「どいてくれ! ダルクス人! お前達とは、出来ることなら、戦いたくないんだ!」
義之はそう言いながら、ダルクス軍のMSを撃破していく
その目指す先にあるのは、巨大兵器たるジェネシスである
それを破壊しなければ、地球が危ない
もちろんだが、核ミサイルの方にも手は打っている
ユーラシア連合軍の方には、みちるを中心にした部隊を差し向けた
その時だった
義之を、ある予感が走った
その予感に従い、義之は機体にランダム回避機動を取らせた
その直後、あらゆる角度からビームがフリーダムを狙って迫った
「この攻撃は……まさか!?」
その攻撃を、義之は知っていた
それは、初音島
もっと言えば、天枷研究所でさくらと束が見せてくれた設計図
ジャスティス、フリーダム、テスタメントの兄弟機の一機の攻撃方法と酷似していたからだ
「まさか……あんたらだとはな……ハッキングしていたのは!!」
しかし、開発されなかった
その最たる理由の一つは、その武装を扱うのに特殊な才能が必要と分かったからだ
その才能というのは、高い空間認識能力
パイロットならば誰もが有している能力だが、その平均値を遥かに上回る能力が必要だったのだ
計画段階でそれが判明し、それを探すのが難しいと分かったさくらと束は、開発を中断
その設計図は、厳重なプロテクトが施されたサーバーに仕舞われた
しかしある日、そのサーバーがハッキングされたことが判明した
そのハッキング先は分からなかったが、これ以上ハッキングされないようにと、機体の設計図データは特殊なサーバーに移動させ、見れるのは開発に携われる者のみとなった
だがここに来て、そのハッキング相手が分かった
それを裏付けるように、義之の視線の先にその機体は居た
ダルクス軍のMSの中では、ある意味異形のガンダムタイプ
銀色のPS装甲に、後光を背負ったかのような機体
その名前は
「プロヴィデンス!!」
初音島での型番は、GATーX13A
ダルクス形式ならば、ZGMFーX13A
天帝の名前を与えられた機体が、義之の視線の先に居た
そしてそのパイロットに、義之は気づいた
「ダルクス軍総司令……ダハウ!!」
『やはり、初音島の英雄か……』
義之がダハウの名前を呼ぶと、プロヴィデンスから音声通信が繋がった
『君を、これ以上先に進ませる訳にはいかないな……』
ダハウはそう言うと、プロヴィデンスの巨大なビームライフルを構えた
その時
『ほう……ここに、私の獲物が揃っているとはな……なんという幸運』
と声が聞こえた
その声を聞いて、義之とダハウは視線をある方向に向けた
その先に居たのは、黒と赤の配色の一機のガンダム
「オーガカラミティ……」
『ユーラシアの魔女か……』
ユーラシア連合軍切ってのエースパイロット
セルベリア・ブレスが駆るオーガカラミティだった
『貴様達を殺し、この戦争を終わらせる……栄光を、我が陛下に捧げる!』
今ここに、三竦みの決戦が幕を開く