回の件に関してはラキュースは力を貸してくれる“蒼の薔薇”のメンバーに心から感謝していた。

 欲を言えばもう少し戦力が欲しいところではあったが、しかしこの際仕方がないと自身を納得させる。ここまで戦力が集まったことすら、ある意味奇跡に近いのだ。

 ラキュースはこれからのことに思考を巡らすと、出そうになったため息を咄嗟に呑み込みながら憂鬱になりそうな心を引き締めさせた。

 今回の詳しい依頼内容は“八本指”が所有する八つの拠点を同時に襲撃して一気に制圧するというもの。

 言葉にすれば簡単そうに思えるが、問題なのは拠点の数とこちらの人員の数。そして何より“六腕”という存在だった。

 “六腕”とは“八本指”に属する最強クラスの六人組を指す言葉である。

 最強という言葉も伊達ではなく、一人一人がアダマンタイト級冒険者に匹敵する力を持っているとされているのだ。

 もしこの“六腕”のメンバーが各拠点に一人ずついた場合、事と次第によっては手こずる場合や苦戦する場合も考えられる。そのため、自分たち“蒼の薔薇”のメンバーは一人ずつに別れ、加えてガゼフ・ストロノーフやクライムも加えて複数のチームを作っていた。

 それでもチームの数は七つであり、拠点の数と比べると一チーム足りない。とはいえ、“六腕”のことを考えれば、無暗に実力のない人員を増やすわけにもいかなかった。他の王族貴族も信用できず、他の冒険者チームを雇うこともできない。自身の担当する拠点を制圧したチームから順に残りの拠点へ向かうという対策は取ったものの、果たして思い通りに進むかどうかはラキュースにも分からなかった。

 何とも心許ない状況に、不安が湧き上がってくるのを止められない。

 心から信用できて腕も確かな味方が欲しいものだとため息が出そうになり、そこで不意に脳裏に褐色の美男子の顔が勢い良く浮かんできてラキュースは思わず大きく息を呑んだ。翡翠色の瞳を大きく見開かせ、一気に頬を真っ赤に染め上げる。顔どころか頭や身体中が熱を帯び、鼓動が早鐘のように脈打った。

 

(なっ!? こ、こんな時に何を考えているのよ、私は……っ!!)

 

 ブンッブンッと激しく頭を振り、何とか熱を逃がそうと試みる。しかし次から次へとカルネ村でのことが頭に浮かんできて、熱は引くどころかどんどん上がっていくようだった。加えて横抱きに抱え上げられた時の熱や感触まで思い出してしまい、ラキュースは声にならない悲鳴を上げた。

 この場に自分だけしかいなければ、今頃思い切り身悶えていたことだろう。

 しかし人の目があるこの場でそんなことが出来る筈もなく、ラキュースはフルフルと身体を小刻みに震わせながら羞恥と胸の高鳴りを必死に堪えるしかなかった。

 心を落ち着かせようと咄嗟に腰の魔剣キリネイラムの柄を握りしめ、そこで再びカルネ村での光景が頭に蘇る。しかし次に湧き上がってきたのは更なる熱ではなく、胸が軋むほどの切なさだった。

 彼がここにいてくれたら……と思わずにはいられない。

 彼ならば信頼できるし、腕も確かであるため心強く感じたことだろう。彼はワーカーであるため、冒険者での決まりもないはずだ。

 しかし、そうつらつらと考えたところで……――

 

「……はぁ、虚しいだけよね……」

 

 ラキュースは今度こそ耐え切れず、小さなため息を零した。

 どんなに考えを巡らせたとしても、どんなに願ったとしても、彼は……レオナール・グラン・ネーグルはここにはいない。彼はバハルス帝国のワーカーであり、恐らく今も帝国のどこかにいるのだろう。

 せめて王国にいてくれたら……とは思うものの、それが唯の自分の願望であり、我儘であることはラキュースも理解していた。

 今はこんなことを考えているよりも任務に集中するべきだと自身に言い聞かせる。

 ラキュースは一つ息をつくと、意識を切り替えて任務に出撃するために一歩足を踏み出した。

 

 




今回は悪魔親子の親子愛(息子からの愛?)が濃すぎるような気がしないでもない……(汗)
だ、大丈夫ですかね?(汗々)
でも割と本気で、もし原作にウルベルトさんもいて同じような状況になったら、デミウルゴスは今回の話と同じような感じで考えたり行動したりするような気がします……。

*今回の捏造ポイント
・“ジレルスの結界石”;
『期間限定イベント・ガチャ ~クトゥルフvel~』でのみ入手可能なレア・アイテム。100レベルプレイヤーのみ使用可能。ティンダロスの猟犬という魔獣が封じ込められている。

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