機動戦士ガンダム 英雄黙示録   作:京勇樹

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インフル、辛い……


ジェネシス攻防戦2

「退けぇ!」

 

クルトはそう声を上げながら、一機のグフを撃破

速度を維持したまま、ジェネシスに向かった

 

「戦況は……やや不利か」

 

ジェネシス付近の攻防戦を見たクルトは、小さく呟いた

拠点を攻めるには、相手戦力の三倍必要と言うのが定説だ

その点、JEU軍の数はようやく互角といったところ

不利は否めなかった

 

「つっ!?」

 

その時クルトは、自身の直感に従って回避機動を取った

その直後、先ほどまでクルト機が居た場所を一発のビームが走った

そしてクルトは、素早く敵を視認した

三機目のドムトルーパーだった

 

「グスルグと同型の機体……!」

 

クルトが認識すると、最後の一機ドムトルーパーは、ビームシールドを展開

展開したまま、ランチャーを連射してきた

クルトはその攻撃を、機体を左右に振って回避

突撃機銃を撃った

もちろん、それで撃破出来るとは思っていない

事実、機銃の弾は全てビームシールドで防がれた

 

「やはり、そのビームシールドは厄介だな!」

 

クルトはそう言って、盾のガトリング砲を撃った

この弾も、ビームシールドで防がれてしまった

だがここまで、クルトの想定内だった

そのドムトルーパーに、バズーカと機銃が複数の方向から放たれた

その攻撃をドムトルーパーは回避し、攻撃してきた機体を視認した

それは、422部隊

ネームレスだった

ネームレス隊は全員が特化した技量を誇り、MSにも反映されていた

一人は狙撃手として特化していて、機体のジン・トーナードADVも頭部に三眼式光学センサーを追加していて、相手のレーダー範囲外から狙撃を命中させることが出来る

またある一人は、近接白兵戦を得意としていて、乗機のジン・トーナードADVは推力が強化されていて、機体各所にナイフが装備されている

以上のように、各々に合わせて調製と装備が許されている

 

「お前達、頼んだ!」

 

とクルトが言った直後、巨大な盾と大剣を装備したジンがドムトルーパーに突撃した

ドムトルーパーは迎撃にと、ランチャーを連射するが、盾は悉くを弾く

複合装甲式の大型盾は、その役割を十全に果たしていた

その盾を前面に押し出して体当たりすると、その機体は大剣のスラスターを噴かした

大剣の一撃を受けたら不味いと気づいたドムトルーパーのパイロット

ジグ大尉は、一気に機体を後退させた

 

『グスルグさんから聞いていたが、確かに強い!?』

 

グスルグからネームレスの強さを聞いていたジグだったが、その強さは予想を越えていた

ジグ大尉は17という若さだが、その操縦技能は非常に高く、ダハウの片腕と目されている

そのジグと互角に戦っているのだから、ネームレス全員の練度が伺えるだろう

本当ならクルト機を攻撃したいが、他の機体を無視は出来なかった

無視したら、手痛い攻撃を受ける

そう言った確信があった

その証拠に、先ほどの盾持ちの後ろから両手でバズーカを持った機体が現れて、バズーカを撃ってきた

その狙いも、見事だった

一発目から避けられるか際どい狙いで、二発目以降は回避機動先を予測してきていた

 

『えぇい!!』

 

その攻撃をジグは、ドムトルーパーの攻勢防御機構

スクリーミニング・ニンバスを発動し、強引に突破した

その直後、そのバズーカ持ちが僅かに横に逸れたかと思えば、一発の銃弾が飛んできた

 

『つっ!? 狙撃か!?』

 

その一発は辛うじて避けたが、かなり際どかった

そしてジグは、改めてネームレス隊の強さを確信した

確かに、一人一人も強い

だが、今は連携も重なっている

まさに、強敵だった

 

『だが、タダでは通さない!! ダハウ様の為にも!!』

 

ジグはそう声を上げて、ネームレス隊と交戦を開始した


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