「我々はこれより、一度アメノミハシラに上がった後、L4まで向かう!」
と言ったのは、ワルキューレ隊の前に立っている義之である
「向かうL4宙域は、我々にとっては未知の領域だ……恐らく、かつてない激戦が待っているだろう……だが、諸君ならそれを生き残り、帰ってこられると信じている」
義之の演説を、ワルキューレ隊のメンバーは静かに聞いている
そして義之は、最後に全員の顔を見回して
「またここで……生きて会おう!!」
と敬礼した
『了解!!』
義之の言葉を聞いて、全員は斉唱と共に敬礼
その直後、全員は走り出した
これから、離陸前の最終確認を行うのだ
荷物に忘れはないか
機体や備品、部品はキチンと固定されているか
そして何より、遺書は残したか
生きて帰るつもりだが、何時死ぬか分からない
だから、残しておくのだ
何より、無事に帰ってきたら処分すれば良い話である
そうして、最終確認を終えて全員乗艦
白亜の巨艦と青き巨艦が艦首を空に向けて、特装破城砲を発射
形成された真空のチューブの中を、装着したブースターを全力で噴かして天向けて走っていく
それを、地上から見送る人々
その誰もが、この下らない戦争の巻く引きを願っていた
一年以上に渡って続く、世界規模の戦争
有史以来、都合何度目かの戦争
その終結を、見送った人々は願ったのだった
そして、打ち上げから約数時間後、二隻はアメノミハシラに接続
その後、続々と各国選抜の精鋭部隊が集結
部隊再編の後に、即座にL4に向けて出発した
その頃、月面のユーラシア連合基地から夥しい数の艦隊が出発していた
その行き先は、義之達と同じくL4
その艦隊の中には、ガーティールー級が複数存在していた
その数は、四隻
どうやら、全て投入してきたらしい
そして艦隊旗艦は、黒き巨艦
ユーラシア連合が建造したアークエンジェル級
ドミニオンだった
そのドミニオンの艦橋には、ユーラシア連合軍側の総指揮官として、マクシミリアンが座っていた
そのすぐ傍には、副官としてセルベリアが居る
すると、艦長席に座っていたグレゴールが
「殿下、準備完了。何時でも行けます」
と準備が終わったことを告げた
それを聞いたマクシミリアンは、立ち上がると
「栄えある連合軍兵士達よ……時は来た……一年に渡った穢れたダルクス人共との戦争も、間も無く終わる……不当に占拠されたL4は、奴等の血で洗浄しよう……悪辣な悪鬼共を、皆殺しにするのだ……全軍、進撃!」
と演説した
それを聞いたグレゴールが
「全軍進撃開始! 艦隊、第三戦速! 目標宙域、L4!」
と指示を下し、先にドミニオンが動き出した
そしてユーラシア連合軍も、L4宙域に向かい始めた
最終決戦は、間近に迫っていた