『あんたら、しつこいのよ!』
『悪いけど!』
『諦めるわけには、いかないっ!』
リディアの悪態混じりの言葉に、リエラとイムカの二人は気合いの声を上げながらリディア機に肉薄し、攻撃を繰り出した。
リエラとイムカの二人は旧式機だが、二人の連携にリディアは押されていた。
何よりの差は、機体への熟練度だ。
リエラとイムカの二人は、前身機を含めるとそれこそ年単位の熟練度に達する。
それに対してリディアは、漸く一ヶ月になる。しかもリディアは、実戦経験は皆無だった。
それが、リディアと二人の差だった。
リディアは複合ランチャーのバズーカを撃つが、弾切れになり弾倉を交換しようとした。しかし、、その隙をリエラは見逃さずに、重突撃機銃を単発発射。
その弾丸が弾倉を穿ち、爆発を起こした。
『ぐうっ!?』
『貰った!』
爆発を起こす直前に弾倉は放していたが、リディア機はバランスを喪失し、そこにイムカが切り込んだ。しかし、リディアは強引にバランスを直すと
『来るんじゃ、ないわよっ!』
と声を上げながら、複合ランチャーのビームを撃った。
ビームはイムカ機の右肩に直撃し、イムカ機は右腕を肩から喪失した。だが、イムカ機は止まらず
『ああああぁぁぁぁぁ!!』
雄叫びを上げながら、リディア機に迫る。
『つっ!?』
リディア機はそんなイムカ機を撃墜しようと、複合ランチャーを構えて撃とうとした。だが、数発の弾丸が複合ランチャーに命中した。
『ちいっ!?』
『行って! イムカ!!』
それは、リエラ機の援護だった。
リエラ機はイムカ機に当たらないようにと、位置を変えて重突撃機銃を斉射。
それが功を奏し、リディア機の複合ランチャーを破壊した。
そして、リエラ機の援護を受けたイムカ機は右腕から離れた専用武装たるヴァールを掴み
『終わりだぁぁぁぁぁ!!』
『舐めるな!』
声を張り上げながら、ヴァールを振り下ろした。
専用武装、ヴァール。
これは、彼女が発案し422整備班が開発した複合武装である。
機銃、バズーカ、大剣の三つの武装が合わさっており、使いこなせればかなり有用な武装である。
しかし、かなりヘビー級の武装になってしまい、使いこなせたのは結局彼女のみだった。
しかしイムカは、そのヴァールにより多大な戦果を挙げていて、軍からはイムカ機専用武装とすることを許された。イムカの戦果は、EUの七英雄に迫るものがあり、それほどの戦果を挙げたのは快挙だった。
そして、イムカ機が振り下ろしたヴァールは、リディア機を右肩から腰まで両断した。
しかし、リディア機が最後に抜いたビームサーベルが、イムカ機の腰に刺さった。
『イムカ! 脱出して!』
『つっ!』
リエラが脱出するよう促すと、イムカはコクピットハッチをパージさせて、椅子を蹴って外に出た。
それを、近づいていたイムカ機が回収した。
『ぐっ……やっぱり、ダメだったわね……けど、出来ることはしたわ……ねえ、グスルグ……』
それが、リディアの最後の言葉だった。
その数秒後に、リディア機は爆散。それを見たリエラは
『クルトを助けに行きたいけど、推進材と弾薬が、もう限界……』
と悔しそうに呟いてから、ジェネシスを見た。
激しく閃光が瞬き、炎の華が咲いている。
終幕は、近づいてきていた。